No.15
- 回答日時:
#12です。
問いかけに応じていただいた#14の OKAT さんに感謝いたします。
また、横レス気味の投稿を許していただいた質問者さんにも感謝すると同時に、ご見解もうかがわせていただければと思います。
煩雑にならないよう、なるべく要点を絞ります。
> 「Xさん、そんなこと私に言っても困ります」(能動文)
これを受身文にします。そのとき「ニ格」の受身だから「私に」→「私が」にして主格にします。すると
「私が<Xさんに>そんなこと言われても困ります」(受身文)
になります。「言う」の動作主として「Xさんに」が入り、「私に」は「私が」に変わっているから、もうありません。
:
ここが食い違いの焦点でしょうね。OKAT さんは、
「Xさん、そんなこと私に言っても困ります」(能動文)
という文における「に」を、
6 動作・作用の行われる対象・相手を表す。
という用法だけである、とお考えになっているのだと思います。
私は、
3 動作・作用の帰着点・方向を表す。
という用法も適用できる、と考えている。
この違いでしょう。
6の用法なら、たしかに、
「私が<Xさんに>そんなこと言われても困ります」(受身文)
となる。
しかし、3の用法も認めるなら、すでにお示ししたように、
『そんなこと(をあなたから)私に(向けるという形で私が)言われても困ります。』
という構文も可能になるはず。
『分かりにくい』というご指摘もありましたが、そもそも構図を示している内容ですので、多少はいたしかたない。
主格・対象を省略して自然に言えば、そのまま原文の、
『そんなこと私に言われても困ります。』
になるわけですから、なにも問題はない。
大事なのは、3の用法を認めるなら、ニ格受身だろうが何だろうが、「私に」は能動文にも受身文にも、どちらにも使える、ということ。
ゆえに、「に」の用法が重要、と再三申し上げている次第。
最後に、この3の用法をご理解いただきやすくするため、以下の投稿内容(#6)をご確認いただければ、と思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この場合の「に」は、
3 動作・作用の帰着点・方向を表す。「家―着く」「東―向かう」
という用法で、『そんなこと私に(向けて)言われても困ります。』という意味に捉えることができる。
これは受身じゃないだろと思われるかもしれませんが、たとえば、「ミサイルが宇宙に打ち上げられた」という例をお考えください。
これは受身ですが、この「に」は、
6 動作・作用の行われる対象・相手を表す。「人―よくかみつく犬」「友人―伝える」
という用法ではありません。
つまり、「宇宙」は「打ち上げる」という行為の対象になっているわけではない。
あくまで「宇宙に向けて」という意味であり、
3 動作・作用の帰着点・方向を表す。「家―着く」「東―向かう」
という用法であることがお分かりになるでしょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これをご覧になって、3の用法について、「宇宙に打ち上げられた」なら適用できるが、「私に言われた」には適用できない、とお考えになるかどうか。それとも、(6の用法以外にも)適用できるとお考えになるか。
最終的には、この感覚の違い、ということになると思います。
No.14
- 回答日時:
hakobuluさんのコメントは、わたしの回答に対して言われたものと受け取り、立場をはっきりさせて置きます。
受動文(受身形に)において重要なのは何かというと、動作主の存在です。
「殴られた」と訴えるひとがいたとします。それに対して「誰が殴られたんだ」と聞く人はいません。というのは、「殴られた」と訴えた人が殴られた本人だと分かるので(早合点になる可能性はありますが、すなわち別の人が殴られた場合)、それよりも先に「誰に殴られたんだ」と聞きます。
すなわち、「殴るという動作の<動作主>」に重点が置かれるということです。
「そんなこと私に言われても困ります。」という質問文を受身形だと考えるのなら、言われたのは「私」であることはすぐ分かりますが、「言う」の動作主が分かっていなければなりません。発言者はこの言葉(「そんなこと私に言われても困ります。」)をその人に向かっていったのだから当然分かっているのでしょうが、傍観者の我々には分かりません。書き言葉の場合、それが分かるように「~に」という形を使います。
そこで、「あなた」または「X」を想定します。前回は「あなた」だったけれど理解しやすいように「X」にしましょう。
「Xさん、そんなこと私に言われても困ります」
これが受身文かというと、違います。ほとんど能動文で、「れる」が尊敬だと取られかねません。そこで受身文を作るため、「れる」を取り払って能動文らしくします。
「Xさん、そんなこと私に言っても困ります」(能動文)
これを受身文にします。そのとき「ニ格」の受身だから「私に」→「私が」にして主格にします。すると
「私が<Xさんに>そんなこと言われても困ります」(受身文)
になります。「言う」の動作主として「Xさんに」が入り、「私に」は「私が」に変わっているから、もうありません。
日本語では、主格は分かっている場合は 外すことが可能です。
「Xさんにそんなこと言われても困ります」となってもいいのです。これを
「そんなこと私に言われても困ります」と比べると違いが分かると思います。
受動文にすると、「私に」はなくなり、「Xさんに」が入れ替わって入ります。
なお、受動文の動作主は「に」がつくのが普通で、場合によって「から」がつきます。例 親<から>叱られた
また、「によって」となる場合があります。
例 源氏物語は紫式部<によって>書かれた
No.13
- 回答日時:
困ります、というていねい体から敬意を感じてしまいますね。
会話の相手は上司、客、などでしょうか。相手が例えば弟だとして、敬意を取っ払うと、
「そんなこと俺に言われても困るよ」
「そんなことアタシに言われても困るわよ」
あたりになるでしょうか。言われる、は変わらないので、尊敬は無理があるような気がします。
回答ありがとうございます。
弟に「そんなこと俺に言われても困る」と言っていたらこれは受け身ですね。
もし同じ人が弟に「そんなこと俺に言っても困る」と言っていたら、元の文の(上司に言っている)「言われても」は尊敬と考えられますね。
No.12
- 回答日時:
#7、#9です。
#11さんから有意義なご指摘がありましたので、またおじゃまいたします。
間接的に質問者さんの知りたがっている点に資することにもなるはずですので、横レス気味になるかもしれませんが、ご容赦をお願いいたします。
> しかし、「そんなこと私に言われても困ります。」という文で、「そんなこと」を主格にする必要があるのでしょうか。受身形にしたいなら、「私があなたにそんなことを言われても困ります」という「ニ格」の受身で充分わかると思います。
:
という箇所。
これはおそらく、
【「あなたが私に言う」
を「私に」と受け身の「言われる」を使って主語などを省略せずに書き換えるとどうなるのでしょう。
「私があなたによって私に言われた」
ですか。もっとスマートな言い方がありますか。】
(以上#6お礼欄)
という質問者さんの補足質問を受けて、わたしが、
【対応させるなら、「あなたはそんなことを私に言った」とでもなりますか。
この受身は、「そんなことがあなたによって私に言われた」のようになると思います。】
(以上#7)
と述べた箇所についてのご見解だろうと思いますが、これはこれでひとつの切り口です。この部分が問題を「複雑」にしたとすれば申し訳ないことですが、『「私があなたにそんなことを言われても困ります」という「ニ格」の受身で充分わかると思います。』とおっしゃる点には同意できますし、そのことは当初から、#5でも以下のように述べている経緯がありますのでご確認ください。
【では、受身の場合はどうかというと、これがなかなか厄介なのですが、おそらく、
3 動作・作用の帰着点・方向を表す。「家―着く」「東―向かう」
ではないか、と思います。
『そんなこと私に(向けて)言われても困ります。』
という構図。
この場合、「言われる」という受身動作の主体である「私」は省略されている形ですが、敢えて表記するなら、
『そんなこと(あなたから)私に(向けるという形で私が)言われても困ります。』とでもなりますか。
方向性を示す「私に」と、受身主体としての「私が」を分けて捉える必要がある、ということ。】(以上#5)
しかしながら、#11さんは、次のようにも述べておられますね。
>そうなると最初の「そんなこと私に言われても困ります」を「私がそんなことを言われても困ります」にするには、「私に」を「私が(または「私は」)」に置き換え、最初に持っていくだけで、成り立ちます。最初からそう書いてあったら、問題なく「はい、受身です」となったはずです。
:
つまり、「そんなこと私に言われても困ります」だけでは受身にならない(または、なりづらい? どちらなのかも明記されていないのでわかりませんが)というご見解のようです。
しかし、『そんなこと(をあなたから)私に(向けるという形で私が)言われても困ります。』という意味に解釈できるはずであり、問題なく受身の可能性は担保されるのではないでしょうか。
「困ります」の主格が「私」であるのは当然ですから、わざわざ「私が」とは言っていないだけであり、「ニ格」の受身なら「私が」という表現が明記されなければおかしい、というご見解だとすれば、それは違うような気がします。
いずれにせよ本質は、「に」における、
3 動作・作用の帰着点・方向を表す。
という用法を認めるか否か、というだけの話でしょう。
http://dictionary.goo.ne.jp/jn/166083/meaning/m1 …
この点についてご検討いただかなければ、おそらくですが納得には至るのは難しいように思われます。
No.11
- 回答日時:
話が入り組んで複雑になっていますので、もう少し丁寧に説明しておきます。
質問で書かれた文は「そんなこと私に言われても困ります。」ですが、この文章に主格があるとすれば、「困る人」すなわち「私」が考えられます。しかし、「私に(対して)」という言葉がありますから、言ったのは「私」ではない誰かです。仮に「あなた」としておきます。
「あなたがそんなことを私に(対して)言ったことになります。そして困っているのは「私」です。
だからこの文は受身文ではなく、普通の「能動文」です。「そんなこと私に言われても困ります。」という能動文の中の「言う」に「られ」がついています。「あなたが言われた」のだから、あなたに対する「尊敬」だといいう結論になります。
しかし、「受身文」だという考えもあります。そうすると「受身文」に対応する「能動文」があることになりますが、それは「あなたがそんなことを私に言った」であるはずです。すでに「言われる」のように「られ」がついていますが、それがあるとすでにもう「受身形」のようになりますから、「られ」を外しておきます。
能動文「あなたが私<に>そんなことを言った」 受身文「私<が>あなたにそんなことを言われた」
この場合の受身文の主格(主語と言ってもいいです)「能動文」の「私に」とあったのを「私が」に変えます。これが「ニ格」の受身です。(「に」を「が」に変えるから)
普通よく見かける「受身形」は「ヲ格」の受身で、先生が私<を>ほめた(能動文)→「私が先生にほめられた」(受身文)
「を」を「が」に変えます。
「あなたが私にそんなことを言った」の中には「を」(「そんなことを」の「を」)がありますから、「ヲ格」の受身にしてみます。
能動文「あなたが私にそんなこと<を>言った」 受身文「そんなこと<が>私に(対して)<あなたに(よって)>言われた」
この受身文は言い方が複雑だし、「そんなこと」という人間ではないものを主格にしていて、「非情」の受身になります。この「非情の受身」は本来日本語にはなかったのですが、近代以後欧米語の影響で使われるようになりました。だからあることはかまわないのですが、この場合は分かりにくいし、「非情の受身」で前回省略しましたが、次のようなものです。<あなたに(よって)>は省略可。
(3)非情の受け身
主格補語が非情物(無生物)の直接受け身文で、普通、動作主は表現されない。迷惑や被害の意味も表さない。
・2002 年のワールドカップは日本と韓国の両国で開催される。
動作主とは(事実上の動作主のこと)この場合なら「開催する人たち」のこと。( FIFA)
しかし、「そんなこと私に言われても困ります。」という文で、「そんなこと」を主格にする必要があるのでしょうか。受身形にしたいなら、「私があなたにそんなことを言われても困ります」という「ニ格」の受身で充分わかると思います。
なお、書き言葉だから「あなたに」が入っていますが、話し言葉であれば誰に向かって言っているかが分かるので、「あなたに」は省略可能です。そうなると最初の「そんなこと私に言われても困ります」を「私がそんなことを言われても困ります」にするには、「私に」を「私が(または「私は」)」に置き換え、最初に持っていくだけで、成り立ちます。最初からそう書いてあったら、問題なく「はい、受身です」となったはずです。
受身文の主格とは「受身の立場」に置かれる、すなわち「言われる人」で、「事実上の動作主」とは「言う人」です。
回答ありがとうございます。
そんなこと私に言われても困ります。
は可能である。
受け身なら、
私は/がそんなこと言われたら困ります。
になっていたはずだ。
ということですね。なるほど。
No.10
- 回答日時:
受身形(受動態)についてのご意見に、わたしとは違う考えに立つ方もありますので、わたしの考えは次によっています。
参考までに次のサイトをご紹介して起きます。あなたがわたし<に>言った(能動文)→わたしがあなたに言われた。(受動文)
ニ格の受け身
普通よく見かける受身は
先生がわたし<を>ほめた(能動文)→わたしが先生にほめられた(受動文)
ヲ格の受け身
なお、「迷惑・被害の受身」は「直接対応する能動文がない受け身文」で「第三者の受け身」です。
参考
「日本語教師のページ」より(「非情の受身」「その他」は省略しました)
受け身文の種類には以下のものがある。
(1)直接受け身(直接対象の受け身)〜直接対応する能動文がある受け身文〜
「その生徒は先生にほめられた」という受け身文は「先生はその生徒をほめた」という能動文に対応している。このように直接対応する能動文がある受け身文のことを「直接受け身」という。能動文のどの格を受け身文の主格にするかによって以下の二種類がある。
① ヲ格の受け身(能動文のヲ格補語が主格補語になる受け身)
・その生徒は先生にほめられた。←先生がその生徒をほめた。
② ニ格の受け身(能動文のニ格補語が主格補語になる受け身。「相手の受け身」ともいう)
・彼は婚約指輪を突き返された←彼女は彼に婚約指輪を突き返した。
(2)間接受け身(間接対象の受け身)〜直接対応する能動文がない受け身文〜
「彼は、妻に先立たれた」という受け身文には対応する能動文がない。(「妻は、彼を先立った」とは言えない)このように直接対応する能動文がない受け身文のことを「間接受け身」という。間接受け身にも以下の二種類がある。
① ノ格の受け身(「所有の受け身」ともいう)
・(私は誰かに私の)足を踏まれた。←誰かが私の足を踏んだ。
・(私は誰かに私の)財布を盗まれた。←誰かが私の財布を盗んだ。
動作、行為を受けた人を主格補語にして、その人の所有するもの(体の一部・持ち物)にその動作、行為が及んだことを表す。受け身文の(私は誰かに私の)の部分は普通、表現されない。
② 第三者の受け身(迷惑の受け身・被害の受け身)
・(私は)一晩中、赤ん坊に泣かれた。←赤ん坊が一晩中泣いた。
この受け身文は「自動詞の間接受け身文」である。
・(私は)隣人に塀を作られた。←隣人が塀を作った。
受け身の文で表現されて初めて迷惑を被った人が表されるので「迷惑の受け身」「被害の受け身」ともいわれる。
No.9
- 回答日時:
#7です。
>ただ、後ろに「〜ても困ります」がついた「そんなことが私に言われても困ります」になると何となくすっきりしない気がするのですが。
:
そうですね。
これは構造を示した文ですので、ある程度やむを得ないところは出てくると思います。
たとえば「そんなことが私に伝えられても困ります」なら、若干違和感は薄れるような気もしますけどね。
ひょっとすると、「言う」と「伝える」という動詞の本質が絡んでくるのかもしれませんが、詳しいことまでは分かりません。
No.8
- 回答日時:
面白い着眼点ですね。
この文が言いたいことを読み解くと、尊敬である理由はなく、受身でしょう。
「言う」は「誰々【に】何々【を/と】言う」という文型をとりますから、
この主張で強調したい「私に」のために、受身の能動側である「あなたに」(もしくは
「あなたから」)は省略されているのでしょう。
つまり、
(あなたに) そんなこと[を]私に言われても困ります。
ということで、「泥棒に盗られる」「親にしかられる」の受身文に中にある「に-句」は
省略されているのです。困ると言っているのですから、「迷惑の受身」を使いたくなる場面です。Wikipediaには「南側にビルを建てられた」という例がありますね。
他方で、文法としては尊敬でも解釈が成り立ったり、
そんなこと(を部下である)私に言われても(課長は)困ります(ね)
という解釈さえも成り立つため、さらに「に」が何の意味なのか混乱を引き起こします。
これらが、心情的には受身なんだけど、「私に」が「言う」の動作の主体でないため文法的に受身でないように見えてしまう原因ではないでしょうか。
回答ありがとうございます。
「私に」を受け身の能動側と考えると矛盾があると思っていましたが、受け身の能動側は「あなたに」であり、「私に」は No6さんがおっしゃっているとおり帰着点だということですね。よく分かりました。
No.7
- 回答日時:
#6です。
ご質問にお答えいたします。
>1.
つまり、「そんなこと言われても困ります」と受身の意味で言いたいときに、
最初にそうおっしゃっていますが、なぜこれを受け身と判断されたのでしょう。
:
これは、#5お礼欄における『受け身ではないと考えてよさそうですね。』という質問者さんの発言を前提としています。
いや、そうではなく「受身の意味で言いたいときに」も使えますよ、ということを申し上げている箇所。
どちらにも使える、ということ。
「そんなこと言われても困ります」が受身にも(むろん、尊敬にも)使える、という点に関してはご同意いただけるはずです。
>2.
「彼らはミサイルを宇宙に打ち上げた」
は主語などを省略せずに受け身に書き換えると、
「ミサイルが彼らによって宇宙に打ち上げられた」
になりますが、
「あなたが私に言う」
を「私に」と受け身の「言われる」を使って主語などを省略せずに書き換えるとどうなるのでしょう。
「私があなたによって私に言われた」
ですか。もっとスマートな言い方がありますか。
:
対応させるなら、「あなたはそんなことを私に言った」とでもなりますか。
この受身は、「そんなことがあなたによって私に言われた」のようになると思います。
「あなたは大事なことを私に伝えた」⇒「大事なことがあなたによって私に伝えられた」
これなどは自然に感じられる例文かもしれません。
>3.
「そんなこと私に言っても困ります」
「そんなこと私におっしゃっても困ります」
と同じ意味で、
「そんなこと私に言われても困ります」
を使っていると考えてもよさそうに思いますが。
:
それは全くおっしゃるとおりですし、そのことは、わたしも当初から否定していません。
ただ、どちらか一方に断定することはできない、ということが見解の眼目であり、ご質問に対する回答でもあります。
では、受身の用法と捉える場合、その場合の「に」の用法は何か?
これが、本質問における最大の論点になるのではないかと思います。
はい、おっしゃっていることはよく分かりました。
ずっと、「そんなこと[を]〜」と考えていましたが「そんなこと[が]私に言われた」と考えれば受け身として成り立ちますね。
ただ、後ろに「〜ても困ります」がついた「そんなことが私に言われても困ります」になると何となくすっきりしない気がするのですが。
No.6
- 回答日時:
#5です。
>私の例文の場合は、
「そんなこと私に言われても困ります」
であり、言いたいことは「あなたが私に言う」(のが困る)なので、つまり「に」の前はどちらも「私」なので、受け身ではないと考えてよさそうですね。
:
受身の場合、「私に」は補足的に挿入されていると考えることができると思います。
つまり、「そんなこと言われても困ります」と受身の意味で言いたいときに、「そんなこと私に言われても困ります」と言い換えることができるでしょう。
この場合の「に」は、
3 動作・作用の帰着点・方向を表す。「家―着く」「東―向かう」
という用法で、『そんなこと私に(向けて)言われても困ります。』という意味に捉えることができる。
これは受身じゃないだろと思われるかもしれませんが、たとえば、「ミサイルが宇宙に打ち上げられた」という例をお考えください。
これは受身ですが、この「に」は、
6 動作・作用の行われる対象・相手を表す。「人―よくかみつく犬」「友人―伝える」
という用法ではありません。
つまり、「宇宙」は「打ち上げる」という行為の対象になっているわけではない。
あくまで「宇宙に向けて」という意味であり、
3 動作・作用の帰着点・方向を表す。「家―着く」「東―向かう」
という用法であることがお分かりになるでしょう。
「打ち上げられる」という「行為の対象」がミサイルで、「打ち上げられる」という「行為の帰着点・方向」が「宇宙」という構図。
ご質問の場合は、「言われる」という「行為の対象」も、「言われる」という「行為の帰着点・方向」も、どちらも「私」である点がややこしくしている理由なのだと思います。
くどくなるので、これ以上は申し上げませんが、疑問に思われる点がございましたらご指摘になってみてください。
回答ありがとうございます。
疑問が 3点あります。
1.
> つまり、「そんなこと言われても困ります」と受身の意味で言いたいときに、
最初にそうおっしゃっていますが、なぜこれを受け身と判断されたのでしょう。
2.
「彼らはミサイルを宇宙に打ち上げた」
は主語などを省略せずに受け身に書き換えると、
「ミサイルが彼らによって宇宙に打ち上げられた」
になりますが、
「あなたが私に言う」
を「私に」と受け身の「言われる」を使って主語などを省略せずに書き換えるとどうなるのでしょう。
「私があなたによって私に言われた」
ですか。もっとスマートな言い方がありますか。
3.
受け身と考えたとき矛盾があるかどうかは別として、「言われる」を尊敬と考えたとき何か矛盾があるでしょうか。
「そんなこと私に言っても困ります」
「そんなこと私におっしゃっても困ります」
と同じ意味で、
「そんなこと私に言われても困ります」
を使っていると考えてもよさそうに思いますが。
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色々な方のご意見を聞いて感じたことを追加しますと、
元の文に、省略されている主語を追加するとすると、最も自然なのは「あなた」だと思います。
あなたがそんなことを私に言われても困る。
この場合の「言われる」は尊敬ですね。
「私」を追加することもできて、
私はあなたにそんなことを私に言われても困る。
「〜に」が二か所現れるので若干不自然ですが可能性としてはあると思います。この場合は受け身です。
私の質問に対する答えとしては、尊敬、受け身両方の可能性があるということでしょうか。
私の理解能力のために反応が遅れ気味ですが、尊敬か受け身かの他にこの文自体が日本語として適切でないというオプションも出てきたような気がします。
多分この文を言った人は最初迷惑の受け身で、
そんなこと言われても困る。
と言おうとしたのを、あなたが「彼に」言うのは良いが、「私に」言うのは困るということを強調したくて、「私に」を追加したのだと思います。結局、
あなたに私に言われる。
が受け身文として、あるいは日本語として正しいのか、間違っているのかという問題になりそうですね。
さらに現在の感想、
元々「私に言われる」を受け身だと考えると「あなたに私に言われる」ということになり不自然なので受け身文ではないと思っていましたが、「(あなたから) 私に言われる」と考えればそれほど不自然ではないですね。全て省略せずに言えば、
私はそんなことあなたから私に言われても私は困る。
「あなたに言われる」や「私が言われる」より「私に」を強調したければ「私に言われる」にならざるを得ない。
ただし「私に言われても困る」は誤解のしようがないと思いますが、「彼に言われても困る」(彼が私の息子の場合とか) は、「あなたが彼に言うのが困る」のか「彼が私に言うのが困る」のかが分かりませんので、受け身文の中で「~に」を使うのは要注意ですね。
「私に言われても困る」―受動文に関する一考察
という 大正大 大野純子氏の論文があるようです。
http://www.ls-japan.org/modules/documents/index. …
に要約があって、
「私に言われても困る」という文は「言われる人」がニ格で表されていて助詞に矛盾がある.が条件によっては可能。
ということらしいです。論文の本文にアクセスできる人があれば紹介していただけるとありがたい。