性格悪い人が優勝

 戦争にどちらかが善か悪かを客観視していても決めるのは難しいと思います。湾岸戦争はイラクが悪にされている気がしますが、逆にフセイン(イラク)の言い分もあると思います。
 アメリカの外交官が戦争をしてもアメリカは参戦しないとそそのかしたとか、マスターキートンという漫画で呼んだのですがクウェートがイギリスの傀儡政権でどうのこのだからと(よく意味がわからなかった)。時代背景や民族的なものなんかも知りたいのですが、
 イラクの側からの大義がどのようなものか知っているかたがいたら、その概略を教えてください。油田のもめごとでクェート侵攻だったみたいですが、フセインの心持なんかも良く知りたいと思っています。よろしくお願いします。

 今回のバクダット占領の戦争も、曖昧なアメリカの"正義"ってやつではじめられたと、私は思っていますが…イラク軍がクウェートに侵攻した理由をイラク側から覗いてみたいのです。ガキだったので戦争が起こっていたことも覚えていません。よろしくお願いします。

A 回答 (7件)

 イランイラク戦争で疲弊した経済を抱えたフセイン体制は、ペルシャ湾に良港を持ち、良い油井の多い(そもそもイギリスがイラクに競べ長期間クエート地域を手放さなかったのは、イラク側の油田開発に限度があると考えたからとされる)クエート領土は経済の立てなおし、ひいては地域での覇権確立のためにはなくてはならないと判断しました。

つまり、小さなクエートは狼の前にころがっていたおいしい獲物だったわけです。

 クエート侵攻の約1月前、イラクは突如クエートを「原油の生産割り当てを無視してイラクに損害を与えた」と非難(ついでにアラブ首長国連邦も非難)。さらに「クエートはルメイラ油田においてイラク領内の地底油田を不法採掘している」とも主張します。
 これらの”不法行為”への賠償として、イラクはクウェートに対して24億ドルを請求します。幾らクエートが屈指の金持ち国でもこんな御無体な要求を聞きいれるわけがありません。
 エジプト(アラブ諸国の中では近代化が進み中東では地域大国)やサウジアラビア(ムスリムの聖地メッカを擁するアラブの”盟主”)が仲介に立つが間もなく交渉は決裂しました(そもそもイラク側に交渉をまとめる気があるか大いに疑問)。
 交渉が決裂した日の翌々日未明、イラクは10万の兵-ソ連に学んだ機甲兵力を具えた-でクエートを奇襲、ほぼ1日で制圧します。その後は御存知の通り。

 また、「クエートはそもそもイラク領であり、英国の植民地政策の結果不当にも分割された」という主張も行われました。これはイラクがこの時点で突然言いだしたことではなく、クエートが独立以来の領土紛争です。

 しかし、これ、総てイラク側の言い分。確かにクエートはイラク領だった時代もありますが、それを言いだすと大変なことになりますし(たしかにクエートはオスマントルコ時代、イラク州でした。しかし、その原理を敷衍すればイラク自体トルコ領。そもそも国家だの領土だのという概念は決して普遍的な思想ではありません)、クエートが独立後には承認、外交団も交換していました。
 直接の口実たるクエートの盗掘もかなり一方的な主張です。ましてそれを元にいきなり戦争に打ってでるのは20世紀初頭までならともかく、現代では無理が有りすぎます。
 
 ちなみに、「アメリカの大使云々」というのは、クエート侵攻の約一週間前に、アメリカの駐イラク大使エイプリル・グラスピーがイラク側にクウェートの併合を示唆された際、「国境問題に介入するつもりはない」と発言したとされるものです。
 これは「イラク-クエート間の仲介をする意思はない」程度の発言が「勝手にやってくれ」と曲解されたと考えた方が無難でしょう。幾らなんでもこれが侵攻のゴーサインとするのは陰謀論的過ぎます。

参考はクエート大使館の当該ページです。

参考URL:http://kuwait-embassy.or.jp/japanese/way/invasio …
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この回答へのお礼

ありがとうございました。難しい領土の問題もはらんでいるんですね。よくわかりました。台湾と中国の関係とかも似ていますね。

陰謀論過ぎますか…wでも、アメリカに利益があるのをみていると、そういう陰謀論的なところばかり見てしまいますね…。

お礼日時:2004/11/03 12:35

参考程度に


中東、いわゆるアラブ世界というところは一部王族を除いて総じて貧しいですね。肥沃な土地も少ないし、また石油利権を欧米に担保されてという状態だったのですが、その中東でまとめ役としての力を持つはずだったエジプトが、イスラエルとの争いに敗北してしまいましたね。それ以来、アラブを纏める勢力がなかったのですが、イラクで規模は小さいですが今は無き日本帝国のような動きを先導した人物がフセイン大統領でしたね。その意味でフセイン大統領に英雄性はありましたね。結果的に、アジアの盟主たらんとした日本帝国のように連合軍に袋叩きにあってしまいました。
しかし、結果的に世界の目が中東、アラブに集まったということは、今後のアラブ世界の近代化、文明の進化発展にはよいことですね。確かにアラブの進化の遅れがイスラム教にあることも事実ですね。そういう意味での争いもあるでしょうが、長い目で見る必要がありますね。日本も同じ歴史を通っていますのでね。
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この回答へのお礼

西洋の思想でうまく纏まっていけるのかは分かりませんが、うまく折り合いをつけていってくれればと願うばかりですね…。

ありがとうございました。

お礼日時:2004/11/03 12:45

もともといまの中東のあたりは「オスマン・トルコ」と呼ばれる国の領土でしたが、第一次大戦の時にオスマン・トルコと戦争をしたイギリス(フランスも参戦)が戦争が有利に運ぶように中東のアラブ人がオスマン・トルコに反乱する様に「アラビアのロレンス」と呼ばれるスパイを送り込みました。

 イギリスはイギリスが戦争に勝ったらアラブ人を独立させると約束し、アラブ人はそのために勇敢にたたかいました。 しかしながら、いざ戦争が終わると中東に豊富に存在する石油利権をめぐり結局中東はイギリスやフランスの領土としてバラバラに分割統治される事になりました。 (この辺から「アラブは一つ」という考えが一部のアラブ人の間に根付いたと思います。) フセインの言うクウェートがイギリスの傀儡とかもともとイラクの領土というのはこの辺りの事を指していると思います。

またイギリスは、アラブ人に独立を約束する一方で、そのころ現在のイスラエル近辺にいたユダヤ人達にもイギリスに協力すれば独立させると約束し、結局ユダヤ人国家が中東に建国され、それを認めない他のアラブ国家と中東戦争を何度も繰り広げました。 イスラエルはそれらの戦争で占拠したアラブ国側の領土を終戦後も国連の決議(ただしアメリカが拒否権発動)にもかかわらず占領し続けており、フセインは「イラクのクウェート占拠が不法ならイスラエルもアラブ領土から出て行け」とお互い様を主張しました。(そしてイスラエルを戦争に巻き込めば他のアラブ国も参戦するとおもい、イスラエルに何度もミサイルを撃ち込みましたが、アメリカがイスラエルを強く牽制したため、イスラエルは反撃しませんでした。)
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この回答へのお礼

ありがとうございました。敵の敵は友かもしれませんが、敵がいなくなると変わっちゃうんですね。過去の歴史的な背景もよくわかりました。

お礼日時:2004/11/03 12:41

>アメリカの外交官が戦争をしてもアメリカは参戦しないとそそのかした



外交官ではなく駐イラクの米国大使が、イラクからクエート侵攻直前に相談されて「クエートを攻めても、米国は関与しない」と答えた、という噂がありましたので、マスターキートン(好きな漫画です)の原作者はそれを引用していたのでしょう。

これを裏付ける話は参考URLにあります。

ただ、フセインの側から、というのを記述しているサイトは、、無い気がします。
日本のウェブサイトにはアメリカ陰謀説や安保理常任理事国陰謀説しかないと思うので。

来年夏か後半までフセインが死刑にならずに生きていたら、
手記がでるかもしれませんね。
でなければ、裁判記録が公開されるか。。


私の大雑把な「印象」は、
フセインはイライラ戦争後、すでに独裁者だったし、
石油が欲しい各国はフセインをおだてて自滅させ、
乗り込むつもりだったが、そこにアラブ社会を介入させると
うまく利権を獲得できないから、クエートに侵攻させた、
と「思う」だけです。

フセイン自身は、あれで懲りて、以後10年間大人しく
イラクに籠ったままでしたし。

フセインはもうどうにもならなかったと思います。
欧米からは経済制裁。アラブ社会にも味方は少ない。
やけくそで、しばしの独裁者生活を謳歌していただけかも。

参考URL:http://rerundata.hypermart.net/ura/hexagon/texts …
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

マスターキートンでは、クェートの傀儡政権のことだけでした。文章が混ざってすみません。今回の攻撃もフランスは国連でもアメリカに反対していましたが、フランスとしては面白くないんですね。
大きな思惑によって動いていることが良く分かりました。もう一度読んで、自分なりに少し考えてみることにします。

お礼日時:2004/11/03 12:28

ここを読んでください。



『サダム・フセイン集中講座』
 http://www.sankei.co.jp/databox/iraq/column/huss …


独裁者の常で、常に敵を作り上げないと、政権の求心力を
維持できなかったんですね。
イラン・イラク戦争が終わったあと、サダム・フセインは、
自らの権力を維持するために、新たな標的を探していたんです。

フセインのターゲットとなったのが、隣国クウェート
でした。

せっかくイラン・イラク戦争でアメリカと蜜月になったのだから、
ここで手を引いていればよかったんでしょうけどね……

参考URL:http://www.sankei.co.jp/databox/iraq/column/huss …
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この回答へのお礼

集団をまとめ上げるには、敵をつくったほうがいいってやつですね。北朝鮮の反米と同じ手段ってやつもあるんですね。よくわかりました、。
ありがとうございました。

お礼日時:2004/11/03 12:24

マスターキートンからですか?


それが正しいかは分かりませんが、そういう考えることもできる程度に考えたほうが良いと思います。
クェートを侵攻したのですからそれにより得る利権または大儀があったんでしょう。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
なんか、悪も善もない気がしてきました。

漫画であるので、
ふーん、そうなんだ…くらいにしておきます。

お礼日時:2004/11/03 00:45

戦争は勝者が善で、敗者が悪です。


ですので、その通りになっているだけであまり議論の意味はないでしょう。

報道も日本に入ってくるのはアメリカよりのものだけだし。

個人的には、イラクに原爆落として欲しいと思ってますが。アメリカはやるかもしれません。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

>戦争は勝者が善で、敗者が悪です。
という言葉で思考を停止してはいけないと思います。
アメリカはイラクに原爆をおとさないでしょう…。

私は戦争にはどちらも非があると思います。
政治的な行動ですから、
国と国との理念のぶつかり合いだと思うので、
もっと詳細を人はしるべきだと思います。

お礼日時:2004/11/03 00:43

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