
No.9ベストアンサー
- 回答日時:
No.8です。
「お礼」に書かれたことについて。>μrの扱いについてうかがっていたのですが・・・要するにμrは何故分母ではなく分子にかけるのかということです。水中に沈めた場合の周囲の磁場はどうなるのかということ質問していたわけですし…
ここまでの説明で分かりませんか?
磁束密度 B と、磁力線密度 H との関係が
B = μH
です。従って、
・B → H に変換するとき「μ」をかけ、
・H → B に変換するとき「μ」で割る
という換算を行います。
ただし、質問文内の(2)式の μo は、B ←→ H の変換で出てきているのではなく、単に同じ「 E-H 対応」の中で「磁荷のクーロン定数」を
k = 1/(4パイμo)
というふうに「定数の書式」を変えているだけなのです。なので、上の「μ をかける」「μ で割る」とは全く関係ありません。
おそらくそこを誤解しているような気がします。
>高校では磁場の強さは磁力線でしか考えません、磁場の強さを磁束でも考えられる、などといわれるとやっぱり混乱します。
そういうことですか。
でも、ローレンツ力など、高校物理でも「磁場の強さを磁束密度で扱う」ことをしていると思いますよ。逆に「磁束密度」を中心に教えているはずで、「E-H 対応」の記述はできるだけ避けていると思いますが・・・。
参考になるかどうか分かりませんが、「磁石の強さ」が等価な棒磁石と(磁荷)とソレノイド(電流が作る磁石)の真空中、水中の「磁場の大きさ」「磁荷に働く力」「電流に働く力」などを表にまとめてみました。(どうしても小さくなります…)
何を「等しい、等価」として、何と何を比べるのか、とういうことを考えるとき、少しでも理解の助けになれば幸いです。

本当にありがとうございました。作っていただいたファイルは保存して何度も確認したいと思います。
高校ではローレンツ力はF=qvB=qvμ₀Hです。
これがE-B対応なのかE-H対応なのか私にはわかりません…
No.8
- 回答日時:
No.7です。
「お礼」を見ました。時間もないので、書けるところだけ。>基準とは何についての基準なのかがわからないのですが、高校の教科書は何を基準にしているのでしょうか?
ここで言っている「基準」とは、単に
・磁力を発するものは「磁荷」で考えるのか、「電流」で考えるのか。
・磁場の大きさは、磁力線で考えるのか、磁束で考えるのか。
・「力」を受けるものは、「磁荷」で考えるのか、「電流」で考えるのか。
という「ベース」をそろえて議論しないと「堂々巡り」になるので、何で議論するのか、ということです。
「磁束による磁場」を等価にするという前提なら、真空中と水中では#4さんのおっしゃるように「磁力を発する「磁荷」の大きさ」を変えないと等価になりません。
そういうことを言っています。
「高校の教科書」のような話ではなく、「この質問での議論」の話です。
>>μrは透磁率ではなく比透磁率です。透磁率=μrμ₀ですから、
>水中では「μr*m本の磁束が出て,(μr/μ₀)m本の磁力線がでる」
>というのは矛盾していませんか?
なんか、全く理解していないんですね。
H = B/μ0
で μ0で割っているのは、「μ0 を含む物理量(B)から、μ0 の影響を除去するため」ですよ?
これをもって「H も μ0 を含んでいる」と考えているのが「誤解」なのです。
その他の細かい話は、時間があるときにでも書くかもしれませんが、書かないかもしれません。
もう少し、自分できちんと理解を進めてもらうのが先決のようですから。
μrの扱いについてうかがっていたのですが・・・要するにμrは何故分母ではなく分子にかけるのかということです。水中に沈めた場合の周囲の磁場はどうなるのかということ質問していたわけですし…
さすがにH = B/μ0のところでは疑問に思っていません。
タイトルに高校物理と書きました。高校では磁場の強さは磁力線でしか考えません、磁場の強さを磁束でも考えられる、などといわれるとやっぱり混乱します。
ですので高校物理の教科書の範囲内で(Ⅰ)~(Ⅲ)の結論だけを教えていただき、それについてこちらで矛盾を感じたら質問するというほうがお手間をとらせなかったのかなと思いました。
続きについては別のスレッドを立てて質問したいと思います。貴重なお時間を割いていただきありがとうございました。
No.7
- 回答日時:
No.5です。
「お礼」に書かれたことについて。>①式はパイは不要ではないかと思いました。
ああ、そうですね。間違えていました。
(パイが必要なのでは「直線電流の回りの磁場」ですね。ソレノイドでは
B = μo*I1
でよいですすね)
>同等の長い2つの棒磁石を用意します。真空中でこの2つの磁石にはたらく力を調べると、磁極の強さがmWbであったとします。そして「同じ」磁石を水中で沈めて実験した場合を想定しております。
はい。電流が作る磁場ではなく、磁荷ということですね。
>(a)磁荷の大きさが環境によって変化する物理量であるとするなら、同じ磁石の水中での磁極の強さは恐らくmWbではなく,μrに依存する値になるのではないかと思います。
いいえ。磁荷は「遠隔作用」の考え方ですから、周囲の物質には影響を受けません。
なので、「磁極の強さ」は水中でも変わりません。従って「磁力線の本数」も変わりません。変わるのは「磁束密度」です。
>yhr2様の議論の進め方ですと,同じ磁石を用いるのではなく、水中においてmWbになる磁荷を用意するといった議論に思えます。(間違えていたらすみません)
私の議論は、基準を「ソレノイドの作る磁場」(磁束密度)にして、その磁束密度に対応する「磁荷の大きさ」(磁力線の本数)の等価性を考えているので、そういうことになります。
「何を基準に考えるか」ということが大事です。
>とにかく(a)の基本知識がまず正しいのか間違っているのか、そこがわからないと私自身の理解が進まないのだろうと思いました。
その意味では、上に書いたように「間違っている」ということです。
>E-H対応においては、恐らく次のような定義だと思います。
>真空中にあるm Wbの磁荷からはm本の磁束が出て,m/μ₀本の磁力線が出る。
はい。
>だとすると、
>水中にある同じ磁荷からはm/μr本の磁束が出て,m/μ₀μr本の磁力線がでる。
>と私は予想します。これについて及び(a)についての見解をうかがえると幸いです。
いいえ。
水中にある同じ磁荷からは、真空中と同じm本の磁束が出て,m/μ₀本の磁力線がでます。
これは「磁荷」を基準にしているからで、「水中」のソレノイドでは「流す電流値」を変えてやらないと「m/μr本の磁束が出て,m/μ₀μr本の磁力線がでる」状態にはならないのです。(「m/μr本」「m/μ₀μr本」はおかしいですが)
逆に、「ソレノイド」を基準にして、同じ電流を流し続ければ、
・真空中では「m本の磁束が出て,m/μ₀本の磁力線が出る」
同じものを水中に入れれば
・水中では「μr*m本の磁束が出て,(μr/μ₀)m本の磁力線がでる」
ことになります。
質問したいことは山ほどあるのですが、まず確認したいことがあります。
基準とは何についての基準なのかがわからないのですが、高校の教科書は何を基準にしているのでしょうか?
※混乱を避けるため以降は高校の教科書の基準,高校の教科書で行われている定義のみでお話を進めていただけますでしょうか。
>いいえ。磁荷は「遠隔作用」の考え方ですから、周囲の物質には影響を受けません。
なので、「磁極の強さ」は水中でも変わりません。従って「磁力線の本数」も変わりません。変わるのは「磁束密度」です。
>>では磁束の本数変わりますか?変わりませんか?変わるとしたら何本ですか?
>また、「周囲の物質には影響を受けません。」とはNo4さんのおっしゃることと矛盾すると思いますがいかがでしょうか。
・水中では「μr*m本の磁束が出て,(μr/μ₀)m本の磁力線がでる」
>μrは透磁率ではなく比透磁率です。透磁率=μrμ₀ですから、
水中では「μr*m本の磁束が出て,(μr/μ₀)m本の磁力線がでる」
というのは矛盾していませんか?
(Ⅰ)IAの2つの平行電流があります。長さをL,電流間距離はrとします。真空中でのはたらく力の大きさはFとします。この電流をそのまま比透磁率μr(μr<1)の水中に沈めたとき、はたらく力の大きさをF'とします。F'はFと比べて大きいですか?小さいですか?また、F'はどのような式で表されますか?
(Ⅱ)2本の同等の長い棒磁石があります。真空中で磁極をrだけ離して測定すると、はたらく力の大きさはFで、磁極の強さはmWbであると分かったとします。
これをそのまま比透磁率μr(μr<1)の水中に沈めたとき、はたらく力の大きさをF'とします。F'はFと比べて大きいですか?小さいですか?また、F'はどのような式で表されますか?
(Ⅲ) (Ⅰ)の電流と(Ⅱ)の磁石を用いて実験します。真空中で直線電流Iと磁極mをrだけ離したとき、磁極にはたらく力がFだったとします。この位置関係のまま、これらを水中に沈めます。水中での磁極にはたらく力をF'とするとき、F'はFと比べて大きいですか?小さいですか?また、F'はどのような式で表されますか?
しつこくてすみませんが、どうかよろしくお願いいたします。
No.6
- 回答日時:
例えば真空中で電荷はクーロンの法則に従った電場を作ります。
"同じ"電荷を水中に移動した場合であっても、電荷自身は真空中と同じ電場を作っているはずですが、周囲の水が分極し、水も電場の源になる点が変わります。遠方で電場を測定すると、電荷と水が作る電場を重ね合わせたものが観測されますので、真空中の時とは異なる電場(具体的には比誘電率の分だけ比例係数が変わった電場)が測定される事になります。
この点、磁荷でも話は何も変わりません。
水中に磁荷をおけば、水が磁化を持ち、磁場の源になります。
遠方で磁場を測定すると、磁荷と水が作る磁場を重ね合わせたものが観測されるので、真空中の時とは異なる磁場が測定される事になります。
磁荷間あるいは電流-磁荷の間の力を考えた時も話は変わりません。
水中では"水が作る磁場から受ける力"の分だけ、真空中の時と受ける力が変わるはずです。
では、貴方の議論ではなぜ、電流と磁荷の場合には、力が変わらないという結論になったのかというと、
「真空中と水中で"同じ"磁荷を用意」して力の大小を比較しているのですが、簡単に言えば"同じ磁荷"の判断基準が貴方と異なるからです。
例えば電荷の場合、素電荷eという値があって、どのような電荷もこのeの整数倍になっていてどのような電荷も素電荷○個分という言い方ができますよね。水中と真空中で電荷が"同じ"と言ったら、暗に素電荷の個数が同じ状況を考えているはずです。
冒頭の磁荷の話でも同様の意味が念頭にあります。つまり、素電荷のように磁荷の最小単位(理論上はh/eとされていますね)があって、この"素磁荷"の個数が同じという事を、磁荷が"同じ"という言い方をしています。
同一の磁荷を真空中から水中に移動する事を考えるような時には、こういう状況をイメージするのが多いでしょう。
一方、貴方のいう磁荷というのは、
>点磁荷mからはm本の磁束が出ると定義されているので、その点磁荷からr離れた位置での磁束密度は
>B=m/4πr^2
という性質を持っている、もしくは、B=m/4πr^2によってmの値の定義しているという言い方もできるでしょう。つまり、「周囲に作られる磁場が同じ」時に「磁荷が同じ」と表現している事になります。そうすると、確かに
>Bは透磁率が含まれないので周りの環境に関係なく一定
という結論になるわけです。ただ、これは、
周りの環境に合わせて、"同じ磁荷"(=周囲に作る磁場が同じになるような磁荷)を用意すれば、周囲の磁場は周りの環境に依存しない、という当たり前の事を言っているに過ぎません。
この事はある点磁荷を真空から水中に移動した時に、「周囲に作られる磁場が変わらない」と言っている訳ではありません。水中に異動すれば水も磁場の発生源になりますから、遠方で観測される磁場が変わり、磁荷mの値も変わる事になります。
そういう意味で#4さんが仰っているように磁荷mの値が周囲の環境に依存するわけですね。
もしも電荷の時のように、"素磁荷"の個数のように周囲の環境で変わらない量を磁荷と呼びたいのであれば、そもそも
B=m/4πr^2 + 水が作る磁場
であって、そもそもB=m/4πr^2とはなってはいないのですね。(たぶん、比透磁率の分だけ変わります)
理論的には後者の方が分かりやすいですが、実用上は前者の方が扱いやすい(測定しやすい)ので、どちらのスタンスで考えるかはケースバイケースになるだろうとは思います。
どちらのスタンスでも構いませんが(他のスタンスでもいいですが)、どちらかの一つのスタンスで統一して考える必要があります。両方を混在させて考えた時に、力が同じ/違うなど矛盾と感じる部分が登場する事はあるでしょうが、その矛盾は理論のせいではありません。
ご連絡ありがとうございます。
No.5様のお返事にも書きましたが、質問の前提条件を説明しますと、
同等の長い2つの棒磁石を用意します。真空中でこの2つの磁石にはたらく力を調べると、磁極の強さがmWbであったとします。そして「同じ」磁石を水中で沈めて実験した場合を想定します。
E-H対応においては、恐らく次のような定義だと思います。
真空中にあるm Wbの磁荷からはm本の磁束が出て,m/μ₀本の磁力線が出る。
だとすると、
水中にある同じ磁荷からはm/μr本の磁束が出て,m/μ₀μr本の磁力線がでる。
と私は予想します。
この予想は正しいでしょうか?
No.5
- 回答日時:
下記の様な説明ではいかがでしょうか。
かなりの長文になります。(1)まず、電流と磁荷の違い
磁荷は「電荷」から類推した概念で、「点」として仮想的に存在し、正電荷→負電荷に向かう「電気力線」と同じ発想で、「N極の磁荷」→「S極の磁荷」に向かう「磁力線」を想定します。この「磁力線」のベクトルが「磁場」で、磁場の強さは「磁力線の本数」で表わせます。
一方、「電流」が作る磁場では、磁荷のような磁力線の「From/To」がありません。
電流の周りには周回する磁場ができます。ここでも「磁場ベクトル」を想定すると便利なので、電流を周回する「磁束線」を考えます。磁場の強さは「磁束線の本数(磁束密度)」で表わせます。
上記のように、「磁場」という観点で見れば「磁力線」と「磁束線」では「From/To の有無」とその「単位」(何をもって1本とするか)が違います。つまり、同じ「磁場」という言葉を使いながら、似て非なるものということなのです。
ここで、「磁荷」間に働く力は「離れた磁荷どうしが、磁力線を介して直接働く力」として「クーロンの法則」で考えます(電荷の「電気力線」と同じ考え方)。力の大きさは「磁荷の大きさ」つまり「磁力線の本数」に比例します。これは、電荷間のクーロン力や重力のように遠隔のものが直接相互作用する「遠隔作用」の考え方です。
これに対して、「電流」の方は、力を及ぼしあう(磁束線で結びあう)実体がないので、「磁場」という「場」を考えて、電流はこの「場」と相互作用すると考えます。「電流が磁場を作り、その磁場が他方の電流に力を及ぼす」と考えるのです。これが「近接作用」の考え方で、現在ではこちらの考え方が主流です。
このように、力を及ぼし合うものが「磁荷」のときは「間に存在する磁場」を考えなくても説明ができますが、一方または両方が「電流」である場合には、間に介在する「磁場(磁束)」を考慮することが必須です。
そして、その「磁場(磁束)」に「透磁率」が関係します。
(2)電流と磁荷の作る磁場の等価性
磁場を作るものとして、「一重ソレノイド」(円電流)によって発生する電磁石と、それと等価な「棒磁石」の比較をしてみましょう。
一重の「ソレノイド」(円電流)では、円の中心を磁束線が貫きます。磁束線の向きは、円電流を「右ねじ」で回して進む方向です。
電流 I1 の流れるソレノイドの半径を R とすると、その中心に発生する真空中での磁束密度は、アンペールの法則から
B(I1) = μ0*I1/(2パイR) ①
です。
一方、この電磁石を全く等価な「棒磁石」を考えます。棒磁石の磁荷の大きさを m1 とすると、ソレノイドの向こう側に磁荷 m1 のN極、ソレノイドの手前に磁荷 m1 のS極があるのと同じです。その磁力線の数は「m1 本」としましょう。
この「m1 本の磁力線が作る磁場」の大きさを H(m1) とすると、上のソレノイドが作る磁場と等価な磁場なので
B(I1) = μ0*H(m1)
が成り立ちます。
①式と比較すれば
H(m1) = B(I1)/μ0 = I1/(2パイR) ②
の関係ということになります。
つまり、これが「電流 I1 の作る電磁石(真空中に①の磁束密度を作る)」と、それと磁気的に等価な「磁荷 m1 を持つ棒磁石(真空中に②の磁力線を出す)の関係になります。
(3)これを水中に置いた場合
「真空中では磁気的に等価」な2つの磁石を、比透磁率 μr の水の中に入れてみましょう。
(a) 「ソレノイド」が作る磁場(磁束密度)
真空中に①の磁密度を作る「ソレノイド」を水の中に入れれば、水の中に作る磁束密度は
B'(I1) = μr*μ0*I/(2パイR) ③
に変わります。
(b) 棒磁石が作る磁場(磁力線)
磁荷 m1 を持つ棒磁石をそのまま水の中に入れても、水の中に作る磁力線の本数は変わりませんね。
ということは、そのときに水の中に作る磁場の大きさ(磁力線の本数)も
H'(m1) = H(m1) = I1/(2パイR) ④
のまま変わらないということです。
(c) 水の中に「ソレノイド」「棒磁石」が作る磁場の等価性
磁力線の本数と磁束線の本数の対応より、
B'(I1) = μr*μ0*H'(m1) = μr*μ0*H(m1) ⑤
になっていることが分かります。
これからわかることは、「磁束密度」と「磁力線本数」との関係は、
・真空中: B = μ0*H ⑥
・水中 : B' = μr*μ0*H ⑦
・真空中でも水中でも「H」は一定
ということです。
(4)磁場中の電流、磁荷が受ける力
では、今度は、磁場中に置いた電流、磁荷が受ける力を考えます。
電流が磁場から受ける力は「ローレンツ力」
F = qvB(I1)
で、「qv」は「力を受ける側」の電流 I2 に比例しますから、電流 I2 の長さ L の導線に働く力は
・真空中: F = I2*L*B(I1) = μ0*I1*I2*L/(2パイR) ⑧
・水中 : F' = I2*L*B'(I1) = μr*μ0*I1*I2*L/(2パイR) ⑨
一方、磁場 H から磁荷 m2 が受ける力は
F = m2*H(m1)
なので、
・真空中: F = m2*H(m1) = m2*I1/(2パイR) ⑩
・水中 : F = m2*H(m1) = m2*I1/(2パイR) ⑪
と書けます。つまり同じです。
(5)結論
以上の議論の結果、
・磁荷と磁荷の場合=⑩と⑪:水に入れても力の大きさは変わらない。
・磁荷が作る磁場(磁力線の本数)に「電流」を置いた場合=磁力線→磁束密度に変換した上で⑧と⑨:水に入れると力の大きさは「比透磁率」倍になる。
・電流が作る磁場に「電流」を置いた場合=⑧と⑨:水に入れると力の大きさは「比透磁率」倍になる。
・電流が作る磁場に「磁荷」を置いた場合=磁束密度→磁力線に変換した上で⑩と⑪:水に入れても力の大きさは変わらない。
何のことはない、「力を受ける側」で決まるということです。
磁場は、電流が作ろうが、磁荷が作ろうが、「磁束密度←→磁力線」によって「等価なもの」を前提としたので、結局は「力を受ける側」で決まるのは当然と言えば当然です。
(6)考察
以上の結果に従って、「補足」に書かれたことを吟味します。
(i) 磁荷 m1, m2 間に働く力:クーロンの法則
F = k*m1*m2/r^2
k:クーロン定数。これを「真空の透磁率:μ0」というもの(定数)を定義して k = 1/(4パイμ0) とおいて
F = [ 1/(4パイμ0) ]m1*m2/r^2
これが式(2) ですね。
(ii) 電流 I1, I2 間に働く力
・電流 I1 が距離 r に作る磁場の大きさ
B1 = μ0*I1/(2パイr)
・そこに置いた長さ L の電流 I2 に働く力
F = B1 * I2 * L = μ0*I1*I2*L/(2パイr)
これが式(1) ですね。
これは上の説明の⑧です。
(iii) では式(3)は? 電流 I1 から距離 r に置いた磁荷 m1 に働く力。
これは次のように考えましょう。
・電流 I1 が距離 r に作る磁場の大きさ
B1 = μ0*I1/(2パイr)
・その磁束密度に対応する「磁力線の本数」は
H1 = B1/μ0 = I1/(2パイr)
・従って、そこに置いた磁荷 m1 に働く力
F = m1*H1 = m1*I1/(2パイr)
これが式(3) ですね。
これは上の説明の⑩です。
つぎに、これを比透磁率 μr の水の中に入れてみましょう。
(i') 磁荷 m1, m2 間に働く力:クーロンの法則
遠隔作用なので、間に置く物質によって力の大きさが変わることはありません。
上に書いたように、「μ0」は単にクーロン定数を「k = 1/(4パイμ0)」としただけのことで、「比透磁率 μr 」とは何の関係もありません。
従って「式(5) は間違っています」。
(ii’) 電流 I1, I2 間に働く力
・水の中では、電流 I1 が距離 r に作る磁場の大きさは
B1 = μr*μ0*I1/(2パイr)
・そこに置いた長さ L の電流 I2 に働く力
F = B1 * I2 * L = μr*μ0*I1*I2*L/(2パイr)
となって、力の大きさは真空中の「μr 倍」になります。
これが式(4)で、従って「式(4) は正しい」。
(iii’) 電流 I1 から距離 r に置いた磁荷 m1 に働く力。
・水の中では、電流 I1 が距離 r に作る磁場の大きさ
B1 = μr*μ0*I1/(2パイr)
・その磁束密度に対応する「磁力線の本数」は
H1 = B1/(μr*μ0) = I1/(2パイr)
・従って、そこに置いた磁荷 m1 に働く力
F = m1*H1 = m1*I1/(2パイr)
これは式(3) と同じですね。
従って、電流が作る磁場(磁束密度)は、水の比透磁率によって変わりますが、磁力線としては変わらないので、磁荷に働く力は真空中と変わらないということです。
以上の説明で納得されますか? 疑問点があれば「補足」にでも記載ください。
大変丁寧にありがとうございます。
①式はパイは不要ではないかと思いました。
また、当方の質問がわかりにくかったことと、No.4様の情報が得られなかったことが原因で、当方が意図した前提を誤解されている可能性があります。
同等の長い2つの棒磁石を用意します。真空中でこの2つの磁石にはたらく力を調べると、磁極の強さがmWbであったとします。そして「同じ」磁石を水中で沈めて実験した場合を想定しております。
(a)磁荷の大きさが環境によって変化する物理量であるとするなら、同じ磁石の水中での磁極の強さは恐らくmWbではなく,μrに依存する値になるのではないかと思います。
yhr2様の議論の進め方ですと,同じ磁石を用いるのではなく、水中においてmWbになる磁荷を用意するといった議論に思えます。(間違えていたらすみません)
とにかく(a)の基本知識がまず正しいのか間違っているのか、そこがわからないと私自身の理解が進まないのだろうと思いました。
E-H対応においては、恐らく次のような定義だと思います。
真空中にあるm Wbの磁荷からはm本の磁束が出て,m/μ₀本の磁力線が出る。
だとすると、
水中にある同じ磁荷からはm/μr本の磁束が出て,m/μ₀μr本の磁力線がでる。
と私は予想します。これについて及び(a)についての見解をうかがえると幸いです。
No.4
- 回答日時:
磁荷(磁気の強さ)は、どのように測定しますか?
測定した環境により、磁荷(磁気の強さ)は、変わります。
したがって、磁荷(磁気の強さ)には、すでに透磁率が含まれている事になります。
質問文にある、環境に無関係に磁荷(磁気の強さ)が変わらないと言う前提が間違っている事になります。
透磁率の高い物質を磁石に付けた場合は、磁束は透磁率の高い物質に多く通って、その下側は弱まりますよね?
もし、質問文のような考えの場合は、磁気シールドがあり得ない事になりませんか?
ご連絡ありがとうございます。
測定した環境により、磁荷(磁気の強さ)は、変わります。
磁荷(磁気の強さ)には、すでに透磁率が含まれている事になります。
>それでしたら納得できます。特に補足に書いた(3)はどう考えてもおかしいと思っておりました。そのことが教科書に書いていないことが大変不満です。
そうすると電荷はどうなのでしょうか。1Cの電荷は磁荷と異なりどのような環境にあっても1Cですよね?
だとするならqCの点電荷からr離れた位置の電場の強さは、真空の場合
E=(1/4πε₀)(q/r^2)
誘電率εrの水中の場合は
E=(1/4πε₀εr)(q/r^2)
一方mWbの点磁荷からr離れた位置の磁場の強さは、真空であろうと
水中であろうと
H=(1/4πμ₀)(m/r^2)
※水の透磁率μrをつけてはいけない
しかし真空中においてrだけ離れた長さLの二本の直線電流I,I'にはたらく力は
F=(μ₀/2π)(II'/r)L
電流は水中であろうと真空中であろうと大きさは変わらないので、水中の場合は
F=(μ₀μr/2π)(II'/r)L
上記の認識で誤りはないでしょうか?
あと前のスレッドでE-B対応というお話を伺ったのですが、この場合は
磁荷は環境に依存しない物理量ということなのだと思いますがそうですよね?
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rだけ離れた長さLの二本の直線電流I,I'にはたらく力は
F=(μ₀/2π)(II'/r)L…(1)
rだけ離れた2つの磁極m,m'にはたらく力は
F=(1/4πμ₀)(mm'/r^2)…(2)
直線電流Iからr離れた磁極mにはたらく力は
F=m(I/2πr)…(3)
例えば水の比透磁率をμrとしたとき、(1)(2)を水中で実験した場合
F=(μ₀μr/2π)(II'/r)L…(4)
F=(1/4πμ₀μr)(mm'/r^2)…(5)
となりますでしょうか?それとも誤りでしょうか?この点も言及いただけるとありがたいです。
また,(3)は水中であろうと真空中であろうと力Fは変わらないということですが、これは間違いないですか?