20℃における窒素と酸素それぞれの水への溶解度は0.016㍑、0.032㍑である。
【ここで気体の水に対する溶解度とは気体の分圧が1.0×10^5Paの時に水1㍑に溶解する気体の体積を標準状態に換算した値のことである。】
窒素と酸素の体積比が3:2である混合気体を20℃ 1.0×10^5Paで1㍑の水と接触させた。
窒素=14 酸素=16
(1)水に溶けている窒素と酸素の【標準状態に換算した】体積比
(2)水に溶けている窒素と酸素の質量mg
(1)(2)の解説お願いします。
特に【】の部分で標準状態に換算というのがピント来ません。
(2)について。初めに与えられた溶解度は標準状態に換算した値ですか?だとしたらなぜ実際に混合気体を溶かしたときの温度と与えられた値の温度が違うのにヘンリーの法則で圧力だけに焦点をおいて解くことができるのですか?
A 回答 (1件)
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No.1
- 回答日時:
>特に【】の部分で標準状態に換算というのがピント来ません。
純粋な窒素ガス100%が圧力 1.0×10^5 Pa (つまり1気圧)のとき、「窒素ガスの圧力は 1.0×10^5 Pa (1気圧)」ということです。
これが「窒素ガス50%と酸素ガス50%の混合気体が圧力 1.0×10^5 Pa (つまり1気圧)」のときには、「窒素ガスの圧力(分圧)は 0.5 気圧、酸素ガスの圧力(分圧)も 0.5 気圧」ということです。分かりますか?
同じように、「窒素ガス80%と酸素ガス20%の混合気体が圧力 1.0×10^5 Pa (つまり1気圧)」のときには、「窒素ガスの圧力(分圧)は 0.8 気圧、酸素ガスの圧力(分圧)は 0.2 気圧」ということです。分かりますか?
つまり、実際の混合ガスの中の特定のガスの圧力「分圧」は1気圧ではないので、「溶解度」としてはこれを「純粋なガス(他のガスと混合していない)が1気圧のとき」にそろえて定義しているということです。
なので、ある混合気体の条件で、特定のガスがどれだけ水に溶けているかを計算するには、混合気体内での「分圧」(実際のそのガスだけの圧力)を用いないといけません。
(1) 「窒素と酸素の体積比が3:2である混合気体」が1気圧(1.0×10^5 Pa)なので、「分圧」は、
・窒素が 3/5 気圧
・酸素が 2/5 気圧
ということです。
なので、実際に溶けているガスの量(体積)は
・窒素:溶解度 0.016(L) * (3/5) = 0.0096 (L)
・酸素:溶解度 0.032(L) * (2/5) = 0.0128 (L)
これは「20℃、1.0×10^5Pa」のときの体積なので、【標準状態に換算した】体積比にするには、これを「0℃、1.0 ×10^5Pa」に変換しなければいけませんが、ボイル・シャルルの法則から、窒素ガスも酸素ガスも同じように変化しますから、どちらの体積比も等しくなります。
なので、標準状態に換算した体積比は
窒素:酸素 = 0.0096 : 0.0128 = 3:4
(2) これを「質量」に変換するには、「mol 数」を求めなければいけません。つまり、
(a) 1 mol の標準気体は、標準状態(0℃、1気圧)で 22.4 リットルである。現実の気体も、ほぼ標準気体とみなせる。
(b) 1 mol の物質の質量は、「原子量、分子量、式量」にグラムを付けたものになる。
ということを利用します。
(b) は mol の定義ですが、原子や分子を「アボガドロ定数(6 * 10^23)」の個数だけ集めた状態のことで、このとき「原子量、分子量、式量」にグラムを付けたものがその重量になります。(というか、そうなるような個数が「アボガドロ定数(6 * 10^23)」)
つまり、「炭素12」の 1 mol の重さが「12.0 g」になるということです。「O2」(酸素ガスの分子)1 mol なら「16 * 2 = 32 g」、「N2」(窒素ガスの分子)1 mol なら「14 * 2 = 28 g」です。
このために、標準状態での体積を求めさせる、というのが(1)だったのです。(1)自身では標準状態でも 20℃ でもよかったのですが、(2) では「標準状態での体積」が必須です。
ということで、「20℃、1.0×10^5Pa」の体積から「標準状態:0℃、1.0 ×10^5Pa」の体積に変換しないといけません。
圧力は同じなので、「シャルルの法則」を使って、絶対温度が 293K → 273K ということを使って
(気体方程式 PV = nRT で、P, n, R =一定で、T を変化させたときの V を求める)
・窒素の標準状態での体積: 0.0096 (L) * 273/293 ≒ 0.008945 (L)
・酸素:溶解度 0.032(L) * (2/5) = 0.0128 (L) * 273/293 ≒ 0.01193 (L)
(注)(1)の答は、正確にはこれを使うのですが、どちらも「* 273/293」の計算が同じなので、元の数値の比と変わりません。
標準状態での 1 mol の体積が 22.4 L なので、上記の体積に相当する mol 数は
・窒素:0.008945 / 22.4 ≒ 3.99 * 10^(-4) (mol)
・酸素:0.01193 / 22.4 ≒ 5.33 * 10^(-4) (mol)
窒素ガス N2 の 1 mol の質量が 28g なので、3.99 * 10^(-4) (mol) の質量は
28(g/mol) * 3.99 * 10^(-4) (mol) ≒ 1.12 * 10^(-2) (g) ≒ 11 * 10^(-3) (g) = 11 (mg)
酸素ガス O2 の 1 mol の質量が 32g なので、5.33 * 10^(-4) (mol) の質量は
32(g/mol) * 5.33 * 10^(-4) (mol) ≒ 1.71 * 10^(-2) (g) ≒ 17 * 10^(-3) (g) = 17 (mg)
計算間違いがあるかもしれないので、自分でも検算してください。
>(2)について。初めに与えられた溶解度は標準状態に換算した値ですか?
いえいえ、ちゃんと「20℃における」と書いてありますよ。そこから「標準状態への換算」は自分でやらないと。
ここでは「ヘンリーの法則」は使いませんよ。
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