
フランス大統領府が、中国を訪問して、航空機の160機の受注に合意したそうです。
一方、日本では、三菱重工が、国産ジェット旅客機の開発から撤退し、開発会社も清算するそうです。
※フランス、中国から航空機160機受注 首脳訪問中に合意
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR060CY0W3A …
※三菱重工、国産ジェット旅客機撤退へ 開発会社も清算
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC023ED0S3A …
※「日の丸ジェット」の夢破れ…これまで政府が投じた資金は? 事業撤退の影響は? 三菱重工はどうなる?
https://www.tokyo-np.co.jp/article/230088
そこで、お聞きしますが、フランスより、日本の方が技術大国と思われるのに、日本では、多額の税金を投入したのに、何故、国産ジェットの開発が出来ないのでしょうか?
また、今後とも、日本では、国産ジェット開発の見込が無いのでしょうか?
見込がないとすれば、何を解決すれば、日本でも、国産ジェット開発が可能になるのでしょうか?
A 回答 (9件)
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No.9
- 回答日時:
>何故、国産ジェットの開発が出来ないのでしょうか?
開発はできますし、製造技術も日本にはあります。
問題は開発力でも技術でもなく《耐空証明》という事務手続きの国際基準にあります。
>また、今後とも、日本では、国産ジェット開発の見込が無いのでしょうか?
「国際基準の問題」は今後の日本の国力に大きく関係しています。
飛行機に限らず、鉄道システム輸出も同じ、IT関係も同じ、自動車も同じです。
分かりやすい例でいえば自動車がまさにそれで、2035年には欧州や中国、アメリカなどでガソリン車やPHV車の販売が禁止される、という状態になっています(最新情報では緩和されるようです)
日本はEVシフトをしていませんが「外国の基準が日本外しになりえる」わけです。ほかにも国際入札で行われる高速鉄道や送電網・通信網などのインフラ工事はすべてISO基準に従って算定することになっています。
日本は重工業の技術はすでにISO準拠ですが、日本独自の技術発展だった新幹線システムはISOに準拠していませんでした。なので2010年ぐらいまで国債入札に参加するには欧米の鉄道システムに準拠して入札する必要があり、ということは欧米メーカーのシステムを購入して使う必要があったので、日本の強みが全くでなかったのです。
特に鉄道の場合、日本が参入できなかったのが信号や通信などの「安全技術」の部分で、欧州は地続きで元々違うシステムの国々がそれぞれ一緒に管理できる方法を作ったのがISOの元になっているため、非常に強みがあります。
航空機、特に民間航空機の「耐空証明」も同じで、世界で航空機を売るためにはアメリカか欧州の耐空証明を取らないと売れないのです。
日本を含めて世界中の国が「欧米の耐空証明があれば、自国の耐空証明を発行する」というやり方をしているからです。
逆にソ連邦や今の中国は、国土が広く自国製航空機を自国の中で耐空証明を発行し、世界に売れなくても自国内で安く作って使用できる(しかも外国から輸入したいということは、自国通貨が外国に出ていかない)ので、十分にメリットがあり、そうやって技術を高めているのですが、日本の国土面積ではそういうのはちょっと無理です。
YS-11の頃は、まだ日本は貿易赤字国だったので、他国に売れなくても国内での利用という需要で採算がとれましたし、当時の耐空証明は今ほど厳しくなかったので、アメリカの耐空証明を取って海外販売もしました。
>見込がないとすれば、何を解決すれば、日本でも、国産ジェット開発が可能になるのでしょうか?
開発力自体でいえば「日本は飛行機を作れる国」です。戦闘機も国産だし、特に練習ジェット戦闘機T-4はエンジンを含めて国産です。
他にも川崎がP-1という純国産機、C-2はエンジン以外純国際、新明和はUS-1など世界でも珍しい水陸両用機を作っています(現在両用機を作っているのはロシア・カナダ・日本だけです)
これらの国産機が普通に運用できている、場合によっては民間航空機よりも厳しい天候や操縦で運用できているのですから、日本に航空機開発力がないとか生産技術力がない、ということにはなりません。
問題なのは「販売力のある民間航空機を作り、コスト内で耐空証明を取得できること」なのです。
三菱が失敗したのはまさにこの点で、ボンバルディアを買収して技術習得も行いましたが、コストが掛かりすぎる、ということで断念しました。
他にも
・MRJが目指した90人乗りはアメリカのパイロット組合の規制(スコープ・クローズド)の緩和を目当てにしていて、これが緩和されなかったので、売り込める見込みが極端に減った
・コロナ禍で航空機需要が落ち込んで、MRJが新規参入できる市場拡大の見込みが不透明になった
・MRJがモタモタしている間に、競合他社が同じ程度の環境性能を持った機種を作って売り出した
などの理由があります。つまり「これ以上引き延ばして、耐空証明を取得できたとしても売れない」という判断です。
これら一連の流れの反省点として、航空機の専門家たちの評価としては「日本政府がもっと耐空証明などの審査能力を高めるべきだ」というのがあります。日本政府が審査して、欧米と同等の能力を持てば日本製を海外に売り込むことができるし、開発する最初から安全確認を織り込んだ設計ができるからです。
MRJが何度も延期になったのは、耐空証明を取る段階になって「安全管理上この設計では通らない」という問題が多発したからなのです。
中国はC919という国産飛行機を作り、中国政府が耐空証明を発行して今年から国内運行を始めます。
欧米の耐空証明を取るのは現時点では難しいでしょうが、今後10年ぐらいかけて事故を起こさなければ「中国政府の耐空証明は信頼できる」という証になります。
そういうことを日本政府がちゃんと対応していく必要があり、結局最初に書いた「事務手続きの国際基準」の問題なのです。
日本はこういう国際基準を作るのが下手で、今ある国際基準にねじ込むのも下手です。
それでも新幹線は「新幹線システム」というパッケージでISO基準を取得できたので、今は国際入札に参加でき、完全に日本仕様で売り込み事ができます。
値段の問題などはあるにしても、運行開始から運行管理の問題による死亡事故ゼロ、は大きな売りになります。
自衛隊で使っている航空機は問題なく飛んでいるのですから、民間旅客機を作っても普通に飛ぶでしょう。
後はそれを日本政府が耐空証明を出して、日本国内で飛ばし、欧米を説得する「日本の技術力を国際基準に育てること」が最も重要な要素です。
詳細なご意見を有難うございます。
国産ジェットを、商用化して飛ばそうとすれば、《耐空証明》が必要なのは、素人でも分る話であり、それを開発企業や役所が軽く考えていたとすれば、手続きも含めての商品開発なので、そもそも開発能力が欠けていたことになりますね。
技術があっても売れないと商売にならないので、日本の「ガラパゴス病」は、いつになったら治るのでしょうね。
※日本企業を蝕む「ガラパゴス病」にワクチンはあるのか
https://spydergrp.com/columns/globalmarketing/30 …
かって、世界一だった日本の半導体は凋落したように、日本の自動車産業も凋落しなければよいですがね。
No.8
- 回答日時:
>しかし、日本でも、過去に「ぜろせん」と呼ばれる優秀な「零式艦上戦闘機」があったし、
→零戦は巷では神格化されていますが、航空機の知識のある方の間では必ずしも優秀機とはされていません。部分的に優れていたところはあったよね、という評価が大半です。実際に無敵といわれた大戦初期の戦績でもアメリカの戦闘機とはほぼ互角であったことがわかっています。
>「中島飛行機」「富士重工」と言う、飛行機メーカがあったのに、いつのまに、ダメになったのでしょうね。
→富士重工の前身が中島飛行機です。ここをはじめ日本は戦後に航空機開発そのものを禁じられました。その空白期が航空機にとっての大きな技術革新時期であったわけです。エンジンはレシプロからターボプロップ、ジェットへ、機体設計では気密構造と超音速への適合形状など。この間に決定的な差がつきました。
航空機開発が解禁されてからも、様々な制約から海外輸出が度外視されていたため積極的な開発がすすみませんでした。販路が国内限定では民間の開発意欲はわきません。国も国策として航空機製造に本腰を入れませんでした。
ただ、富士重工は戦後航空機開発が許されてすぐに自衛隊のジェット練習機であるT-1を開発しています。非常に優れた機体でしたが、調達数が少なかったためにそこで終わりとなっています。技術自体はそれなりに高かったが、それを継続させる国家全体の意思に欠けたとうことでしょうか。
余談ですが、モリカケは別として日本学術会議が様々な邪魔をしていたこと自体は間違ってはいないと思います。
何度も有難うございます。
零戦は神格化されている面があったとしても、少なくとも「アメリカの戦闘機とはほぼ互角に戦った」時代があったので、その伝統が現在に継承されていないのは、残念ですね。
加えて、「中島飛行機」「富士重工」の技術について、戦後に空白期間があったうえ、その後も、国も国策として航空機製造に本腰を入れなかったこともあり、技術が衰退してしまったのは、更に、残念ですね。
飛行機の技術のみならず、防衛産業全般が衰退してしまったのは、日本の危機ですね。
それには、日本学術会議が加担していたのであれば、言語同断ですね。
※細る防衛産業、「継戦能力」に危機感 コスト管理・競争力に課題
https://www.asahi.com/articles/ASQB072HCQBMUTFK0 …
No.7
- 回答日時:
今さらですが、こと航空機に至ってはフランスの方が老舗です。
だいいち日本で初めてとんだ飛行機がフランス製のアンリ・ファルマン式ですよ。フランスは第一次大戦までは世界の第一線、第二次世界大戦でやや低迷しましたけれど、その後はずっと世界のトップクラスにいます。戦闘機なんかもずうっと国産で貫いてるし。ご意見有難うございます。
おっしゃるように「航空機に至ってはフランスの方が老舗」なのですね。
しかし、日本でも、過去に「ぜろせん」と呼ばれる優秀な「零式艦上戦闘機」があったし、「中島飛行機」「富士重工」と言う、飛行機メーカがあったのに、いつのまに、ダメになったのでしょうね。
※零式艦上戦闘機
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%B6%E5%BC%8F …
※中島飛行機株式会社その軌跡
https://www.ne.jp/asahi/airplane/museum/nakajima …
No.6
- 回答日時:
>フランスより、日本の方が技術大国と思われるのに、
航空機産業では圧倒的に日本の方が下です。
ちなみに今回、どんな機種がターゲットかは不明ですが、ATRであれば双発ターボプロップ機で、エアバスであればA220を含めMRJより上のモデルです。
>日本では、多額の税金を投入したのに、何故、国産ジェットの開発が出来ないのでしょうか?
ボンバルディアの妨害が巧みだった、ボーイングがB3MAXでやらかしたので基準が厳しくなった、コロナでこのクラスの機体の需要が丸ごと消滅した。
>今後とも、日本では、国産ジェット開発の見込が無いのでしょうか?
RJのサイズの市場は消滅しました。
RJの少し上のサイズの市場は活況ですが、既に供給過剰です。
RJの少し下のサイズの市場は需要がなく、幾つかの会社が撤退し倒産しました。
コミュータ機、プライベートJET機は一定の市場を維持しています。
つまり、ホンダJetしか日本は売るものがありません。
>見込がないとすれば、何を解決すれば、日本でも、国産ジェット開発が可能になるのでしょうか?
見込みがないのは需要であって、需要があるものを作れるかどうかが鍵です。のれん(信用)がないのですから、他ライバル機よりも格段に安く開発し、格段に安く売る必要があります。販社マージン、既存機種の下取り、延べ払い、そんなところも吸収できる資本力も必要です。無茶ですが、そもそも無理です。
ご意見有難うございます。
おっしゃるように、「需要が無い」のであれば、無茶な話ですね。
ただ、将来的にも、日本が航空産業に進出できないのであれば、寂しいですね。
No.5
- 回答日時:
>お聞きしますが、フランスより、日本の方が技術大国と思われるのに
自動車だけです
家電やパソコン、携帯端末など全く売れていません
政治主導という名の下に関与しすぎなのです
モリカケ問題や学術会議など政治が教育に口出しすぎた
原資は税金だから金も出すが口も出す
これでは良い科学者も技術者も育ちません
技術大国など30年前に返上しました
これからはノーベル賞などの受賞もなくなると思います
ご意見有難うございます。
おっしゃるように「家電やパソコン、携帯端末など全く売れていない」のは、日本の経営者が無能であった(ガラパゴス化した)からでしょう。
「モリカケ問題や学術会議など政治が教育に口出しすぎた」の指摘は違うのではないでしょうか。むしろ政治家が既得権益を打破しようとして口出ししたのが、混乱の発端だったのではないでしょうか。
「技術大国など30年前に返上しました。これからはノーベル賞などの受賞もなくなる」との指摘は、当たっているように思いますが、政治家が口出しをしないだけでは、解決しない問題のような気がします。
No.4
- 回答日時:
中国がエアバス社から購入したのは政治絡みで米国を
利する事はしません。
フランスも米国とは良い関係ではなく両国の利益が
一致したからです。
三菱ジェットも米国にイチャモンをつけられた事が
最大の原因、これも政治絡みです。
しかし国産ロケットの打ち上げ失敗が続く様に日本の
技術も以前程でなく成りつつあるのは事実です。
また米国は日本の自動車産業を潰しにかかっています。
半導体産業が先細ったのも米国の仕業です。
優秀な技術者は韓国や中国他にスカウトされているので
国内の技術力は年々低下しています。これは政治が
絡んでいるので素人集団の国会(政府)が変わらない
限り望みはありません。
ご意見有難うございます。
「三菱ジェットも米国にイチャモンをつけられた事が最大の原因、これも政治絡み」は、本当でしょうかね。本当であれば、日本はアメリカへの対応を考えねばなりませんね。
また、「優秀な技術者は韓国や中国他にスカウトされているので国内の技術力は年々低下している」のが、実態であれば、根本的に対策を講じないと、日本は大変なことになりますね。
No.2
- 回答日時:
「型式認定」を受けなければ海外に売ることはできません。
日本国内だけで使用するのであれば不要ですが。
この型式認定を受けるに当たってのノウハウが日本にはないのです。
三菱のジェットも当初から言われていましたが、これといった対策を講じることもしなかったため、結局何度もダメで、ついにギブアップしたのです。
国も税金を投入しただけで、三菱に丸投げだったのです。
ちなみに、ホンダのジェットがありますが、これはアメリカと提携した企業なので、すんなりと型式認定は取れています。
作る技術はあってもダメという典型ですね。
まあ、YS−11も国の営業力がお粗末だったため少し売れただけで終わってしまいましたからね。
根本的に考え方を変えないとダメですね。
メーカーだけでもダメだし、国が絡むとダメなのですから。
ご意見有難うございます。
元々、「型式認定」を受けることが無理だったのですね。
そんなことは、開発の当初から、メーカーも国も、分らなかったのでしょうかね。
No.1
- 回答日時:
フランスの戦闘機ミラージュは、601機が生産され、フランスの他に8か国で採用されています。
また、超音速旅客機コンコルドは、フランスとイギリスで共同開発されました。軍用機/戦闘機/旅客機でもフランスの方が日本より上手です。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A9 …
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3 …
ご意見有難うございます。
おっしゃるように、そもそも「軍用機/戦闘機/旅客機でもフランスの方が日本より上手」なのですね。
そうであれば、元々、無理な企画なのですね。
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