
フーバー回顧録に書いてあったことがず〜っと気になり続けてるんですが、つまり「第二次大戦において、ナチスドイツとソ連を同士討ちさせればよかったんだ」、という説ですね。
以前も同様の質問をしたら、「同士討ちは無理だよ」的なご回答をいくつもいただいた憶えがあるんですが、本当にそうでしょうか?その時代の当の政治家であるフーバーが「同士討ちさせるべきだった」と断言してるんです。
第二次大戦の処理において、共産主義という悪魔を野に放ってしまったがために、その後の現代史はず〜っと共産主義の亡霊に呪われてるようなものですよね?学者や評論家が「ロシアはどんな国?」「中国はどんな国?」という問いに対して様々な解説を展開しますが、要するにどちらも、共産主義の残滓に凝り固まった国ですよね?
ナチスドイツがポーランドに侵攻したときに、イギリスもフランスもヘンな正義感を発揮して参戦などしなければよかったのでは?放っておけば、ドイツはそのまま東進を続けて、第二次大戦の序盤で独ソ戦が起こって、両者総崩れになって共倒れになって、自由主義陣営だけの世界をその時点で作ることも出来たんじゃないでしょうか?
フーバーの見解は真っ当だと思いませんか?なんで第二次大戦の処理過程において、もっと共産主義を弱体化させられなかったんでしょうか?
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
難しい問題ですね。
まず当時のヨーロッパ人の基本認識を考える必要があります。それは
①ドイツがまた軍事力を高めて、ヨーロッパ全体を支配しようとするとヤバい
②ロシアが本気でヨーロッパの西側に侵攻しようとするとヤバい
です。
逆をいえば①と②を戦わせて両方とも消耗させればよかったとはいえますが、それは結果を知っている後世の私たちや、大西洋の向こうの安全地帯に居るアメリカ人の考え方でしかなかったわけです。
だからまず《フーバーの認識は正しいとはいえ、ヨーロッパ人の恐怖心はそれを上回っていた》という点が重要だといえます。
ヨーロッパ人特にカソリック系のヨーロッパ人にとって「ドイツ」というのは《ローマ時代から反抗的な民族》であり、それはカソリックに対する神聖ドイツ皇帝やプロテスタントというような歴史にも表れています。
だからドイツから西側のフランスやスペイン・イギリス、それにイギリスなどからみると「ドイツはヤバい、あいつらがヨーロッパを征服したらマジでやばい」という認識だったのです。
で、ロシアはもっとヤバい、どちらかというと「野蛮人」という認識があるぐらいで、ロシアは「俺たちは文明人で、ヨーロッパ人だ!」と主張するものの、カソリック系からみれば《ドイツよりももっとヤバい人たち》であったわけです。
この2つの民族が同士討ちをして勢力が激減すれば大助かりなんでしょうが、カソリックに長く対立してきたドイツと得体のしれないロシアだと「どっちが勝つかもわからないし、どっちかが勝ってより強力な勢力になったらもっとヤバい」という認識のほうが上だったのです。
アメリカ人であるフーバーはそういう歴史問題を知らないので割と簡単に「同士討ちさせとけばよかった」と言っちゃうわけですが、ヨーロッパ人だとそういう風には考えられなかったのだと思います。
No.3
- 回答日時:
> フーバーの見解は真っ当だと思いませんか?
フーバーの見解は真っ当だと思うような人は滅多にいないでしょう。
フーバーの慧眼、歴史の真実のように思う人は、変わり者です。
No.2
- 回答日時:
フーバーは、根っからの反共主義者で、自分の手で世界恐慌を復興できなかったこともあって、ドイツ経済を復興させたヒトラーを高く評価していた。
対戦序盤のヒトラーの快進撃をみて、ドイツの勝利を確実と判断してルーズベルトの英国支援を批判し、独ソ戦が始まってからも英米がスターリンと組むことにして、米国がソ連に途方もない軍事援助を開始したことを猛烈に批判した。
フーバー発言の隠された真意は、両者が共倒れになるかソ連が敗北し、どちらに転んでも共産主義が世界から消えることを願っていたということだろう。
それはそれとして、フーバーにとっては対岸の火事で、米国の自由を護ることが最優先という米国の伝統的なモンロー主義に代表される不干渉主義の人だった。
火事場だった欧州諸国は他人事ではなく、自国の存亡がダイレクトにかかっていたことから戦前から必死の外交戦を展開している。
独ソに挟まれたポーランドが一番必死で、中でも侵攻の意図を隠そうともしない独の脅威に対して英仏と同盟。
同じく独を脅威に思うソ連は、仏と組んで独との妥協点を模索したが失敗に終わると、今度は独と不可侵条約を働きかける一方で、英仏とも軍事協定を結ぼうとする。
独は独で、ソ連の脅威に対抗するために日独防共協定を結んだかと思えば、英仏の脅威に対抗するために、今度は敵であるはずのソ連も巻き込んで独伊日ソの4か国同盟を模索する始末だ。
紆余曲折を経て、不倶戴天の敵同士ということで衆目が一致していた独ソの「独ソ不可侵条約」で決着が付いたのが、第二次世界大戦開始のゴングとなった。正しく平沼内閣最後の声明となった「欧州の天地は複雑怪奇」の世界だ。
そして独軍の北欧・フランス制圧とバトル・オブ・ブリテンの失敗を経て、いよいよ独ソ戦の開始となる。
このときに米英はソ連と同盟し、ソ連の軍事力立て直しのために大々的な援助を始めることになる。
質問の主旨は、この時に米英は、ソ連を支援せずに独ソを勝手に戦わせておけば良かったのかどうか、ということですね。
当時は英とソ連に戦っていたわけではなく、外交ルートがあったこともありますが、一番の問題は英国自体も戦争で大きな被害を被っており、単独ではドイツに反撃する力がなかったことに加え、米国から大規模な軍事支援を受けていたとはいえ、米国自体は参戦していなかったことです。
おそらく、ドイツがソ連制圧に成功し、ソ連の石油とその他の地下資源を手に入れれば、中東の英国石油資源も脅威にさらされ、大英帝国もドイツに屈してしまう可能性は非常に大きかったでしょう。
であれば、チャーチルとしては、米国にソ連にも軍事支援を大々的に行ってもらい、独ソ両国に消耗してもらうしか手がない。
ルーズベルトも、世界恐慌の不景気から完全に脱するためには、できれば参戦して政府予算を大幅に増やしたい。参戦の方向に世論を動かす時間稼ぎをしたい。それにはソ連を支援して何とかドイツ軍を長い消耗戦に巻き込んで欲しい。
フーバーの言葉通りに進めば、米国にとっても理想だったかもしれませんが、現実にその道に進むことは、マイナス効果のほうが遥かに大きいように思われます。少なくとも、急場にいた米英の当時者たちにはそういう選択肢はなかったと思います。
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