急性増悪とサイトカインストームは同じですか？

Question

間質性肺炎の急性増悪と、新型コロナ感染症のサイトカインストーム（自己免疫機能の暴走）は、急激に呼吸困難に陥る過程と早期のステロイド投与による症状緩和がとてもよく似ているように思います。同じものでしょうか？だとしたら、新型コロナ感染症で間質性肺炎を発症するという記事は信憑性が高いのではないでしょうか？間質性肺炎は若くても発症して致死率が高い病気だと調べました。正しく恐れるためにも、是非教えてください。

hide12002 · Accepted Answer

●重篤化し呼吸不全になるのは、肺の線維化による間質性肺炎です。
その線維化を起こすのは、様々な白血球が出しているサイトカインによる血管壁の炎症による傷害と言うことです。そのサイトカインが大量に出ているからサイトカインストームと呼んだのでしょう。

前回にも記しましたが、サイトカインとは様々な白血球が出している様々な伝達物質です。(白血球の仲間を呼び集めたり、増やしたり、働きを強める蛋白質です)
重症化するのは、白血球が集まりサイトカインを出し合ってはいるのですが、ウイルス自体に対しては★樹状細胞という白血球の目が向いていないのです。だから抗体も出来ず治らない状態が続き、肺の線維化による間質性肺炎が起き、命を失います。

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前図のように、抗体は樹状細胞という白血球が働かなけば出来ません。
早くから樹状細胞がウイルスを認知して働いている人は、しばらくすれば抗体ができることから無症状や軽症で治る訳です。
樹状細胞が働いていない人は重症化するという訳です。

ですから、患者がどういう経過をたどるかを予測できるマーカーとして、CCL17という樹状細胞が出す蛋白を計測すれば、基準値より低い人は樹状細胞が働いていなく重症化すると予測し入院措置をとる。
基準値より高い人は樹状細胞が働いているから軽症までで治るだろうとして入院をさせない。その割り振りができると提案しているのでしょう。

hide12002 · Answer

その通りです。
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今のところCCL17の検査で患者を割り振ってはいないようです。
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白血球は十数種類ありますが、樹状細胞という白血球は、抗体を産生させるために最初の働きをする司令塔の様な白血球です。
だけど、ヘルパーT細胞やB細胞などを含め全体の白血球が元気でなければうまく抗体は出来ません。
ですから、良く言われる糖尿病や透析を受けている方や、免疫抑制剤や抗がん剤等で免疫(白血球の働き)が弱くなるような基礎疾患を持っている場合、若い方でも重症・重篤化しやすいということです。

もちろん、基礎疾患もなく健康そうな若い方でも、過労や極端にかたよった食生活をしている場合は血液状態も良くないことから重症化することもあるのでしょう。

hide12002 · Answer

図をご覧ください。治る場合の白血球の流れです。
左上の様に、ウイルスが体内に入りますと察知したマクロファージや樹状細胞がこれを食べて分解します。
●樹状細胞はリンパ節に移動して分解した成分を➡ヘルパーT細胞というリンパ球に教え➡ヘルパーT細胞がB細胞にサイトカインで伝達し➡B細胞が形質細胞となり抗体を産生します➡抗体はウイルスに付着し無力化します。
以上の白血球の流れが起きれば感染しても無症状か軽い症状で治る訳です。(予防ワクチンによって抗体を作っておくのも同じ流れです)

hide12002 · Answer

①再素→酸素の間違いです。失礼しました。

②「新型コロナウイルス自体には白血球の目が向いていない状態です。ですから、そこまで来てもウイルスに白血球の目が向き排除し始めたら治癒に向かうことになります。」
　　　の部分に付け加えますと、

「新型コロナウイルス自体には白血球の目が向いてはいなく、白血球がサイトカインをだし仲間を呼び集めて感染細胞だけを攻撃している状態です。ですから、そこまで来てもウイルスに樹状細胞という白血球の目が向き、抗体ができてウイルス自体を排除し始めたら、治癒に向かうことになります。が、現在は有効な薬がなく重篤化した場合はなかなか困難です」

hide12002 · Answer

色々混同しているのでしょう。まとめて見ると頭がすっきりします。

1.サイトカインストーム(サイトカインの嵐)のことですが、
　サイト・カインとは、細胞・作動性物質というもので、免疫細胞である白血球が仲間に連絡したり増強するために出している伝達物質(様々な蛋白質)ですので、
白血球がウイルスを排除できなくて、それを出し続けている状態ということになります。

2.コロナの間質性肺炎は、一般的な肺胞自体が炎症を起こしている肺炎とは異なり、肺胞を取り巻く間質内の血管の壁が、白血球やそれが出すサイトカインにより傷害されて炎症を起こしているものです。(添付図をご覧ください) 
 このことから、血管内の赤血球が、肺胞の空気の再素を受け取ることが出来なくなり、呼吸不全ともなるものです。

以上2つで、なぜそうなるのかを考えますと、
新型コロナウイルスが感染した間質の血管の細胞を、白血球が異物細胞として攻撃している状態が続き間質性肺炎になっていることになります。
これは、新型コロナウイルス自体には白血球の目が向いていない状態です。ですから、そこまで来てもウイルスに白血球の目が向き排除し始めたら治癒に向かうことになります。

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これまでに日本では、感染者の約8割が無症状か軽症のまま回復するが、残りの約2割が重症もしくは重篤化することがわかっています。
ただ、感染初期は軽症と見られる症状ながら、2日もしないうちに急激に悪化し酸素吸入や人工呼吸器（もしくはECMO）が必要な重症・重篤化へ移行する人もあり、重症・重篤化する患者を予測する有効な手段はないことから、現在のところ、陽性者は全員隔離また症状に応じて入院措置としている訳です。
そこで医療体制の崩壊が予想されています。

●重症化するかしないかの見極めがつけば患者の割り振りができるため、最近、採血検体（血清）を用いて患者の予後予測が可能となる分子マーカーの研究がなされ、結果を得たことから検討の段階かと思います。
その内容ですが、
・重症化するのは、「CCL17が基準値より少ない場合」と言う報告です。
CCL17は樹状細胞が出す伝達物質です。
ということは、ウイルスに対して白血球の司令塔である樹状細胞(抗原提示細胞)が働いていない場合に重症化するということになります。
・要は、樹状細胞が働けばB細胞から抗体が産生される訳であり、無症状か軽症で収束しているのでしょう。樹状細胞が働かなければ重篤化するということになります。
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決定的な治療薬は現在ありませんが、私としては、樹状細胞を刺激する免疫療法で治癒に向かうと考えられますので、いつの時点でも治療薬としてBCGとかハスミワクチン、また丸山ワクチンがその効果を見るとは思います。

急性増悪とサイトカインストームは同じですか？

●重篤化し呼吸不全になるのは、肺の線維化による間質性肺炎です。

その通りです。

図をご覧ください。

①再素→酸素の間違いです。

色々混同しているのでしょう。

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