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内部資料の最終締貸借対照表では負債の部に含まれていた貸倒引当金が決算書では短期額は流動資産のマイナス・長期額は投資その他の資産のマイナスになるのはなぜですか?
ご回答お待ちしています。

A 回答 (3件)

こんばんは。



貸倒引当金は「引当金」という名称はついていますが、他の引当金と異なり、
負債ではなく「債権の回収不能見込額」を示すものです。
貸倒引当金の計上仕訳は【(借)貸倒引当金繰入 (貸)貸倒引当金】となるため、
試算表等においては負債と同列(貸方)に記載されますが、最終の貸借対照表に
おいては資産の部の「各債権から控除する形式で表示」、「流動資産・固定資産
ごとに一括して控除する形式で表示」、「各債権から直接控除(債権は貸倒引当金
控除後の金額)して注記で表示」のいずれかの方法で表示することとされています。
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#1の者です。

#1で書いた方法を採る根拠条文を書いておきます。

外部報告用の決算書の表示形式に係る法令には次のように規定されています。

○商法施行規則
第56条(取立不能の見込額)
1 ・・・流動資産の部に記載した金銭債権について取立不能のおそれがある
 場合には、その金銭債権が属する科目ごとに、取立不能の見込額を控除する
 形式で記載しなければならない。ただし、取立不能の見込額を控除した残額
 のみを記載することを妨げない。
2 前項ただし書の場合においては、取立不能の見込額を注記しなければならない。
3 取立不能の見込額は、二以上の科目について一括して記載することを妨げない。

第70条(長期金銭債権)
1 ・・・流動資産の部に記載した金銭債権以外の金銭債権は、投資その他の資産
 の部に記載しなければならない。
2 ・・・第56条の規定は、前項の金銭債権について準用する。


○財務諸表等規則
第20条(流動資産に係る引当金の表示)
 流動資産に属する資産に係る引当金は、当該各資産科目に対する控除科目として、
当該各資産科目別に貸倒引当金その他当該引当金の設定目的を示す名称を付した
科目をもつて掲記しなければならない。ただし、次の各号に掲げる方法によること
を妨げない。
一 当該引当金を、当該各資産科目に対する控除科目として一括して掲記する方法
二 当該引当金を当該各資産の金額から直接控除し、その控除残高を当該各資産の
 金額として表示する方法
2 前項第2号の場合において、当該引当金は当該各資産科目別に又は一括して
 注記しなければならない。

第34条(投資その他の資産に係る引当金の表示)
 第20条の規定は、投資その他の資産に属する資産に係る引当金について準用する。


試算表や企業内貸借対照表は内部資料ですから、借方残のものは「借方」に、
貸方残のものは「貸方」に記載して良いのですが、外部報告用の貸借対照表
では上記各規定に従って、貸倒引当金については「控除する形式」又は
「直接控除注記形式」で表示しなければならないということになります。
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完璧な回答は、NO.1さんのおっしゃるとおりです。



もう少し噛み砕いて考えると、「資産の水ぶくれ」を防ぐ意味合いがあるものと考えられます。
BS表示にあたっては、株主に会社の適正な資産・負債・資本を認識してもらう必要がありますが、
例えば、両パターンでのBS表示を検証すると、
【不良債権が100あるBS表示】(資本の部は考慮しない)
 1.両建てする場合

    破産更生債権等(固定資産)100      貸倒引当金(固定負債)100
    -----------------------------      -------------------------
         資産合計    100         負債合計    100
 
 2.マイナス表示する場合

    破産更生債権等(固定資産) 100
    貸倒引当金  (固定資産)△100
    -------------------------------     --------------------------
         資産合計      0        負債合計     0

となります。
そもそも、貸倒引当金を計上するということは、回収が見込めないと予見されている場合ですから、
資産価値が無いとも言えます。しかし、「1」のように表示すると、あたかも「100」の資産がある
ように見えます。
ですから、資産価値が無いという表示をするためにマイナス表示をして、適正な資産反映をしている
と考えても良いと思います。
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