
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
>考慮する必要はあるのでしょうか?
犯罪が成立するとは何かということを漠然と考えて個別例のみでの是非を問う人は多いですが、体系的な法律論の中では、犯罪とは「犯罪を構成する構成要件に該当する、(構成要件該当性)、違法性、有責性を伴う行為」とされます。この3つがなければ法律上裁くことはできません。
ここで違法性とは、結果責任と社会的な法律を逸脱する社会規範に反する行為への非難可能性の二つの観点があるとされます。前者は結果のみに重点をおく考えですが、未遂罪や非親告罪が裁かれるのは社会規範に逸脱した悪質とされる行為の中で、法律の要件(構成要件)を満たす行為を行うことそのものに対する社会的な非難の可能性があるという点で違法だと言います。
あなたの主張は、「被害者死亡」という結果価値の責任を前提にしたものですが、被害者が死亡したら機械的に死刑という極刑にしなければいけないという正当性がそもそもありません。例えば似たようなもので、「尊属殺人は死刑または無期」という条文がありましたが、最高裁判例で、「尊属に対する殺人をそれ以外とひかくして加重して刑罰を求める趣旨には一定の理解を示した一方で、それを無期または死刑のみとするのは不当に重くて違憲」ととなりました。つまり、交通事故という結果そのものを機械的に処理するのではなくて、その事実を元に加害者と被害者の落ち度も考慮要素に入れた上で罪を判断することは、裁判の本来の趣旨そのもので、量刑を決める範囲のものだということです。
>考慮する必要はあるのでしょうか?
被害者に過失がなくても、加害者にも事情があることはあります。例えば、玉突き事故であっても、条件を満たせば過失のない人の死亡事故に発生し、玉突きの被害者が同時に加害者として裁かれることだってあります。そうした問題は、一般的に「法的責任の問題」としますが責任(有責性)が阻却されればその行為による罪は、法律上無罪になります。法律上責任とは、避けようとすれば避けられたのにそれを避ける努力をしなかった、またはそれをわかって危険性のある結果を生んだことに対する社会規範を逸脱した行為への非難可能性、と言われます。逆に言うと、そもそも加害者の犯罪となる行為によって結果が生じてもその被害を生むことに対する回避可能性すらなかったなら、それを咎めようがないわけその結果責任がないものとして無罪となります。
仮に条文で「交通事故により相手が死亡した場合、相手に過失がなければ加害者は死刑」という条文があったとしても、死刑という刑罰の重さから、その事故の被害者の無過失認定や、責任の有無などの個々の要件が社会相当性のある範囲まで厳しくなって、かって微妙なケースで無罪が増えるだけのことです。前の例での尊属殺人のケースでも、小さい頃から養父から様々な暴力を振るわれてきて育ってきた子が暴力から逃れるために養父を殺したというケースでした。
世の中には、人の人生だけいろいろな状況によって道を踏み外したり事件があるわけです。その全ての状況に対して一つ一つの状況を踏まえて社会相当に悪質だと思ったものに重い罪を、そうでないものに情状酌量した上での妥当な罪を言い渡すのが裁判ですから一方的に死刑などと簡単に決めつけられるものでもないのです。「死亡事故に対しての罪刑が軽すぎる」という主張は一理あるのでしょうが、「死刑」っていう言葉を国家が裁く厳格な手続きの中での最重刑罰として、安易かつ、軽率に使いすぎる人が多くて、真面目に議論してはむしろ現場が混乱するだけの話です。
No.4
- 回答日時:
>考慮する必要はあるのでしょうか?
加害者の過失度合いにもよるよね
酒や薬物で危険運転で死亡事故 こんなのは死刑だと思う。
仕事の過労で居眠りで死亡事故 保険で遺族に賠償とは 少し違うと思う。
No.3
- 回答日時:
故意か過失かでも話は違いますし、個別の判断ですね。
中には死刑にすべき人もいますし、それは避けられないって場合もあるし。
個人的には、飲酒運転による死亡事故は故意犯と見做していいと思います。
No.2
- 回答日時:
>考慮する必要はあるのでしょうか?
考慮する必要があるかどうかですか。
その場合自分が加害者になってみるとわかりやすいかも。
君がチャリ乗っててバーさんとぶつかってしまって、結果バーさんが死にました。君は殺意は無かったとしても過失致死で捕まります。
しかし、考慮する必要のない世界だった場合、君は問答無用で死刑になります。
その時君はどう考えるのか、それが答えになるかと。
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