一回も披露したことのない豆知識

花粉症って人によって花粉症を発症する花粉が違うじゃないですか
そこで疑問なのですが、スギの花粉がアレルギーだけどヒノキの花粉は大丈夫みたいなことってなぜ起こるのでしょうか?
なるべく詳しく教えて頂きたいです。
よろしくお願いします

A 回答 (3件)

まず、花粉症について、少し説明します。



花粉症は、季節性アレルギー性鼻炎の事を指しています。
一方、通年性アレルギー性鼻炎もあります。

花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)は、原因となる花粉の飛ぶ季節にだけ症状があります。
日本では、約60種類の植物が花粉アレルギー(花粉症は約50種類)を引き起こすと報告されています。
(約60種類とか約50種類の引用先は、環境省 https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual/2 … 原因となるものは後記)
症状は、鼻の三大症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)だけでなく、目の症状(かゆみ、涙、充血など)を伴う場合が多く、その他にのどのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどの症状が現れることがあります。
(さらに、シラカンバ、ハンノキ、イネ科花粉症などの人が、ある果物や野菜を食べると、口の中がかゆくなり、腫れたりする「口腔アレルギー症候群」という症状もあります。)

これに対して、通年性アレルギー性鼻炎は、主な原因(アレルゲン)としては、ダニ・家の中のちり(ハウスダストなど)・ゴキブリなどの昆虫、ペットの毛・フケなどがあります。
症状は、喘息、アトピー性皮膚炎などを合併することがあります。

人によっては、この花粉症と通年性アレルギー性鼻炎を併発する人もいるとのこと。


では、なぜ花粉症が起きるのか?ですが、
体内に侵入してきた物質は、抗原と呼ばれ、アレルギーの原因になるものは特にアレルゲンと呼んでいます。
抗原やアレルゲンが侵入すると、皮膚や粘膜の直下にいる抗原提示細胞がそれらを見つけて異物として認識します。
抗原提示細胞からの情報はリンパ球に伝えられます。
抗原の種類や状況、免疫のバランスによってこの後の反応が変わってきます。
細菌やウイルスに対しては、形質細胞がIgG抗体やIgM抗体を産生し、侵入してきた細菌やウイルスを攻撃し排除します(免疫反応)。
アレルゲンに対しては、形質細胞がIgE抗体を産生したり、リンパ球が直接反応するようになります。

産生されたIgE抗体は、血液中を流れて皮膚や粘膜にいるマスト細胞の表面にくっついて待機しています。
この状態を「感作(かんさ)」と呼んでいます。
感作されただけではアレルギー反応はおこりません。
感作された状態で、再びアレルゲンが侵入してマスト細胞上のIgE抗体と反応するとマスト細胞から、ヒスタミン、ロイコトリエンが放出され様々なアレルギー症状をおこします(即時型アレルギー反応)。
また、リンパ球が反応した場合は、再度のアレルゲンの侵入によって、様々な活性化物質や、細胞間伝達物質などが放出されます(遅発型アレルギー反応)。

え?難しい?
簡単に書けば、体に侵入した異物(抗原)を無害化するために、免疫細胞が抗体を作って、排除。これが免疫反応。
免疫反応の際に、Ige抗体が作られ、それが血流に乗って皮膚や粘膜にくっついて(感作)。感作状態でアレルゲンと接触すると、くしゃみなどのアレルギー反応が起きます。

Ige抗体は、原因物質の種類ごとに違い、これらを総称して 特異的Ige抗体といいます。
スギの場合は、スギ特異的Ige抗体。
ヒノキの場合は、ヒノキ特異的Ige抗体 という個別名称です。

ちなみに、花粉に限らず体内に侵入してきた物質全てに対して、免疫反応を起こすため、特定のIge抗体を持ちます。
(…種類は、有限なのか無限なのか…)

この特異的Ige抗体を産出することになった原因物質の量が少なくても、感作という作用が起きています。
感作されていても、一定量に達しないとアレルギー反応は起きません。
なので、去年まではヒノキ花粉はなんともなかったのに、今年は…ということが起こります。

参考にしたサイト
http://www.kyowa-kirin.co.jp/kahun/about/about.h … (花粉症ナビ:協和発酵キリン(株))
http://www.jibika.or.jp/citizens/handbook/hana1. … (一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会)
https://www.jsa-pr.jp/html/knowledge.html (一般社団法人 日本アレルギー学会)
https://www.ajha.or.jp/guide/22.html (公益社団法人 全日本病院協会)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-1090 … (厚生労働省)
https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual/2 … (環境省)

花粉アレルギー(花粉症)の原因物質 一覧 (先頭は、発見された年)

1961 (昭和36年)ブタクサ花粉症
1963 (昭和38年)スギ花粉症
1964 (昭和39年)カモガヤ花粉症
1965 (昭和40年)イタリアン・ライグラス花粉症
1968 (昭和43年)カナムグラ花粉症
1969 (昭和44年)ヨモギ花粉症、イネ花粉ぜんそく、コナラ属花粉症、シラカンバ花粉症、テンサイ花粉症
1970 (昭和45年)ハンノキ花粉ぜんそく、キョウチクトウ花粉ぜんそく、スズメノテッポウ花粉症
1971 (昭和46年)ケンタッキー31フェスク花粉ぜんそく、ヒメガマ花粉症
1972 (昭和47年)ハルジオン花粉症、イチゴ花粉症
1973 (昭和48年)ヒメスイバ・ギシギシ花粉症、キク花粉症
1974 (昭和49年)除虫菊花粉症、クロマツ花粉症
1975 (昭和50年)アカマツ花粉症、カラムシ花粉ぜんそく、ケヤキ花粉症
1976 (昭和51年)クルミ花粉症、タンポポアレルギー
1977 (昭和52年)モモ花粉症、セイタカアキノキリンソウ花粉症
1978 (昭和53年)イチョウ花粉症、バラ花粉症、リンゴ花粉症
1979 (昭和54年)アカシア花粉症、イエローサルタン花粉症
1980 (昭和55年)ヤナギ花粉症、ウメ花粉症、ヤマモモ花粉症
1981 (昭和60年)ナシ花粉症
1982 (昭和61年)コスモス花粉症
1983 (昭和62年)ピーマン花粉ぜんそく
1984 (昭和63年)ブドウ花粉症、クリ花粉症、コウヤマキ花粉症
1985 (平成元年)スズメノカタビラ花粉症、サクランボ花粉症、サクラ花粉症
1986 (平成2年)ナデシコ花粉症
1987 (平成3年)アフリカキンセンカ花粉症
1989 (平成5年)オオバヤシャブシ花粉症、ツバキ花粉症
1990 (平成6年)スターチス花粉症
1991 (平成7年)アブラナ属花粉症
1992 (平成8年)グロリオサ花粉症
1993 (平成9年)ミカン科花粉症
1994 (平成10年)ネズ花粉症、ウイキョウ属花粉症、オリーブ花粉症
1995 (平成11年)イチイ花粉症
1998 (平成14年)オオバコ属花粉症、マキ属花粉症
2000(平成16年)トマト花粉ぜんそく
2003 (平成19年)スゲ属花粉症
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この回答へのお礼

丁寧にありがとうございます!
あのもう少し聞きたいのですが例えばスギ花粉が突然変異で少し花粉の構造が変わったらスギ花粉では花粉症の症状いっときでも出なくなるものなんですか?

お礼日時:2018/02/04 10:47

そうなんでしょうね。


変異したスギ花粉も普通のスギ花粉と違うので、免疫反応からすれば、変異したスギ花粉が一定以上になるまでは、症状も出ないし、普通のスギ花粉とも違うので、そちらも症状が出ないかも。

もちろん、普通のスギ花粉全部が変異した場合を想定して…ですよ。
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この回答へのお礼

なるほど!そうなのですね。
何度もありがとうございました!!

お礼日時:2018/02/04 12:56

個人々々の体の免疫(防御体制)が違うからです、



杉の花粉成分にはOK出してスルーして呉れても、
他の成分を持つ物には「外敵発見」で防御が始まるからです、

ごく平たく簡単に書きました。
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