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絵の具の成分分析についての、洋書文献を読んでいたところ、ちょっと意味がわからない一文がでてきました。よく意味はわからないのですが、訳してみると、おおよそ以下のようになると思います。

「試料4はそんなに小さくなかったのに関わらず、脂肪酸レベルは、かろうじてブランクランレベルの上にあったことは、非常に意義深いと思われる」
The fatty acid levels were barely above the level of a blank run,nevertheless as sample four was not so very small I think the result must be significant.

これはおそらく、試料の物理的な大きさが微細なものではなかったのに関わらず、その試料の中に含まれる脂肪酸の量が少なかったという意味だと考えています。ただ、ブランクランという用語がよくわかりません。ご存知の方、お知恵の拝借お願いします。

A 回答 (3件)

ガスクロマトグラフィ (GC) で脂肪酸を分析しようとすれば、一般的には試料を採取して、脂肪酸を低極性有機溶媒で抽出します。

適当な有機溶媒として何を使っているかわかりませんが、例えばメタノールを絵の具に加えます。これを良く混ぜてから、遠心して (要は振り回して)、溶けないものを沈殿させます。その後液体部分を取って、溶媒を飛ばし (乾燥させることになります)、これを無水塩酸メタノール中で反応させ、脂肪酸をメチルエステル化して (末端の -COOH を -COOCH3 に変えます。こうしないと気化しないので GC で分析できないからです)。この脂肪酸メチルエステルをヘキサンで抽出 (さらにヘキサンを加えるとこれは二層になり、脂肪酸メチルエステルはヘキサン層に移ります) し、さらに乾固して、少量の溶媒 (GC の場合はヘキサンが多いですが) に再溶解して GC に導入します。

考えられる手順はこうで、おそらく接着剤の代わりをするものが油か卵かの判断にこの結果を使うとすれば、油と卵では同じ処理をしたときに検出される脂肪酸の種類と比率 (あわせて fatty acid composition、脂肪酸組成、と言いますが) が異なるか、あるいは特定の脂肪酸に着目して、その量から判断しているかのどちらかでないかと推測しますが。

そこで、Blank Run ですが、この一連の過程を絵の具なしでやったか、あるいは、問題となる油なり卵なりを使って比較の対照として行なったかのどちらかが考えられます。通常後者の場合は、Control、対照、と言うのですが、たまに Blank と表現している例もありますので、敢えて書きました。

正直この文章だけではちょっと判断しがたいところもあるんですが、small はおそらく small volume の意味だと思います。仮に絵の具の量があまりにも少ないと、その中に含まれる脂肪酸量も当然少なくなりますから、検出しにくくなります。この文章自体を訳すとすれば、「脂肪酸レベルはかろうじて Blank Run のレベルを上回っていた。そうであっても 試料 4 の量は少なくなかったので、結果は有意だと考える」 ではないかと思います。

要は、試料 4 を分析した結果、脂肪酸の量が少なく、結果として Peak が小さく (GC ですと、横軸に時間軸をとって、特定の脂肪酸メチルエステルが特定の時間に縦軸方向に山なり鋭い三角形として検出されます。これを Peak と言います)、前者の意味での何も入っていない Blank Sample でも同じ位置に Peak が検出され、比較すると、Blank よりかろうじて大きかった。しかし、十分な量を分析したのであるから意味がある、と言いたいのではないかと思います。

何か話が本来のご質問内容から離れてしまったようで申し訳ありませんでした。前回分の回答と合わせて、何とかご想像いただけましたか。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなり、申し訳ありません。ここ数日、質問した内容が載っている文献の訳提出で追われておりまして・・・ 非常に詳しい説明を載せてくださりありがとうざいます!ただ、タイプするだけでも大変そうな量です!どうもありがとうございました!

お礼日時:2004/10/23 14:19

この場合具体的にどのような操作を行ない脂肪酸分析を行なったがわかりませんので、詳細は不明ですが、一般的に言いますと、一連の作業は、必ずしもすべての試験ですべてが行なわれるわけではありませんが、


試料 (この場合は絵の具) 採取
 この際何らかの器具を用い、試験管等の器具に移します。
内標準の添加
 分析結果の標準化のために既知の物質を一定量加えます。
試薬の添加
 同様に何らかの器具を用い、加えます。
反応
 必要に応じ、振盪、加温などを行ないます。
分配
 別の溶媒を入れ、目的物を一方の溶媒に移し、Interference の排除を行ないます。
分取
 目的溶液の一部を何らかの器具を用い、他の試験管等の器具に移します。
乾固
 溶液の溶媒を除去します。
再溶解
 乾固物を、再度一定の溶媒に溶解します。
分析
 機器を用い、脂肪酸分析を行ないます。

以上が想像できる一連の過程です。分析法がわからないので何とも言えませんが、一般に、「同じ物質は同じ所に検出」 されますが、「同じ所に検出されたからと言って同一物質とは言えない」 と言うことがまず前提です。また、分析機器、分析条件によっては Carry Over と言って、直前もしくはそれ以前に導入・分析した試料由来の成分が残存し、検出されることもあります。

ここで、本題ですが、上述したような一連の過程で使用する器具、使用する試薬に、似たような挙動を示す物質が混入していますと、これが目的物質として検出されたような結果を見せることがあります。このために、試料の代わりに試料と同様のマトリックス (この場合ですと、理想的には絵の具から脂肪酸のみを抜いたもの、現実的には代替物になるんでしょうが) を用いた検体を同様に処理します。理論的には何も検出されない筈です。これを Blank と言います。この場合は内標準物質も添加しません。内標準物質のみを添加した検体は Zero Blank と言う名称になります。

また、Carry Over の有無を確認する場合は複数の Blank を用いることもあります。

言葉が錯綜していると思いますが、基本的にはこういうことになります。不明な点ありましたら補足要求してください。

この回答への補足

非常に詳しい説明をいただいたのですが、すみません!、あまり想像できませんでした。絵具の成分の調査なのですが、油絵具の場合、油と顔料を混ぜます。油が接着剤の役目をするわけですね。ところが昔は、卵を接着剤にすることもあったので、接着剤に油か卵のどちらを使っていたかが問題なわけです。残念ながらどのような分析法を用いたかは書いてありません。ただ、よく聞く話ではガスクロマトグラフィーを用いるようです。もしかしたらガスクロではないかもしれませんが、一つに絞ったほうが想像がつき易いと思うのです。もしよければ、ガスクロの場合での分析方法の具体的な説明をしていただけないでしょうか?

補足日時:2004/10/19 07:00
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絵の具試料を使わずに,同じ分析操作をやった場合にも脂肪酸が検出される(ように見える)かもしれません.


そこで,通常の分析操作では試料を抜いた状態でも同じ分析操作を行い,様子を見る操作を行います.これがブランクラン.
ブランクレベルと同じであれば,要するに被分析成分は検出できなかった(その方法の感度内では,ですが)ということで,この場合はそれをわずかとはいえ越えていたので,検出されたと考えるべきで,検出されたということは重要な意味があると思っている,と,まあそんな感じ.

この回答への補足

非常に迅速な回答に感謝しております。ありがとうございます。

化学には素人なのでちょっと確認させていただいてもよろしいでしょうか?上の説明を読ませていただいた後に、ネットでも調べてみました。あまり、参考になるURLはありませんでしたが、なんとなく意味はわかりました。何も試料がなくても成分が検出されてしまうことなんてあるのですね!前回使用した時に分析装置内に、試料片が落ちたなどが原因だと推測しました。あるいは気体の場合、その研究室の空気であったり、もしかして装置を形成している金属などが反応してしまったり・・・ということなのでしょうか?

 つまり何も試料を入れない状態では検出されなかったものが、試料を入れたら検出できた。だから、その試料に含まれているものと言うことができる、という確認作業と考えてよいでしょうか?

補足日時:2004/10/18 13:52
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