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状態変化の昇華は分子間力が弱いため起こると参考書に書いてあったのですが、
分子間力が弱いのならそもそも固体になれないのでは?と思いました。

なぜ固体にはなれるのに液体にはなれないのでしょうか?
よければなぜなのか教えてください。よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

こんにちは。


ごもっともなお悩みと思います。
他の方の説明にもあるように、物質の三態は奥が深く、根本的に明快で正確な説明はまだできていないようですが、次のような説明ではいかがでしょう。
 ポイントは、「分子間力で説明しようとすると実は液体が異常。液体は、ちぎれたはずの分子が「圧力で」押し戻されて戻ってくるから。」

 参照されている参考書の記述ぶりの詳細がわからないのですが、実は、物質の三態について分子間力だけで説明するのはちょっと危険ではあります。
 ちょっと角度を変えて、まず、次のように理解いただければと思います。
なお、ここで、温度(熱)とは、原子・分子の運動・振動であると理解いただきましょう。
○ 固体
分子間力により分子(原子)同士が互いを縛り合ってきれいに並んでいる。温度を上げると分子が振動を始めるが、分子間力を断ち切るほどではない。(昇華については後ほど)
○ 液体
振動が強くなり、分子間力を断ち切るようになる。しかし、極端に振動が強いわけではないので、またつながり、また断ち切り・・・を繰り返し、形が自由に変わるようになる。
○ 気体
振動がさらに強く、分子間力を断ち切って飛び出す。

ひとまずこのモデルに納得した後、ここで次のような疑問も浮かんでくるでしょう。
○ 昇華について・・・固体から一気に気体になるのはなぜ?
○ 液体について・・・分子間力が一度は切れるのに、分子が飛び出さずにまたつながるのはなぜ?
この2つは無関係のようですが、実は同じことを説明することになります。

 基本的には、昇華のほうが説明は簡単で理解しやすいでしょう。
 温度が上がり、分子の振動が大きくなると表面の分子が分子間力を断ち切ってとびだしてしまう。
 これだけのことで、理解もしやすいですし実は宇宙ではこの現象のほうが一般的といえます。
 なお、低温でも昇華が徐々に起きるのは、全体として均一な温度に見えても各分子の振動には差があり、特に振動の強いものだけが断ち切っていく・・・とご理解いただきましょう。

 しかし、その目で見るとむしろ異常なのは液体。
 たくさんの分子が強い振動をはじめてそれぞれがどんどん分子間力を断ち切るのに、なぜ飛び出さずにまた戻ってきてつながってしまうのかのほうがむしろ説明しにくい。
 ここで登場するのがそれは「圧力があるから」という説明です。
 分子間力でのつながりがどんどん断ち切られて液体の表面からは分子が周囲に飛び出そうとしますが、周りのガスの分子がぶつかってくるので、また押し戻されてしまう。
 もちろん、ガスの隙間を縫って飛び出していく分子も少なくない(蒸発)しますが、多くは戻ってきてしまう・・・という状態です。
 なお、「沸騰」とは、周りの圧力(ガスの力)より液体分子の飛び出す力が決定的に強くなるバランスを超えた状態で、逆にいえば、周りのガスの圧力が少なければ低い温度で沸騰します。
(富士山頂上ではご飯がおいしく炊けない・・・の原理)

・・・ということで、ご覧の参考書が、液体と昇華に関して分子間力だけを使って説明して圧力に触れていないなら、説明としては不十分ということになります。
(他の方の引用しているWikipediaのグラフでも、圧力(Pressure)が低いときは、固体(Solid)と気体(Gas)しか存在せず、圧力が高くなって初めて液体(Liquid)が出てくることでもご納得いただけるでしょう)

さてさて、すっかり長くなってしまいましたが如何でしょうか。
お役に立てば幸いです。

なお、余談ですが、もし、参考書が説明不足でもそれが受験用なら私はあまり問題ではないと思っています。
もちろん、時間に余裕があれば原理を正しくしっかり理解できるほうがいいですが、ひとまず丸暗記の知識を自由自在に使えるまでに詰め込んでおき、後にその知識の軽薄さや矛盾、さらなる疑問に改めて立ち向かうというのは(ちょっと恥をかいたり痛い目に遭いますが)結構有意義でもあります。
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この回答へのお礼

皆さまありがとうございました!

参考書等で簡単に説明されている事柄でも考えるととても奥が深いのですね。皆様の回答、読み返させて頂きながら沢山考えたいと思います。
ありがとうございました!

お礼日時:2019/12/13 03:14

「程度問題」、どちらがどれだけ大きいか、という「定量的」な問題ね。



「ゼロか1か」「オンかオフか」「二元論」という話ではなく、さらには「四択のマークシート式」でもない。

きちんと数値を入れて計算する、いわゆる「アナログな話」ということです。
「温度」とか「圧力」とか、環境条件そのものが「アナログ」ですから。
「分子間力」と「温度、圧力による分子の運動エネルギー」との関係と言えばわかるかな?
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状態図は


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E5%9B%B3
の右上の図が入手可能だったので。
>弱いため起こると参考書に書いてあった
ので、圧力(縦軸)が一定で、適当なところで横線を引いてください。
三重点より高圧か低圧かで、液体が存在するか存在しないかが決まります。
この現象は経験則から導かれたらしく、方程式などで説明された例を知りません。

状態図の一般論を水を例示して考えないように。水は、その分子構造を持つがゆえに、わけのわからない挙動(例、氷IV、最近氷VIIが発見されたらしい)を示しますから。
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