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車のタイヤはよく見るとハの字をしていてキャンバー角があるのが普通ですがハの字ではなく垂直でキャンバー角0度の車種もあるそうです。

自動車設計が理想的に出来た場合はキャンバー角はハの字になるのでしょうか?垂直になるのでしょうか?

どちらの車の方が理想に近い設計で完成したと言えますか?

A 回答 (9件)

おクルマの研究で35年ぐらい食ってるおっさんで、専門は車両運動性能と懸架装置研究です。


自動車設計に関するご質問なので、ガチの回答をしますね。ガチなので、すみません、長くなりそうです。

>自動車設計が理想的に出来た場合はキャンバー角はハの字になるのでしょうか?垂直になるのでしょうか?

対地キャンバ角に関しては、雑誌やネットではいろいろ言われていますが、99%がガセか思い込みです。
実際にクルマを作って走らせてみると、シロート向けの本やネットで言われていることの殆どが、『サス特性の一面しか見ていない』と言えます。

※クルマの車両運動、すなわち『走って・曲がって・止まる』というのは、全てタイヤと路面の摩擦力に頼っています。
そこでまず、『タイヤの理想的な使い方』というものを考えければなりません。
タイヤだけの事情で考えると、対地キャンバ角はあくまでもゼロ(=タイヤが路面に垂直に立っている状態)が理想です。
これはあらゆる方向の摩擦力が必要な状況すべてで、つまり『加減速時』と『旋回時』、全てで対地キャンバ角ゼロが理想だということです。

※サスペンション設計の理想とは『タイヤの性能を100%使える』ことであり、タイヤの性能をより引き出すサスを設計出来る者が、優秀なサスペンション・デザイナーと言えます。
が、しかし・・・サス側にはサス側の事情があり、結果的に『なんでこんなんなっちゃったの?』と言える、明らかにタイヤの性能が使いきれないサスが沢山出回っています。

※サスペンションの機構が、複数のリンクを持つ『立体幾何学』で動いている以上、あらゆる状況で(直進時のピッチングと、カーブでのローリングで)常に対地キャンバ角ゼロを実現することは、事実上不可能です。

※この辺りの話を詳しく打つと本が1冊書けるほどのボリュームになるので、ここでは打ち切れません。とりあえずサスペンション設計では、下記3つの問題を同時に考えなければならないということを覚えておいてください。

①直進時のピッチングやバウンシングといった上下動で対地キャンバ角変化がゼロになるサスペンションと、カーブでロールした時に対地キャンバ角変化がゼロとなるサスペンションは、相反する設計となります。

②カーブでタイヤの対地キャンバ角変化がゼロに近くなるサスでは、ロールセンタという幾何学的数値が高くなり、重心が高いクルマでは横転の危険性が高まりますが、しかし一方、ロールセンタが高い方が、柔らかいばねのままでもカーブでの傾きが小さくなり、またロールセンタが低いと横転の危険性が減りばねやショックアブソーバのセッティングの自由度も増えますが、スタビライザをある程度硬くしなければならず、タイヤの上下動での左右輪の独立性が弱くなります。

③直進時の対地キャンバ角変化が小さい方が、タイヤの偏摩耗が小さくなります。
またハンドリング優先のサスペンションを設計すると、どうしても各アームが長くなってしまいます。これは室内や荷室の空間を圧迫するため、量産車ではハンドリングだけを追求してサスを設計出来ません。

・・・以上、非常に大まかな話ではありますが、上記3つの相反する要素の中でどの様にバランスを取るか?ということが、量産車のサスの現実的な設計となります。

故に、

>どちらの車の方が理想に近い設計で完成したと言えますか?

本で知識をつけただけのヒトは、『理想のサスジオメトリ』などというものをすぐクチにしますが、そんなものは存在しません。
重心が高い/低い、タイヤが太い/細い、乗り心地優先/ハンドリング優先などで、ベターな妥協点が違います。
よってこのご質問に対する回答は、『どんな性格のクルマか?によって、対地キャンバ角の大きさも変わる』となります。

最後に余談ですが、『よく議論される』他の問題にも回答しておきましょう。

※左右輪が強固に連結されたリジッドアクルスについて
リジッドアクスルは、幾何学的にはカーブでも直進でも対地キャンバがゼロになる、っと言われますが、直進中でも片輪が突起を踏んだりくぼみに落ちたりしたら対地キャンバ角が変化します、どころかそのキャンバ角変化は反対側のタイヤにも影響します。またリジッドアクスルは幾何学的にどうしてもロールセンタが高くなり、ハンドリング上はあまりよろしくありません。さらに駆動輪に使った場合は駆動トルクの反力で片輪の荷重が抜けて摩擦力が減少してしまい、十分な駆動力を路面に伝達出来なくなります。
っという様に、リジッドアクスルは慎重に設計されたインディペンデンスサス(独立懸架)よりも性能が低く、乗用車では廃れてしまいました。(トラックで残っているのは、サスペンション部品の重量当たりの耐荷重が大きく、独立よりもリジッドの方が『軽く丈夫に作れる』からです。観光バスのフロントに使われている独立サスは、ダンプカーのフロントのリジッドサスよりもずっと重くなってしまっています。独立懸架の方が軽いという話は、必ずしも正解ではありません。)
過去にはド・ディオンアクスル、スライディングジョイント、ウォブリンクなど、トルク反力を解消したり軽量化したり、またロールセンタを下げるリジッドアクスルが考案されましたが(リジッドアクスルのロールセンタを下げるアイデアに関しては、ワタシも何件か特許を所有しています)、しかしどれも片輪の動きがもう片輪に影響する問題は解消出来ず、また量産効果により独立懸架のコストが下がった為、リジッドアクスルの改良の努力はすっかり廃れてしまいました。

※対地キャンバ角がゼロのサスペンションは、いくらでもありますよ。
ただ車高の組付け誤差があり、実車では中々ゼロになっていないだけです(車高に組付け誤差がある様に、実車の対地キャンバ角にも許容誤差があります)。対地キャンバ角のノミナル値(設計値)がゼロで、それがサービスマニュアルの基準値となっているのは、何もおかしい話ではありません。(偏摩耗は、操舵によるキャンバ角変化=キャスタ角とキングピン傾角によって変わります。)
なんで『ゼロはあり得ない』『それは間違い』と言えるんでしょうね?保安基準はサイドスリップ量を規定しているだけなので、キャンバ角が何度でも、トーインの調整だけで基準を満足することが出来ますし、実際そういう風にメーカーで設定しているサスペンションもあります。(と言っているワタシも、一度だけFF車のフロントのマクファーソンで、『キャンバ角ゼロ』を基準にしたことがあります。量産してみると車高の誤差が大きく、概ねネガティブ30分~ポジティブ15分の間でバラツキましたが。)

※実車のトレンドは。
サスの上下動でキャンバ変化が少ない方向=ロールセンタが低くなる方向のサスが最新の設計トレンドです。
タイヤが太い現代のクルマで対地キャンバ角変化をつけると、上述したタイヤ偏摩耗の話と直進安定性が低下するということがあります。
しかしこのままではカーブで旋回外輪がカーブの外側に倒れてしまい(プラスキャンバ角=ポジティブキャンバと言います)、タイヤの横方向の摩擦力が低下します。
そこで、カーブでのポジティブキャンバを是正する意味で、直進状態でちょっとだけネガティブキャンバをつけておきます。
これはレーシングカーや高馬力のクルマの駆動輪にみられるセッティングで、故にFFでもFRでも、ハイパワーのスポーティ車では、静止状態で駆動輪に『少しだけハの字』がつけられています。

※何か思い違いをされている方もいらっしゃるようですが、ハの字はマイナスキャンバ=ネガティブキャンバ、逆ハの字がプラスキャンバ=ポジティブキャンバ、です。
荷重がかかった時にサスペンションの構成部品がたわむことを考慮してキャンバ角を設定しているのは、乗用車ではメルセデスぐらいです。
世界中の殆どのクルマが、空車・静止時のアライメント値を規定しています。(メルセデスには悪いですが、走行中に実際にアライメントがどう変わっているか?は、誰にも正確には判りません。アライメントは静止状態でいろいろ変更し、それを走らせた結果『うん、これでいこう』と決まります。故に調整の基準値は静止状態での数値が元になるべきで、『静止状態でも荷重をかけて調整しろ』というメルセデスの基準値は、ワタシはナンセンスだと思っています。)
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この回答へのお礼

みんなありがとう

お礼日時:2019/04/15 19:23

>垂直でキャンバー角0度の車種もあるそうです。



それ勘違いでしょう。
規定値がない外車などの場合において、保安基準を満たす規定値を
見なしの値としてゼロにしているだけですが、そのことを仰ってませんか?
ゼロの場合、外減りが非道くて、あっという間にタイヤが使えなくなります。
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>垂直でキャンバー角0度の車種もあるそうです


聞きかじりの知識です、具体的にどういう車なのか?、そちらに疑問を持つのが本筋ではないかと思います。
>自動車設計が理想的に出来た場合
理想的、に対応する現実は、ない、と思ったほうが・・・・。
直進安定性を保つためにはキャンバー角をつけるのが簡単かつ、ある方が有利、というだけで理想ではありません。
オートバイでは、通常は手放しでも直進します、フロントのフォークの取り付け角が影響しています。
でもサイドカーだと、この性質が逆だそうです、ハンドルが切りやすいことの方が重要らしい(車体が傾かないのが律うかな?)。
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2択ではありません。



使用目的に応じて最適なキャンバー角が決められるので ハの字でも0でもその車にとっては理想の設計です
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フロントサスでは、キングピンオフセットを小さくするため、ポジティブキャンバーにすることが普通でした。

そのためトー角はインにしてサイドスリップをゼロ狙いにしました。トラックを見るとはっきり見えます。
乗用車では工夫によりキングピンオフセットを小さくして、キャンバーはあまり目立たなくなりました。
リヤでは例えばリジットなら対地キャンバー角は垂直ですね。キャンバー角といった場合、対車体キャンバーと対地キャンバーがあります。インディペンデントだと対車体キャンバーがネガでも実際にロールが付くと対地キャンバーはポジになりやすいです。この場合キャンバースラストが外向きにかかりますので、リヤグリップが悪くなり、安定性を悪くします。たぶんそのため、昔のトヨタのFR車はコーナリング時の安定性を出すため、イニシャルでネガキャンがはっきり付いていました、キャンバーをつけるとキャンバースラストが発生します。特にフレーム付きのクラウンは例えばマンホールを片輪が踏むとキャンバースラストでまずフレームが横に動き車体が遅れて横ずれを起こすのが、後ろから見ていてわかりました。イニシャルでキャンバーをつけずサスストロークに対するキャンバー変化を大きく付けることも考えられますが、付けすぎると凸凹を乗り越えたとき対地キャンバーが付くのでキャンバースラストがでて(横力発生です)ふらつきます。
ちなみに2輪車のコーナリングフォースはキャンバースラストが中心です。
車全体で安定性が保たれるのであれば対地キャンバーはゼロが理想です。
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>垂直でキャンバー角0度の車種もあるそうです。



無いです。
F-1などのレース専用車で無い限りは
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アホが多いクルマ業界ですが、キャンバー角は、通常の場合はむしろマイナスなのが理想です。

でもそれを理解できないアホばかりなのが現状。

荷重が掛かれば角度がつく仕組みになっています。荷重が掛かるのは、曲がるときなのですが、それ以外にも、止まるとき、加速するときにもかかります。一部の超高級車を除いて、今が曲がっているのか、止まるか加速するかしているのか、などは関係なく、荷重がかかればキャンバー角がつくようになっています。
つまり人が乗っても荷物を載せても荷重は掛かります。その上で曲がる時に最適になるように韓バー角を調整していると、止まるときや加速するときは荷重により無駄にキャンバー角が付いて適正ではない角度になります。結局それくらいにしか調整できないので、それが最善に思われていますが、荷重を掛けた運転をするとすぐに内べりになってしまいます。つまりそれは、荷重を掛ける運転を知らない人に最適なものでしかありません。
閑話休題。

しかし、今の主流は、お笑いを取ることです。そこでお笑い天皇の”鬼キャン”w いかにこれに近づけるかが、お笑いを取る秘訣になっています。若い人はそれしか考えられないので、みな頑張ってお笑いを取りにいっているのですねw
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キャンバー角のある方が理想。


車の重量でタイヤが内側に傾きます。重量がかかった時点でタイヤが地面と垂直になる…が望ましいです。
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https://www.diylabo.jp/column/column-50.html
キャンバー角が付いていない垂直は、構造上直進安定性が出ないから。
との事です。最低1度とか・・・。
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