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井上準之助はなぜ、金本位制に固執することが間違いだと、気付かなかったんでしょう?

A 回答 (2件)

> 井上準之助はなぜ、金本位制に固執することが間違いだと、気付かなかったんでしょう?



間違いだと思うかどうかは、視点、価値判断、志向性など多面的なものが関係します。 A、B、C、Dの4人が、同じ問題に関して、思い描く像は違うことが多々あり、4人全員が、間違いだと思ったりすることは、けっこうないものです。 固執するのが間違いと思う人もいるでしょうが、ここで一線を崩したり引いたりするのが間違いだと思う人もいることは多いです。
自分で、自分自身のことについて、あのとき退いたのが間違いと思ったり、あのとき固執したのが間違いと思ったり、もっと前に強行にああしておけば良かったなど思うこともあるものです。

個人的な感想はその時々でも違うし、個人が内面で思ったことなど、他人に分かるものではないです。

当時三井銀行・三井合名の常務だった池田成彬は『財界回顧』に次のように書いています。 書いていたから、そう思っていたのだと断定することは難しいですが、想像の一助にはなります。 
下の中で井上というのは井上準之助のことです。
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あの時は銀行は、世間とは反対にやはり警戒論だったのです。銀行仲間は頻りに金利を上げなければいかん、我々は警戒しなければならんという。
日本銀行総裁の井上君も警戒論で、金利引上げを必要と思って、大蔵大臣の高橋さんにいうが、高橋さんが聞かないのです。
そこで私が井上を責めると、井上は、『君が僕を責めるなら、僕は辞職するより外に途がない』というわけで、日本銀行は金利を上げないでずっと行って、昭和二年の恐慌でああいうことになったのです。  P191

当時在外資金は減っても国内には九億か十億持っておったから、此の機会に思い切って財界の整理をしなければ日本の産業が駄目になるというのが、私の意見でした。   
日本銀行は総裁の演説なんかでは警戒論をやるけれども、本当の肚が、政府と共にきまって居ないから、いざという時になると救済資金を出してしまう。
これでは本当の整理はつかない。我女が金解禁に養成したのは、政府でも日銀でも出すだけは出してあとは本当に締めろ。
これに伴った金融政策をしろ。そこで一遍苦しめて置く。そうすれば物の生産原価も下る。
そこで新しいスタートをすれば日本の経済も蘇生するlこういうのでした。
でないと当時すでに南洋あたりではドイツに押されて貿易が悪くなって来ていました。
それで我々は金解禁を大いに支持したところが、世間殊に工業家の間に段々に反対論が強くなって来て、
井上も思い切ったことが出来ない。金解禁ならそれに相当した緊縮政策をとらなければならないのに、それをしない。
だから中途半端なものになった。      P152-153
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主として工業主など産業界から反対論も強ければ、緊縮策を徹底できないというジレンマはあって、その中での金解禁でしょう。
そうした手を取らざるを得なかったと考えることもあるでしょう。

《恐慌をつうじて、資本の整理・集中により独占を強化し、国際競争力を高め、金本位制に復帰して戦後の国際資本戦に乗り出す、これが日本の金融資本においてもその本質的に重要だ》という考えを持ち続けていても、官僚や政治家であれば、おかしくはないでしょう。
米ドルの高騰、英国の金本位制から離脱そのときに、方針転換を図るという考えも可能かもしれませんが、政党内閣、銀行資本、政治家のいろいろな思惑もあれば、うかつな方針や方策の提示はできません。 
その時々で最善手を講じるということくらいは、井上ならやったでしょう。
後になって、間違いだったなどと思うような、いい加減な思考はしてないでしょう。
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この回答へのお礼

大変詳しく教えていただき、ありがとうございました!

お礼日時:2022/11/09 12:34

当時の官民の放漫財政を正す為には痛い目に遭わせるしか無いと考えたのだと思います。



17_v2_column6.pdf
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunno …
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この回答へのお礼

ありがとうございました!

お礼日時:2022/11/09 12:33

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