No.12
- 回答日時:
> Pが偽のときはそもそも
> PならばQを検証できないから、否定が不可能(つまり肯定された)だから真になるということでしょうか?
そう捉えてもあながち間違いではないでしょう。もう少し正確に言えば、「P⇒Q の真偽を問う時に、Pが偽の場合については、それで話は終わりで、Qについては考えるまでもない」ってことです。No.11で挙げた(1)と(2)において、「普段の推論ではない」場合について「そんなもん知ったことか」で終わりにしているのは、そういうことです。
中々難しいですね。
それで話が終わりというのは
PならばQは結局、偽を確定できないということですか??
PならばQが真であるので、真偽を判定した結果だと思うのですが。
No.11
- 回答日時:
No.10へのコメントについてです。
>普段の推論に使うのは、
> Pが真のとき、Qが真であるという時のみですか?
[1] どうにも不明瞭な表現です。
まず、「普段」とは、ご質問の1行目にある大前提、「数学において」の「普段」であると解釈することにします。(なぜなら、「数学において」以外の「普段」については、何が「普段」で何がそうでないのか、「普段」の万人に通用する意味を、さて一体誰が語り得ましょうか。ですから、「数学において」以外の「普段」についてのご質問であるならば、「あなたのいう「普段」ってなに?」と尋ね返すしかないが、当然まともな答は期待できず、従って、掲記の話が質問として成立することはないでしょう。)
そこで、このご質問の意図はおそらく下記(1)(2)のどっちかであろうと推測しました。以下、「普段」とは「数学において」の「普段」を意味するものとして:
(1) 普段の推論では、「Pが真で、しかもQが真」である場合にだけ、「PならばQ」を使うのか?
(2) 普段の推論では、「Pが真のとき、Qが真である」と言いたい場合にだけ、「PならばQ」を使うのか?
(あるはもっと別のご質問でしょうか?)
ーーーーーーー
[2] 上記(1)と(2)については:
(1) 普段の推論では、「Pが真で、しかもQが真」である場合にだけ、「PならばQ」を使うのか?
NO。
普段の推論の場合、「PならばQ」は単にP⇒Q を意味しています。P⇒Qを使う場面には、「Pが真で、しかもQが真」である(だからP⇒Qが真である)場合がありますが、それだけでなく「Pが偽で、しかもQが真」である(だからP⇒Qが真である)場合も、「Pが偽で、しかもQが偽」である(だからP⇒Qが真である)場合も、そして「Pが真で、しかもQが偽」である(だからP⇒Qが偽である)場合もあります。また、P やQの真偽には興味がなく単にP⇒Qの真偽にだけ興味がある、という場合もあります。
一方、「普段の推論」ではない場合、(例えば借金の言い訳とか、漫才とか)については、どんな使い方をされるか、そんなもんわかりません。
(2) 普段の推論では、「Pが真のとき、Qが真である」と言いたい場合にだけ、「PならばQ」を使うのか?
YES。
普段の推論の場合、「Pが真のとき、Qが真である」も「PならばQ」も同義で、どっちも P⇒Q を意味しています。
また、「普段の推論」ではない場合、(例えば借金の言い訳とか、漫才とか)については、どんな使い方をされるか、そんなもんわかりません。
=======================
[3] ついでに
P: 「Yを使う」
Q: 「Xの場合である」
とすると、P⇒Qとは
P⇒Q: 「Yを使うならば、Xの場合である」
これって、なんだかヘンテコな表現に見えますが、もうちょっと言葉を整えて
P⇒Q: 「Yを使うということは、Xの場合だということだ」
と表現すれば
「Xの場合にだけ、Yを使う」
と同じことを言っているんだ、とお分かりになるだろう。
一方、
A:「普段の推論である」
B: 「Xの場合にだけ、Yを使う」
とすると、A⇒Bとは
A⇒B: 「普段の推論である ならば (Xの場合にだけ、Yを使う)」
です。なので、A⇒Bは(¬A)∨B と同義であり、
(¬A)∨B: 「普段の推論ではないか、または、(Xの場合にだけ、Yを使う)」
ということです。
ですから、上記の(1)(2)はどちらも
A⇒(P⇒Q)
という形をした命題について真偽を尋ねているわけです。
No.10
- 回答日時:
> 真理値は関係無さそうなので、それ以外の解答を
とおっしゃってるが、いやいや、最初に「数学において」と断っていらっしゃるじゃないですか。だったら、数学においては、真理値以外は関係ない。
「PならばQ」という表現に「日本語としての違和感」を持つ人は確かに多い(し、そういう人はしばしばここまでに出てる回答のいくつかのような妄言を並べたがるんです)けれど、「数学において」はそんなもんに惑わされちゃダメです。No.1,7,8,9は適切な解説だと思いますよ。
「PならばQ」は記号では P⇒Q と書いて、これは二つの命題PとQから別の命題を作る演算(足し算とか掛け算のようなもの)です。なので、P⇒Q はこれ全体で一つの命題です。他にも P∧Q , P∨Q, P≡Q, ¬Pなどの演算があり、それぞれが一つの命題になります。
さて真理値表は、(掛け算に九九の表があるのと同じように、)PとQの値によって演算の結果がどうなるかを示す表です。そして、この真理値表によって、P⇒Qや P∨Qなどの演算がそれぞれどういう意味なのかが定義されています。 ところで、P⇒Qという命題は(¬P)∨Qと全く同じ命題です。後者を「Pでないか、またはQである」と読みます。ですが、「PならばQ」という言葉は単にP⇒Qという演算によって作られる命題を指しており、「Pでないか、またはQである」という言葉は単に(¬P)∨Qという演算によって作られる命題を指している。それだけです。これらは専門用語であって、余計な意味は含んでいません。「それ以外」の意味なんか追求するのは、無意味であるばかりか有害です。
ありがとうございます。
普段の推論に使うのは、
Pが真のとき、Qが真であるという時のみですか?
Pが偽のときや、Pが真でQが偽のときは
考える必要がないということですか?
No.9
- 回答日時:
>命題Pが偽でQが真のときPならばQが真という例
スマリヤンの例がわかりやすいでしょう。
3枚のトランプ:ハートA,スペードA,ダイヤAを考えます。
この3枚の中から2枚机の上に裏にして置きます。
(*)「右側のカードが黒色のAならば左側のカード赤色だ」
という命題(*)が真なのはいいでしょう。
さて、右側のカードを表にしたらハートのA、左側のカードはダイヤのAでした。トランプが表になったからといって(*)が偽になったり真偽不明になったりはしないでしょう。この時は、Pが偽で、Qが真だが、PならばQは真になっています。
なお、右がハートのA、左側のカードがスペードのAだった場合は P,Qいずれも偽だが、PならばQは真の例になっています。
なるほど。
Pが偽のときは、真偽の確かめようがなく、分からないけど命題は真になるのですね。
命題を偽にする場合は、確実な証拠が必要なんですね。
No.7
- 回答日時:
P,Qが命題なら、「PならばQ」ももちろん命題で、それは「Pでないか、または、Qである」(PでないかPであるかのどちらかであるが、Pであるなら必ずQでもある)と同じになります。
したがって、Pが偽なら「PならばQ」は真です。「PならばQ」を考える気持ちは、推論として使いたいということです。もしPがホントなら必ずQもホントだ(PがホントなのにQがウソ、ということはありえない)というのが推論の本質です。
鉄壁の論理で「Aが犯人ならばBは共犯ではない」ということが言えたとしても、その後Aが犯人でないことがわかってしまえば、せっかく鉄壁の論理があってもBが犯人かどうかわかりません。けれども、鉄壁の論理自体は(仮定がまちがっていようが推論として)正しい、ということです。
なお、命題と述語(命題関数;高校では条件というかも)は区別しましょう。
x^2が偶数である、は命題ではありません(xを決めないと真偽がきまりませんから。高校数学流にいえばxに関する条件です)。
「3つの等しい辺で囲まれた図形はすべて、正三角形である」や「すべての整数xについて『x^2が偶数ならば xは偶数である』」は命題です。
一般に、P(x),Q(x)がxに関する条件であれば、「P(x)ならばQ(x)」もxに関する条件ですが、「すべてのxについて『P(x)ならばQ(x)』」は命題です。
ありがとうございます。他の方と意見が異なりましたが、納得できました。
命題Pが偽でQが真のとき
PならばQが真という例がわからないのですが
具体的にあれば教えて下さい。
No.6
- 回答日時:
まず、命題とはなんぞや・・・というところから説明する必要がありそうです
式や文章で表された事柄で、その内容が正しいか正しくないか明確に決まるものを命題というのです
(そしてそれが正しいとき その命題は真となります)
これを踏まえて
「p.x2が偶数である
q.xは偶数である
pならばq 」
これは確かに命題で 真偽は「偽」です
というのも、X2という変数とxという変数に関連性がなく
X2=4 x=1という反例があるから
もし
「P:2x(xの2倍)が偶数 (ただしxは整数)
q:xは偶数
pならばq」
ということなら
x=1という反例があるので、明確にこれは偽ときまります
よってこの場合も命題です
でも p単独で命題ですか?
命題ではなくて条件ですよね
同じくqも条件です
命題は
条件pならば条件qという文章の構造をしているのです
もう少し言うと
pのことを命題の「仮定」 qを結論といって
「仮定(p)」ならば「結論(q)」という文章構造を取らないと命題にならないのです
さて、あなたが初めに挙げた質問文では
条件pならば条件q は
という構造ではなくて
命題pなら命題q
という構造をしています
これでは命題になっていないのです
(というのも、pが仮定(条件)なら結論については何も触れられていないの結論の真偽は論じることはできず、pに真偽が存在しません
同じ理由で 仮定がなければ結論qにも真偽は存在しないので
pが偽 qが真と書かれれば
pもqも命題だということになるのです)
(まだわからなければ補足しますが、今日はこれから忙しくなるので回答は明日まで待ってください)
詳しい説明ありがとうございます。
大方理解できました。
命題pならば命題qである
という命題は存在しないのでしょうか?
であれば命題から命題に推論する場合の妥当性はどうすれば分かるのでしょうか?
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