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親戚の者が悩んでおりますので、お聞きしたいのですが、兄から妹に借地権を譲渡したい場合、どのような手続きが必要なのでしょうか。
以下に詳細を述べさせて頂きますので、御教授下さい。
*その土地は、地主の方から信用借りで、親が50年以上借りていた。
*親が亡くなり、借地権と建物(親が建てた物)を兄が相続した。
→この間書類は交わされていない。
*兄は、必要が無くなったので、借地権と建物を妹に譲りたい。
*建物の査定は0で、妹は譲られた後、建物は処分する。
*兄に妻、子供は居らず、相続人は妹のみ。
以上です。
建物は処分するのですから、借地権のみの譲渡になりますよね?借地権のみでも、贈与になり、税金が発生するのでしょうか?
地主の方と、書類は交わされていないので、報告、手続きはどうすればよいのでしょうか。
妹が一番心配しているのは「地主の方に幾らか支払うべきなのか」ということなのですが、こちらのカテゴリーを閲覧したところ、それは必要がなさそうなのですが、私の認識に間違いはありませんでしょうか?
初めて質問いたしますので、要領を得なくて文も長くなり、申し訳ないのですが、宜しくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
すいません・・・
文がしっくりいかないので、書き直しますね。
#1は無視してくださいね。
(以下本文)
あなたの借地権が「(土地に地上権設定登記のある)地上権」で、かつ「その地上権の存続期間内」であれば、地主の承諾も必要なく妹さんに譲渡できますし、建物を壊し再建しても地上権の存続期間内は保護されますので、以下のことは無視してください(民法265条ないし269条の2)。
以下、旧借地法上の借地権(建物所有目的での土地賃貸借・土地に地上権設定登記のない地上権)の問題として説明いたします。
条文は下記リンクを参考にしてください。
http://www.houko.com/00/01/T10/049.HTM
>地主の方から信用借りで借りていた。
「信用借り」の意味が良くわからないのですが、この土地の貸借は、次のどれかで結論が大きく変わります。
◎使用貸借契約による場合
⇒旧借地法・現行の借地借家法の保護は一切受けられません。現在の地主さんとご相談ください。場合によっては、新たに賃貸借契約を結んでくれるかもしれませんが、それは地主さん次第です。
◎建物所有目的の賃貸借契約・地上権設定契約による場合(契約書面はあってもなくても同様ですが、契約のあること、その内容をあなた側が立証しなければならなくなる可能性があります)
⇒次へ(旧借地法1条)
>親が50年以上借りていた。
>親が亡くなり、借地権と建物(親が建てた物)を兄が相続した。
◎借地期間は旧借地法2条をご覧ください。
◎期間が満了しても、借地権は更新が可能ですし、余程のことがない限り法定更新されます(同法4条、6条)。
>妹は譲られた後
◎相続による包括承継ではないため(相続手続きが終結した後の譲渡のため)、相続人であったものの相互間であっても、譲渡には地主の承諾(またはこれに代わる裁判)が必要になる場合があります(土地賃貸借につき民法612条・借地法9条ノ4、借地上建物の譲渡につき借地法9条ノ2)。
>『建物は処分する』。
ここで問題が生じます。旧借地法上の借地権は、原則として「建物カ・・・期間満了前朽廃シタルトキハ借地権ハ之ニ因リテ消滅」します(同法2条1項但書、2条2項但書)。現代語訳すると、「建物がその効用をなさなくなったときに借地権は消滅する」ということになります。なお、更新された借地権についても同法5条1項後段、6条1項後段により、2条1項但書が準用されますので、同様のことがおこります。
なにやら難しい言葉ばかりで申し訳ないのですが、上の文章で留意していただきたいのは一点、『建物取り壊し時点で借地権が消滅する』ということです。例外的に、「借地権の存続期間中かつ建物の朽廃(滅失)前に、地主に対して建物の建て替えを通知し、地主が遅滞なく異議を述べなかった場合」には旧借地法7条により「堅固建物については30年間、その他の建物については20年間」借地権が存続します。
>建物は処分するのですから、借地権のみの譲渡になりますよね?
いえ、質問者さまの文を読む限り、法律上は「借地権つき建物」の譲渡になります(取り壊し時の建物所有者は「妹さん」なので・・・)。あくまで形式的な話ですが、ここが法律論では重要です。今まで進めてきたお話の場合、借地権は「現在ある建物を所有する目的」で成立しているため「建物の従たる権利」になります・・・だから、主たる物である建物が無くなれば、それに基づいて存立する「借地権」もなくなってしまうのです・・・
こんなに早く、しかも丁寧に答えて頂き感激しています。親戚の者も解決し喜んでおりました。
(建物は壊さないで、置いておくそうです。)
本当にありがとうございました!
No.3
- 回答日時:
※借地については、事実関係が異なれば結論が正反対になることもあるので、以下の回答はひとつの参考意見として読んで下さい。
1.ご質問文に「地主の方から信用借りで、親が50年以上借りていた。」と書かれていましたが、この「信用借りで」という契約が、地代を支払わない使用貸借契約の場合、借地人が死亡すると同時に使用貸借契約も終了します(民法599条)。
使用貸借契約による借地の権利を「使用借権」といいますが、使用借権は相続されません。
この場合には、借地法(平成4年以降の契約なら借地借家法)で保護される「借地権」はない、という結論になります。
ですから、地主が建物を撤去して更地にして返還せよと言われたら、建物の相続人は建物を撤去する必要があります(民法598条)。
ただし、これは法律の規定であり、地主が建物の相続人に対し引き続き土地を借りていて良いと言っているのなら、無理に建物を撤去する必要もありません。
2.ご質問文には「借地権と建物(親が建てた物)を兄が相続した」と書かれていますが、建物の所有権移転登記は既に兄名で行われているのでしょうか。
もし、建物の所有権登記がまだ父名のままでしたら、父から妹に相続したということにすれば、不動産取得税は不要ですし、登記に伴う登録免許税も軽減されます(どちらも相続を原因とするとき)。
しかし、既に建物登記が兄名であれば、兄から妹への建物の譲渡ということになり、不動産取得税、登録免許税の納税が必要です(登録免許税は相続に比べ高い)。
「建物の査定は0で」と書かれていますが、税金の計算で用いるのは、市町村の固定資産税評価額です。築50年であっても評価額がゼロということは考えられないので、建物を兄から妹に譲渡(売買)した場合、兄には建物の譲渡所得税が課税される可能性があります。
逆に、無償で建物を贈与すれば、妹に贈与税が課税される可能性があります(年間110万円までは非課税だが…)。
また、借地法で保護される借地権が存在する場合には、「借地権」の譲渡についても兄には借地権の譲渡所得税が課税される可能性があります。税務当局が認定する借地権価格は結構高いので(更地価格の60%相当のことが多い)、注意が必要です。
3.相続の場合には、借地権の相続は当然行われるので、借地権譲渡に伴う承諾料は不要ですが、使用借権であれば、新たに借地契約を結び直す必要があると思います。
また、兄が相続した建物を妹に譲渡するというのであれば、借地権の譲渡には、地主の承諾が必要です(地主にいっさい知らせていないのであれば、妹が建物を相続したというストーリーのほうが相続を原因とできるので、筋道は立てやすい)。
相続以外で地主の承諾なしに借地権を譲渡した場合(=建物の譲渡は借地権の譲渡とみなされる)、契約違反として地主から契約を解除される危険性があります。
ただし、地主が借地権譲渡の承諾をしてくれない場合には、地主に代わって、裁判所が借地権譲渡の許可をしてくれます(裁判を起こす必要あり)。
裁判で、借地権譲渡の承諾料や新地代が決められますが、一般に承諾料は、借地権価格の10%相当だと言われています。年額地代は、一般に固定資産税等の年額の2~4倍程度のことが多いようです。
借地権譲渡の承諾料については、当事者間で絶対に支払わなければならないというものではなく、地主が請求してきたら支払いの有無やその金額を含めて交渉したらいいと思います。なお、裁判になれば、承諾料を支払うよう求める判決が出る可能性があります。
なお、No.2の回答者さんが詳細にのべられているように、借地が「地上権」に基づくものであれば(土地登記簿で確認できます)、結論は上記と変わってきます。
また、No.2の回答者さんがご心配されているように、借地が「地上権」でない場合、建物がなければ借地権を主張することは相当困難です(“相当”というのは99%無理というニュアンスです)。
No.1
- 回答日時:
こんばんは。
あなたの借地権が「(地上権設定登記のある)地上権」で、かつ「その地上権の存続期間内」であれば、地主の承諾も必要なく妹さんに譲渡できますし、建物を壊し再建しても地上権の存続期間内は保護されますので、以下のことは無視してください(民法265条ないし269条の2)。
以下、旧借地法上の借地権の問題として説明いたします。
条文は下記リンクを参考にしてください。
http://www.houko.com/00/01/T10/049.HTM
>地主の方から信用借りで借りていた。
「信用借り」の意味が良くわからないのですが、この土地の貸借は、次のどれかで結論が大きく変わります。
◎使用貸借契約による場合
⇒旧借地法・現行の借地借家法の保護は一切受けられません。現在の地主さんとご相談ください。場合によっては、新たに賃貸借契約を結んでくれるかもしれませんが、それは地主さん次第です。
◎建物所有目的の賃貸借契約・地上権設定契約による場合(契約書面はあってもなくても同様ですが、契約のあること、その内容をあなた側が立証しなければならなくなる可能性があります)
⇒次へ(旧借地法1条)
>親が50年以上借りていた。
>親が亡くなり、借地権と建物(親が建てた物)を兄が相続した。
◎借地期間は旧借地法2条をご覧ください。
◎期間が満了しても、借地権は更新が可能ですし、余程のことがない限り法定更新されます(同法4条、6条)。
ここで問題が生じます。旧借地法上の借地権は、原則として「建物カ・・・期間満了前朽廃シタルトキハ借地権ハ之ニ因リテ消滅ス」るのです(同法2条1項但書、2条2項但書)。現代語訳すると、「建物がその効用をなさなくなったときに借地権は消滅する」ということになります。更新された借地権についても同法5条1項後段、6条1項後段により、2条1項但書が準用されますので、同様のことがおこります。
>妹は譲られた後
◎相続による包括承継ではないため(相続手続きが終結した後の譲渡のため)、相続人であったものの相互間であっても、譲渡には地主の承諾(またはこれに代わる裁判)が必要になると思われます(借地権につき民法612条・借地法9条ノ4、借地上建物の譲渡につき借地法9条ノ2)。
>『建物は処分する』。
上の説明をご覧いただければと思いますが、借地権はこの時点で消滅します。例外的に、「借地権の存続期間中かつ建物の朽廃(滅失)前に、地主に対して建物の建て替えを通知し、地主が遅滞なく異議を述べなかった場合」には旧借地法7条により「堅固建物については30年間、その他の建物については20年間」借地権が存続します。
>建物は処分するのですから、借地権のみの譲渡になりますよね?
質問者さまの文を読む限り、法律上は建物付き借地権の譲渡になります(取り壊し時の建物所有者は「妹さん」なので・・・)。
ただし、土地の権利は残しておきたい、というのであれば、「非常に高い壁」があります。それは、「建物取り壊しによる借地権の消滅」です。「建物朽廃(滅失)」は旧借地法上の借地権にとって致命的な「死刑宣告」なのです。これは、譲渡前に建物が滅失した場合でも、譲渡後に滅失した場合でも同様です。
これを超えるには、さきほどの「例外」を使うか、地主さんと「新建物を目的とする新たな借地契約」を締結するしかないのです・・・
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