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金本位制どの弱点、難点というのはあるのでしょうか?
金本位制度についてある程度は調べましたが、おそらく金本位制度自体がある程度の難点を持っているために現在ではその制度が採用されていないと考えられます。
どのような難点がありますか、あるいはありましたか?
詳しい方お願いします。

A 回答 (3件)

こんにちは。

商品先物会社で貴金属市場に従事していた者です。一応専門家のところに押しましたが…参考になるかどうか。
わかりやすく説明すると、金本位制度は欧米で古くから貨幣経済を支えてきましたが、1929年ごろからのNYの株価大暴落に端を発した世界恐慌の折で、金を通貨に交換する銀行家や一般投資家が跡を絶たなかったと聞いています。
金でお腹いっぱいにはなりませんからね。
市場というものは、モノがあまれば値段が下がるというのはおわかりだと思いますが、不況で通貨の価値も下がり,さらに金の価値も下がる。これでは国家の財産としての価値に疑問が出てくるわけです。
金本位の中心国は、南アを植民地にしていた英国でしたが、その英国がスターリング・ブロック(英国の植民地を中心とした閉鎖的経済圏ですね)をいち早く形成し、通貨の安定を図ったことも背景にあるようです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2001/12/03 17:03

金本位制の問題点は「金の量」に限りがあるということです。



金本位制とは単純に言うと、自国通貨の一定額に対して、一定量の金との交換を認める通貨制度ですがこの場合通貨の発行量は自国の保有する金量によって制限されます。現在、人類が掘り出した金の総量は約12万1500トンで時価総額はおよそ130兆円です。

つまり、現在、世界自由にある金をすべて独占して通貨を発行したとしても130兆円分しか発行できません。(実際には人々がその国の政府や経済力を信用していれば、その何倍かの通貨を発行することは可能ですが、多量の金交換を申し込まれると破綻します。)

これでは現在、日本人の持つ総資産1200兆円の約1割にしかなりません。では、金の値段を今の10倍いや100倍にすれば良いかと思いますが、それは通貨価値の下落を招くだけのことで実質的には意味がありません。

結局、世界経済の発展の中で金を通貨の基礎とするには経済規模が大きくなりすぎたわけです。そこで、通貨とは一種の信用ですから各国政府は全体としての自国の通貨量を管理しながら信用を維持しているのです。
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この回答へのお礼

具体的数値で説明して頂きとても分かりやすかったです。
これで私も他の人にも説明できるようになったようにお思います。
ありがとうございます。

お礼日時:2001/12/03 17:04

既にご存知と思いますが、基本的なところから始めると、「通貨が予め定められた比率で金と交換できる」、「通貨発行量は、中央銀行が保有する金(厳密には金本位制を取っている外国の通貨も)によって決定される」というのが金本位制度です。

世界各国が金本位制度を採っていると、為替市場が変動相場制をとっていても、金との交換比率から計算される為替レートから大きくずれる事はありません。ずれると、金での決済の方が有利になるからです。
例えば、1円は0.75グラムの金、1ドルは1.5グラムの金、という交換比率が日米の中央銀行によって決められていたとします。この場合、為替レートは1ドル=2円から大きくずれる事はありません。日本人にとって、2.2円を払って1ドルを買うぐらいなら、2円を日銀に持ち込んで1.5グラムの金に変え、それをアメリカに送って1ドルの代わりにした方が言いからです。(だから、1ドル=2円とのずれは、金の現物の輸送費や保険料から決まります。)
さて、何らかの理由で日本が大幅な貿易収支の赤字=輸出<輸入=になったとします。
現在のような変動相場制では、円安になる事で、日本での輸入品の競争力が低下し、日本からの輸出品の競争力が増す事で、貿易収支を均衡に向かわせるような力が働きます。
しかし、金本位制では、為替は事実上固定されているので、そういう力は働きません。どうやって均衡されるかというと、貿易収支の赤字→金(あるいは外国の通貨)の国外流出→日銀の金保有の減少→通貨発行量の減少→デフレ&景気の悪化→輸出競争力の回復&輸入の減少、という経緯をとる事になります。(わりと大雑把な議論ですから、細かい所は無視してます。)
貿易収支の黒字の場合は、逆に国内インフレ&景気の過熱の結果、収支均衡に向かう力が働きます。

つまり、同じように、調整機能はビルトインされていますが、現在の変動相場制&管理通貨制度に比べて、金本位制&事実上の固定相場制では、「インフレ&景気過熱orデフレ&景気の悪化」という痛みを必ず伴う、と言うところが違いであり、最大の難点です。金本位制だと、例えばアメリカで景気が悪くなると、それは、他の国でのアメリカ向け輸出の減少→金保有の減少→通貨供給量の減少→デフレ&景気の化、という形で、他の国に伝わってしまいます。「アメリカが不景気になると、皆が不景気にならざるをえない」のは、金本位制の必然なのです。
他国の影響を、完全には無理だとしても、できるだけ回避して、自律的に回復しようとしたのが、1929年のアメリカ発の大恐慌の後(1931年)の各国の金本位制からの離脱、と理解しています。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
とても説得的で勉強になります。

お礼日時:2001/12/03 17:12

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