「オーディオDCアンプ製作のすべて」下巻の第11章153ページに掲載されました6C33C-Bアンプを今から8年前に製作しました。毎年10月初めから3台のアンプのアイドリング電流やAOCなどを調整してから本格視聴に入ります。今年もこの6C33C-Bアンプを調整しておりましたが、左チャンネルはスームスに調整できましたが、右チャンネルだけが280mAに近づいた途端に一気に870mAまでアイドリング電流が上昇してしまいます。しかし、この電流は全く変動が無く、アイドリング電流調整用ボリウム
でゼロにまで戻せるのです。自分は直ぐにこのボリウムを新品交換しましたが、異常現象は治りません。そこで出力管である6C33C-B を2本と初段管のWE404A 2本を交換してみましたが治りませんでした。次に基板2枚を新しく作り直してセットしてテストしましたが結果は同じで250mAまでは正常に
流れていくのですが、やはり270mA以上になると一気に870mAまで異常上昇してしまいます。
最初のトラブル発生から2ケ月が経過してしまいました。
自分はこのアンプを低音用に使用しており、このアンプが使えないので音楽が聴けない状態となっております。どうかこのトラブルを解決する方法をご教示して頂きたいのです。
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
回答NO.7へのお礼、ありがとうございました。
お礼の欄のコメントについて下記の通り回答いたします。>昨日のTr2,Tr3のコレクタ電流5mAを引き下げるというお話ですが、現状の820Ωを2.4kΩまで引き上げた場合に、AOC回路やグリッドバイアス電流に変化が現れると思いますが、初段の200Ω半固定ボリウムで対処出来ますか?
Tr2、Tr3のコレクタ電流5mAを引き下げる手段は820Ωを弄るのではなくて、Tr4,Tr5のエミッタの抵抗(現状470Ω)を大きい値に変更するという事です。例えば3mAに変更するならば470Ωを 470Ω×5mA/3mA=783.3Ω に変更するというやり方です。AOCは変更しません。その結果、例えば現行の5mAを3mAに変更した場合、820Ωの電圧降下は5mAと3mAの差分の2mA分の電圧降下の減少になりますので、820Ωの電圧降下の減少分は2mA×820Ω=1.64V になります。この1.64Vを前段にある調整抵抗200ΩのVRで調整可能かどうかですね。実はアップしていただいた回路図が解像度が悪くて抵抗値やツェナーDiの電圧など判別できませんのでこちらでは判断できません。もし、こちらでも検討が必要な場合は初段の差動回路の定数が判別できるようにその部分を大きくしてアップしていただけませんか?それから、全回回答ではTr2,Tr3のコレクタ電流5mAを2mAまで下げては?と提案しましたが、6c333c-Bのゲートの容量成分も含めてドライブする必要がありますのでせいぜい、3mA程度が限界かな、と考えております。
>あともう1点ですが、このカーレントミラー回路のTr2,Tr3の PNPトランジスタを最新のシリコン・カーバイトMOS-FETに置き換えることが可能でしょうか? このシリコン・カーバイトMOS-FETは高耐圧で耐熱性にも優れております。
SiC MOSFETは現状、残念ながらNチャンネルタイプしか市場に出回ってないと思います。必要なのはPチャンネルタイプですので可能性は殆ど無さそうですね。
xpopo様 お早うございます。
最初に送信しました回路図が鮮明でなくて申し訳ありませんでした。改めてもう一度回路図をお送りいたします。
定電流回路のTr4, Tr5 のエミッター抵抗は原設計では560Ωになっておりましたが、この定数ではアイドリング電流調整用200Ωボリウムが最大でも、グリッドバイアスがー30V程度までバイアスが浅くなり調整不能でしたので、
470Ωに変更しましたところ、グリッドバイアスがー100Vまで深くなりましてバイアス調整が可能となりました。
No.7
- 回答日時:
回答へのお礼、ありがとうございました。
お礼欄のコメント、下記についてコメントおよび回答差し上げます。
>バイアス電圧はカソード基準に測定しました。 /後の数字にマイナスを付けるのを忘れました。
了解いたしました。多分そうじゃないかな?と思ってました。
>⓷については初段管404Aのプレート間を測定しております。
という事は、ドライバー段の入力のオフセット電圧という事になりますね。バイアス電流が870mAに跳ね上がった状態でもそれほど大きく変化してませんね。という事は初段はこの現象にほとんど影響して無さそうですね。
>オフセット電圧については16Ωのダミー抵抗をスピーカ端子に取り付けて、そこからリード線を引き出して測定しています。
了解いたしました。これはGNDと出力間の負荷状態のオフセット電圧を測ってるという事になりますね。
>Tr2への放熱器はもうこれ以上大きくできません。そこでこの基板を取り付けている天板に5ミリの小穴を5ケ、放熱穴として昨年4月に開けました。
これが一番困ったことですね。天板に穴をあけて少しは空気の流れが良くなったかもしれませんが放熱条件としてはほとんど効いてないと思われます。ところで、Tr2とTr3のバイアス電流としてコレクタ電流を下側の定電流源で流してますが、その設定が5mAtypになってますね。Tr2(2SA1967)のデータシートを確認しましたら、5mAだとfTが大分落ちた動作点になってます(約2MHz)。データシートからだとfTmaxはIc=-1mAで与えられ、6MHzになってますね。このバイアス電流を少し下げても良さそうですね。2mAくらいまで思い切って下げても良いのかな?って思います。アンプの安定性に影響は少なさそうですがf特性のシミュレーションはしておいた方が良さそうですが、可能性はありますね。検討してみてください。
xpopo様、度々のご回答にとても感謝しております。
昨日のTr2,Tr3のコレクタ電流5mAを引き下げるというお話ですが、現状の820Ωを2.4kΩまで引き上げた場合に、AOC回路やグリッドバイアス電流に変化が現れると思いますが、初段の200Ω半固定ボリウムで対処出来ますか?
あともう1点ですが、このカーレントミラー回路のTr2,Tr3の PNPトランジスタを最新のシリコン・カーバイトMOS-FETに置き換えることが可能でしょうか? このシリコン・カーバイトMOS-FETは高耐圧で耐熱性にも優れております。
No.6
- 回答日時:
バイアス電圧の測定ありがとうございました。
データについて下記の通り確認したいのでよろしくお願いいたします。
① バイアス電圧の後ろの最初の電圧値は上側の6C33C-Bのグリッドーカソード間電圧でカソード基準ですか?
② その次のスラッシュの後ろの電圧値は下側の6C33C-Bのグリッドーカソード間電圧でグリッド基準(符号が+になってるので)ですか?
③ T1〜T2電位差はT1のグリッドとT2のグリッド間の電圧でしょうか?
④ オフセット電圧の測定はGNDを基準にしてアンプの出力の電圧を測定してますよね?
それから、バイアス電流に870mAも流してしまうと6C33C-Bの許容電力損失の45Wを大幅に超えてしまい管を痛めてしまうのでテストで流すのはもうやめましょう。
上記のような疑問はありますが、測定されたデータから以下のようなことが考えられます。
① バイアス調整で260mAから更にバイアスを増やした結果でいきなり3.3倍の870mAに増加
② バイアス電圧は更に上昇してるが、プレート電流に870mA流せるほどのバイアス電圧に対してとても小さな値です。
ちなみに6C33C-Bの特性を添付しますが、プレートーカソード間電圧が160Vの条件だと870mA流すためにはグリッド電圧はtyp値ですが-30V程度必要になります。当然この領域は絶対最大定格の電力損失をオーバーしてしまいますがね。
③ この時、出力のオフセット電圧が今までー4.6mVだったのが、逆極性の+5.2mVに変化している。
上記の事から、まずバイアス調整中にいきなりバイアス電流が3倍以上に撥ね上がるのは出力管に原因があるとは考えにくい。
上記の③から考えられるのは、Tr2,3とTr4,5からなる出力のプリドライバー段に異常が発生したのではないかという事です。前々回の回答NO.4で少し触れましたがこのオフセットの変動は「全体回路図のポイントX、Yでの電圧変動に換算して0.172mA×820Ω=141mV」という事に相当します。ドライバー段のトランジスタTr2、Tr3のエミッタで差分で141mVの変動という事です。この変化はTr2,3のコレクタ電流に与える影響は非常に大きいです。電流の変化で数十倍に相当します。前回指摘しました熱の問題ですが、よく考えてみると、Tr2が熱的に非常に厳しいという事が言えます。Tr2のコレクタの電圧は出力管6C33C-Bの負電源電圧-160Vから更にー50V(カソード-ゲート間電圧)低い電圧で約-210Vになります。一方、エミッタの電圧は+210V程度になってるようですからVCEとして210V+210V=420Vと非常に大きな電圧が掛かってます。この状態でTr2のコレクタ電流は下側の定電流源で設定されている電流で約5mAですのでTr2の電力損失Pd(Tr2)は Pd(Tr2)=420V×5mA=2.1W になってます。これはTr2(2SA1967)電力損失の最大定格値1.75Wを超えてしまってます。またTr2周辺の温度も室温よりかなり高いと想定されます。この状況から考えられるのはTr2の熱暴走です。熱暴走が始まるとコレクタ電圧は急激に上昇します。結果、最終段の6C33C-Bのゲート電圧も上昇しますのでアイドリングも急増しそうです。ただ、AOC回路が働いてますので、ある程度バイアスの上昇を抑える方向には働いてくれるはずです。
対策というか確認実験をお願いしたいのですが、Tr2の放熱器を現状の2倍以上の大きさにして現象が出ないかどうかの確認です。これはTr2の放熱条件を改善して熱暴走の危険を下げるためのものです。とりあえず現状考えられる原因については以上のポイントという事になります。
XPOPO様、大変有意義なご返答ありがとうございます。
バイアス電圧はカソード基準に測定しました。 /後の数字にマイナスを付けるのを忘れました。
⓷については初段管404Aのプレート間を測定しております。
オフセット電圧については16Ωのダミー抵抗をスピーカ端子に取り付けて、そこからリード線を引き出して測定しています。
Tr2への放熱器はもうこれ以上大きくできません。そこでこの基板を取り付けている天板に5ミリの小穴を5ケ、放熱穴として昨年4月に開けました。
No.5
- 回答日時:
>ご指摘のカーレンとミラー回路のサンヨー高耐圧トランジスタ2SA1967にはかなり熱くなるので、製作記事でも小型放熱器を取り付けるように指示があります。
>下段の定電流回路のTr4 & Tr5の2SC4578 にも小型放熱器を取れつけております。
一応、小さいながらも放熱器を着けられてるんですね。それで、問題の右チャンネルの放熱版の取り付けは緩んでませんでしたか?
>AOC回路からのX , Y をカーレントミラー回路のエミッター抵抗820Ωより取り外すとグリッドバイアスがマイナスから+200Vまで振れてしまいます。このAOC回路にはおよそ1mA程度がX, Yを通して流れこんでいると思われます。
>200Ωの半固定ボリウムの①端子〜⓶端子に20pF程度のマイカコンデンサーを追加すればアイドリング
が一気に上昇するという現象は無くなると思いますか?
アップしていただいたAOC回路から、X,Yから引き出している電流は常にix+iy=10mAになるような動作をしてるのが分かります。したがって1mAではなくて10mAですね。この電流が無くなればTr2とTr3の コレクタ電流は両方合わせて10mA増加します。ですから、「グリッドバイアスがマイナスから+200Vまで振れてしまう」のは説明がつきます。
「200Ωの半固定ボリウムの①端子〜⓶端子に20pF程度のマイカコンデンサーを追加」は何を疑っての処置でしょうか?ちょっと意味が理解できませんが、原因として発振を疑ってるんでしょうか?発振を確認されてますか?
もしそうでないなら、対策にはなりそうもありませんね。
こちらにそのアンプが手元にあればオシロスコープで確認もできるんですが、テスターでもいいんで、もう少し詳細に確認の測定をお願いできませんか?アイドリングを調整してアイドリング電流を増加させてる過程で上下の出力菅のそれぞれのグリッドーカソード間の電圧の変化を詳しく見て頂けませんか?
No.4
- 回答日時:
AOCの回路図と追加情報ありがとうございました。
>オフセット電圧の件ですが、250mA時のオフセット電圧は+2.9mVでしたが、870mAまで一気に上昇した時のオフセット電圧はー5.7mVと少しマイナスに振れました。
AOC回路の入力電圧対出力電流のゲインは概略、入力差動対のソース抵抗50Ωの逆数になりますので、オフセット電圧の変動+2.9mVからー5.7mVの差分8.6mVはドレイン電流で8.6mV/50Ω=0.172mAの変動になります。全体回路図のポイントX、Yでの電圧変動に換算して0.172mA×820Ω=141mVと無視できないほどの変動です。しかし、この変動はアイドリング電流の大きな変動により発生する出力オフセット電圧を抑えるAOCの正常な動作の範囲によるものと考えられます。
ところで、全体回路で初段の真空管による差動回路の出力抵抗の後ろにある2つのエミッタフォロワー回路に使われているトランジスタTr2、Tr3、2SA1967ですが、最大絶対定格のPdmaxは1.67W(@25度)ですね。この2つのトランジスタはしっかり放熱されてますか?放熱がしっかりされてないとアイドリング調整でコレクタ電流を上げてゆくと容易に絶対最大定格を超えてしまいそうです。右チャンネルは左チャンネルに比べて放熱条件が悪くなって(放熱版への取り付けビスのゆるみなどで)ないでしょうか?確認をお願いします。
No.3
- 回答日時:
回路図の提示ありがとうございました。
この回路から考えられることは
アイドリングを200ΩのトリマーVRで調整。トリマーVRの値を大きな値の方向へ調整してゆき出力管のアイドリング電流を280mA近くまで調整。そのあとアイドリング電流が一気に870mAまで上昇という事ですね。
回路図から図示されていないAOC(Automatic Offset Control?)の動作が絡んでるように見えます。AOCの回路はアイドリング調整でTr4,Tr5のエミッタ電流が増加してもAOCが電流を引き出しているAOC X、AOC Yからの電流引き出し動作に何ら問題が生じないのかどうか?気になります。AOCの回路図も確認したいですね。また、アイドリングを調整中にアイドリングが電流が一気に870mAまで上昇した時に出力のDCオフセット電圧には変化はないのでしょうか?気になります。確認をお願いします。
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回路図を添付します。
早速のご返事ありがとうございます。AOC回路図を添付します。自分もこのAOC基板を取り外してTr3とTr4のサンヨー高耐圧トランジスタを交換して動作テストを行いまして、50Ωボリウムでバランスが
とれました。オフセット電圧の件ですが、250mA時のオフセット電圧は+2.9mVでしたが、870mAまで一気に上昇した時のオフセット電圧はー5.7mVと少しマイナスに振れました。
xpopo様
ご指摘のカーレンとミラー回路のサンヨー高耐圧トランジスタ2SA1967にはかなり熱くなるので、製作記事でも小型放熱器を取り付けるように指示があります。
下段の定電流回路のTr4 & Tr5の2SC4578 にも小型放熱器を取れつけております。
AOC回路からのX , Y をカーレントミラー回路のエミッター抵抗820Ωより取り外すとグリッドバイアスがマイナスから+200Vまで振れてしまいます。このAOC回路にはおよそ1mA程度がX, Yを通して流れこんでいると思われます。
200Ωの半固定ボリウムの①端子〜⓶端子に20pF程度のマイカコンデンサーを追加すればアイドリング
が一気に上昇するという現象は無くなると思いますか?
本日、バイアス電圧を測定しましたのでご報告いたします。
200mA時 バイアス電圧ー54.2V/63.2V T1〜T2電位差ー6.2mV オフセットー5.5mV
250mA時 バイアス電圧ー51.1V/59.3V T1〜T2電位差ー8.1mV オフセットー4.9mV
260mA時 バイアス電圧ー51.1V/59.2V T1〜T2電位差ー9.2mV オフセットー4.6mV
870mA時 バイアス電圧ー49.9V/53.1V T1〜T2電位差ー7.9mV オフセット+5.2mV
870mA時にミリバルを500mVレンジでバイアス測定端子に当てたところ、電源部の保護回路が動作
して、出力管のB電圧が遮断されました。ミリバルは針が振り切れました。