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農地を利用調整によりAさんからBさんに売買することになりました。
農業経営基盤強化促進法第18条の規定により農用地利用集積計画(所有権移転)の決定を受け広告されましたが、計画書に記載されている「対価の支払期限」までにBさんはAさんに代金を支払うことができませんでした。
農用地利用集積計画書の共通事項の中に「対価の支払い期限までに対価の全部の支払いがなされなかったときは、当該土地の所有権に係る農用地利用集積計画に基づく法律関係は失効する。」とあります。
そこで、すでに代金を支払っている場合、さらに所有権移転の登記を済ませている場合でも失効することになるのでしょうか。
また、失効しない方法があれば教えてください。
ちなみに、当方は農業委員会の職員です。

A 回答 (2件)

 結論的には、そもそも農用地利用集積計画は失効しないと考えます。



1 失効の対象となる法律関係
 ご質問の「対価の支払い期限までに……」という条項(以下「本件失権条項」といいます。)は、農業経営基盤強化促進法(以下「本法」といいます。)18条2項6号、同法施行規則17条が農用地利用集積計画で定めることとしている、「利用権の設定等に係る法律関係に関する事項」の一つとして置かれた規定であり、本件失権条項が「失効する」旨定めている「法律関係」とは、農用地利用集積計画そのものではなく、本法18条2項1ないし3号、5号に基づく「利用権の設定等」のことだと考えます。

 その理由は、以下の2点です。
・ 本件失権条項が「……計画に基づく法律関係」と規定しており、「……計画」とは規定していない。
・ 仮に農用地利用集積計画そのものが失効すると解釈すれば、利用権の設定等の当事者が複数あった場合、その内の一部の当事者が代金の支払を遅滞したという偶然の事情により、その余の当事者間の利用権の設定等も無効になってしまい、法的安定性を著しく害する。

2 対価支払遅滞への対応
 拝察するに、girouさんのご質問の背景には、「1のように解しても、今回の農用地利用集積計画において利用権の設定等の当事者がAさんとBさんのみであれば、計画の中核である利用権の設定等が失効してしまい、計画そのものが失効したのと変わらないのではないか」という問題意識がおありかと思います。
 しかし、同意市町村は、農業委員会の要請(本法13条4項、18条4項)に基づいて、対価の支払期限を変更することができると考えます。
 というのも、このような計画の一部変更が許されないと解釈しても、代金の支払期限以外は同じ内容の計画をもう一度定めれば済むわけですが、本法がこのように迂遠な方法を要求しているとは考えられないからです。

 もっとも、利用権の設定等を受ける者がどうしても対価の支払をしない場合にどのように対処するか(支払期限の変更を繰り返さなければならないのか)、という問題は残りますが、この場合は、結局、利用権の設定等を受ける者が、事後的に「農用地……のすべてについて耕作又は養畜の事業を行うと認められ」(本法18条3項2号イ)なくなったわけですから、計画の公告(本法19条、20条。講学上の「行政処分」にあたると考えます。)を撤回すればよいことになります。

 以上「自信あり」とはしましたが、条文を読んだだけですので、あくまで私見です。疑義を避けるためには、主務省のの農政局長に対して照会をかけるのがもっとも確実だと思います。
 何かのご参考になれば幸いです。
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この回答へのお礼

大変参考になりました。
法的にどかということが最も心配なので、たすかります。
ありがとうございました。

お礼日時:2001/10/19 07:47

今回のご質問の内容は「例外的」な部分と思われます。

つまり、代金を支払わない場合には「・・・失効する」が、支払いがあり所有権移転登記も完了していても「・・・失効する」場合は、どのようなことがあるか? と云うことと思います。
法律は、全てがそうですが、原則があり例外があるものです。しかし、その例外はかならずしもその法律内に限らず、他の法律や政令や省令、ときには都道府県条例など、また、通達や判例に定められています。girouさんは農業委員会の職員なのですから「農業六法」のような、それに関する法令全集があると思います。それを詳細に調べればわかると思います。私の手元には標準六法などしかありませんから詳細にはわかりませんでした。
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この回答へのお礼

ご回答いただきまして、ありがとうございました。

お礼日時:2001/10/19 07:49

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