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このΣの2乗の公式の導出で教科書やサイトではこのようなk^3-(k-1)^3の恒等式を利用しているのですが、
どのような発想でこの恒等式なら導出できるという考えに至ったのですか?
ちなみに、高校2年生です

「このΣの2乗の公式の導出で教科書やサイト」の質問画像

A 回答 (4件)

写真にある説明だとものすごく技巧的に見えるんだろう。

もしかして、話をもうちょっと一般化したほうが、かえって見通しが良いのかもしれない。ま、人それぞれだが…

[1] 順番に並んでるものをヒトツズラシで考えてみるのは常套手段ではある。(等比数列の和 (1 + a + a^2 + … + a^n)でもやったんじゃないかな。)そこで、
  ( F(1) + F(2) + … + F(n))- F(1) + F(n+1) =( F(2) + F(3) + … + F(n+1))
たとえば
  F(k) = k^r
の場合にこれを書き下してみると
  ( (1^r) + (2^r) + … + (n^r)) -1 + ((n+1)^r) =( (2^r) + (3^r) + … + ((n+1)^r))

[2] 記号を決めて
  S[r,n] = ( (1^r) + (2^r) + … + (n^r) )
と書いてみる。こんな風に
  ・ 記号を導入して見やすくする
  ・ ちょっと一般化して考えてみる
のも常套手段。すると[1]から
  S[r,n] + (n+1)^r - 1 = ( (2^r) + (3^r) + … + ((n+1)^r) )
この式の右辺は「S[r,n] の右辺にあった項の列の、最初を除いて最後にひとつくっつけたもの」と読めるが、いや、この右辺は
  ( ((1+1)^r) + ((2+1)^r) + …+ ((k+1)^r) + … + ((n+1)^r) )
というふうにも読める。ヒトツズラシで眺めたのはこのためだ。
 ふた通りに読めるってことは、これは二つの話をつなぐジャンクションっぽいな、と気づくのはセンスとか慣れの問題かもしれん。

[3] そこで(k+1)^r というものを睨んでいると、二項定理の応用
  (k+1)^r = ( (rC0)(k^0) + (rC1)(k^1) + … + (rCr)(k^r) )
(ただし、(rCm)は「r個の中からm個をとる組み合わせの場合の数」)を使えば、r乗をm乗(m≦r)の和としても表せるという所に思い至る。
 そこで「これを利用して、S[r,n]の漸化式が作れないか」というビジョンを思い立つ。やってみると、
  ( (2^r) + (3^r) + … + ((n+1)^r))
  =(( (rC0)(1^0) + (rC1)(1^1) + … + (rCr)(1^r) )
  + ( (rC0)(2^0) + (rC1)(2^1) + … + (rCr)(2^r) )
    :        :         :
  + ( (rC0)(n^0) + (rC1)(n^1) + … + (rCr)(n^r) ) )
 ここで慌てて簡単にしようと「 1^0 = 1じゃん、n^1 = nじゃん」とかやるのではなく、せっかく現れた綺麗なパターンを壊さないように敢えてほったらかしにするのが、これまた常套的なコツかもしれない。

[4]右辺のタテヨコを入れ替えて並べなおすと
  ( (2^r) + (3^r) + … + ((n+1)^r))
  =(( (rC0)(1^0) + (rC0)(2^0) + … + (rC0)(n^0) )
  + ( (rC1)(1^1) + (rC1)(2^1) + … + (rC0)(n^1) )
    :        :         :
  + ( (rCr)(1^r) + (rCr)(2^r) + … + (rCr)(n^r) ) )

  = ((rC0)( (1^0) + (2^0) + … + (n^0) )
  + (rC1)( (1^1) + (2^1) + … + (n^1) )
    :        :         :
  + (rCr)( (1^r) + (2^r) + … + (n^r) ) )

  = ((rC0)S[0,n] + (rC1)S[1,n} + … + (rCr)S[r,n} )

[5] だから[1]と合わせると、
  S[r,n] + (n+1)^r - 1 = ((rC0)S[0,n] + (rC1)S[1,n} + … + (rCr)S[r,n} )
だとわかった。
 ところでrがいくつだろうと rCr =1 , (rC(r-1))=r なので
  S[r,n] + (n+1)^r - 1
   = ((rC0)S[0,n] + (rC1)S[1,n} + … + (rC(r-2))S[r-2,n} )+ rS[r-1,n} + S[r,n]
両辺からS[r,n]を引いて
   (n+1)^r - 1 = ((rC0)S[0,n] + (rC1)S[1,n} + … + (rC(r-2))S[r-2,n} )+ rS[r-1,n}
つまり、
   S[r-1,n} = (1/r) { ((n+1)^r - 1) - ((rC0)S[0,n] + (rC1)S[1,n} + … + (rC(r-2))S[r-2,n})}
という漸化式が得られた。
  S[0,n} = (1/1) { ((n+1)^1 - 1) } = n
  S[1,n} = (1/2) { ((n+1)^2 - 1) - ((2C0)S[0,n])}
    = (1/2) { ((n+1)^2 - 1) - n} = (1/2) (n^2 + n)
  S[2,n} = (1/3) { ((n+1)^3 - 1) - ((3C0)S[0,n] + (3C1)S[1,n])}
    = (1/3) { ((n+1)^3 - 1) - (n + 3(1/2) (n^2 + n))}
  S[3,n} = (1/4) { ((n+1)^4 - 1) - ((4C0)S[0,n] + (4C1)S[1,n] + (4C2)S[2,n])}
    = (1/4) { ((n+1)^4 - 1) - (S[0,n] + 4S[1,n] + 6S[2,n})}
    …
という具合に「S[r,n]なら何でも来い」になったわけで、これが数学の面白さ。

[6] ところで、
  ( F(1) + F(2) + … + F(n))
のことを
  Σ{k=1,n} F(k)
と書くのはご存知でしょうか? ("{k=1,n}"というのは、ホントは "Σ"(シグマ)の真下に小さく"k=1"、"Σ"の真上に小さく"n"と書くのだが、)これは「F(k)をkが1からnまで足したもの」というだけの記号で、「総和(summation)」と呼ばれる。単にそれだけのものなのだが、いや総和はなかなか切れ味鋭い道具で、実際これを使うとここまでの話は
[1]
  (Σ{k=1,n} F(k)) - F(1) + F(n+1)
  = Σ{k=2,n+1} F(k)
  = Σ{k=1,n} F(k+1) ←「 ふた通りに読める」ということ
(そこで早速
  (Σ{k=1,n} F(k+1)) - (Σ{k=1,n} F(k)) = - F(1) + F(n+1)
  Σ{k=1,n} (F(k+1) - F(k)) = - F(1) + F(n+1)
  F(k) = k^3 のとき、F(k+1) - F(k) = 3k^2 + 3k + 1
とやれば、写真にある説明と同じような話になる。でも、慌てないで:)
[2]
  S[r,n] = Σ{k=1,n}(k^r)
  S[r,n] + (n+1)^r - 1 = Σ{k=1,n}((k+1)^r)
[3]
  (k+1)^r = Σ{m=1,r}((rCm)(k^m)) ← 二項定理
   Σ{k=1,n}((k+1)^r) = Σ{k=1,n}( Σ{m=1,r}((rCm)(k^m)) )
[4]
  Σ{k=1,n}((k+1)^r)
  = Σ{k=1,n}(Σ{m=1,r}((rCm)(k^m)) )
  = Σ{m=1,r}(Σ{k=1,n}((rCm)(k^m)) ) ← 「タテヨコ」(総和の順番)を入れ替え
  = Σ{m=1,r}((rCm)(Σ{k=1,n}(k^m)) )
  = Σ{m=1,r}((rCm)S[m,n])
[5]
  S[r,n] + (n+1)^r - 1
  = Σ{m=1,r}((rCm)S[m,n])
  = Σ{m=1,r-2}((rCm)S[m,n]) + (rC(r-1))S[r-1,n] + (rCr)S[r,n]
  = Σ{m=1,r-2}((rCm)S[m,n]) + r S[r-1,n] + S[r,n]

  S[r-1,n] = (1/r) ((n+1)^r - 1 - Σ{m=1,r-2}((rCm)S[m,n]) )
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まあ、一見して普通に、


 k の m+1 次多項式 f(k) から
 f(k) - f(k-1) という m 次多項式を作れば、
 f(k) - f(k-1) = {k の m 次多項式}
 を k = 2, 3, 4, ..., n で Σ して
 f(n) - f(1) = (何か係数)Σ(k^m) + Σ{k の m-1 次以下の多項式}
 という式が作れて
 Σ(k^m) の公式が m について漸化できるな...
というのは感じるところでしょう。
それを f(k) = k^(m+1), m = 2 で実装したのが写真の解説かと。
m ≧ 3 でも、全く同じようにできますね。
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いかに数学といっても、未知の段階で「こうやれば必ず上手く行く」という方法が思いつくのはまれでしょう。


いろいろ「ああでもない、こうでもない」という試行錯誤をして、「こうやったら上手く行った」という方法を探し出すのです。
先人たちの苦労して見つけた、いくつかの「定石」や「成功事例」を知っていれば、試行錯誤の範囲を限定することはできると思います。
お示しの事例も、それに近いものだと思います。

「定理」や「公式」など、使えるものはそこからスタートすればよいことが多いですが、それも先人たちが苦労してそれを導き出し証明していくれていることによります。
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順番を1個ずらしたりひっくり返したりして項毎の和とか差を取り、


より単純化できないか試みるというのは常套手段ですね。
うまくゆくかは運しだい(^^;
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