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昔からずーっと疑問に思っていたことです。
貨幣価値、どういう仕組みで決まっていくのでしょうか。

例えば日本とフィリピンのお金で考えてみます。
交換レートが仮に、日本円4円=フィリピン1ペソ とします。
そうすると1万円で2,500ペソになりますね。
で、分からないのがここからなんですが
フィリピンの首都圏のサラリーマンは日本円で平均月収約5万円程度らしいですが(これはかなり良いほう)
平均的な日本人の年収からすると、フィリピンに行けば相当な金持ちになる、という構図になりますよね。
双方の平均月収で考えたら、例えば40万円=12,500ペソ(5×2,500)という貨幣交換レートにはならないんでしょうか。

日本円とアジア通貨ではどうしてこう通貨力って言うんでしょうか、価値が異なるのでしょうか。

A 回答 (5件)

・通貨の基礎知識


通貨の価値を上げるには、1にも2にも自国の経済力を高めるしかないのです。
途上国は、通貨の価値が低いから貧しいのではなく、経済力が低いから貧しいから通貨の価値が低いのです。

通貨量というのは経済力つまりにモノを作る力に規定されます。
つまり、市場に出回るモノの価値=市場に出回る総通貨量の価値、となるわけです。
例えば、市場に出回るモノが100だとしたら、出回る通貨の価値は100です。額面の単位が貨幣が100万だったら、モノ1=通貨1万になるわけです。ですから、紙幣を増刷して額面上の額を10倍の1000万にしてもモノ1=通貨10万になるだけです。

それ以上作ろうとすると、貨幣の価値がどんどん低くなるだけです。
貨幣の量を10倍にしても、貨幣の価値が1/10になるだけです。
逆に貨幣の価値を10倍にするには、貨幣の額面を1/10になければいけません。
つまり給料も1/10になるということです。

ですから、通貨の価値を10倍に高めようと思ったら経済力を10倍にしなければいけません。
そうするとモノの量が1000になるわけですから、通貨の価値も10倍になります。

・通貨の価値の決まり方詳細
さて通貨の価値がどうやって決まっているかというと『需要と供給』で決まります。
人間社会の万物のありとあらゆるモノの価値は市場による『需要と供給』で決まっています。
需要が多ければ価値は上がり、少なければ価値は下がります。
逆に供給が多ければ価値は下がり、少なければ価値は上がります。
その国の政府がコントロールできるのは供給だけです。
したがって供給を減らせば、価値は上がります。しかし通貨の量自体も減るので給料も減ります。結局変わりません。
逆に供給を増やせば、通貨の量は増えます。したがって、給料も上がります、しかし通貨の価値(買えるモノの量)は下がるので結局変わりません。

通貨の需要はそれを欲しがる人がどれだけ居るのかで決まります。
途上国の通貨を欲しがる人は少ないです。
何故なら途上国は経済力が低いのでモノを作るの力が弱いからです。
通貨とはモノを買うときに必要なモノです。つまり途上国の商品を買うときに使うわけです。しかし、商品の生産量自体が少ないので、途上国の商品を欲しがる人は少数派です。
対して、先進国の通貨を欲しがる人は沢山います。何故なら先進国の商品は質も量も高いので欲しがる人が沢山居るからです。
したがって、途上国の通貨は需要が低いので価値が低く。
先進国の通貨は需要が高いので価値が高いのです。

コレはどうしようもない揺るぎのない現実です。
権力で無理に通貨の価値(為替レート)を決定すると、経済システムに歪が生じダメージはより大きくなります。
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この回答へのお礼

専門用語や難しい言葉がまったくなく、それなのに、とても分かりやすかったです。
分かりやすい、というより、"実感できた"気がします。
ご回答ありがとうございました。勉強にやる気が出てきました。

お礼日時:2008/01/05 01:15

為替レートが市場での需給で決まる自由変動相場制を採用するべきか否かはその国の事情によります。


ただし、次の三つを同時に実現できないということが知られてます。

1. 固定相場制
2. 独立した金融政策
3. 自由な資本移動

この結果は国際金融のトリレンマと呼ばれており、初歩的な経済学の教科書にも書いてあります。

為替レートが固定されていた方が都合が良いこともあるのですが、
さらに自由な資本の移動を許すと、金融政策が自由にできなくなってしまいます。
金融政策は景気の変動の波を抑えるために最も重要な道具ですから、
それを失うこともかなり痛いわけです。
その犠牲を払っても固定相場制を採用したくなるような事情の国もあります。
そういう国の場合は権力によって為替レートを決定してしまった方が
経済的ダメージが小さくなるわけです。

また、国際金融のトリレンマは、
日本のように変動相場制+独立した金融政策+資本の自由な移動を採用している国で
為替介入によって為替レートを変えようとするときには一時的に
金融政策の自由を失うことも意味しています。
さすがに資本の自由な移動を制限するわけには行きませんから。
実際、政策金利を固定する通常の金融政策を実施しているときに、
円売り為替介入を実施してもそれによって市場に放出された円は
政策金利を一定に保つために自動的に日銀に吸収されてしまいます。
結果的に為替介入の効果は無くなってしまいます。
円安にするための為替介入を効果的に実施するためには
金融緩和と連動させる必要があります。
そうすることにメリットがある場合も当然あるわけで
そういう場合にはそういう政策を実施しなかった場合の方が
日本の経済システムに与えるダメージが大きくなってしまいます。

実際、ITバブル崩壊後のひどい不況からの脱出はそのような方法によって可能になりました。
ITバブルの余波で弱っていた自分が勤めている会社が潰れずにすんだ人は
為替介入を実施してくれたことに感謝しなければいけないかもしれません。

本当は為替介入経路での金融緩和を実施するのではなく、
インフレ目標付きの量的緩和を実施した方が良かったということはあります。
そうしていれば現在の日本のようにデフレもしくは低過ぎるインフレ率で苦しむことはありませんでした。
しかし、現実には為替介入に頼らざるを得なかったのは仕方がなかったかもしれません。

以上の議論のもとになる基礎的な知識はすべて初歩的な経済学の教科書に書いてます。
経済学の初歩的な知識もなしに経済についてまともな意見を述べることは不可能です。
経済に関して疑問を持ったら、まず教科書を見てみるのが一番良い解決策だと思います。
国際金融は面白いし、現実の経済との関係も分かり易いので、しとうとが入り易い分野だと思います。
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問題を次の二つに分ける必要があると思います。



1. 為替レートがどのようにして決まるか
2. 国ごとの平均収入はどのようにして決まるか

1. 為替レートがどのようにして決まるか

固定相場制、管理フロート制を採用している国の通貨の場合には
為替レートを決めるのはその国の政策になります。

変動相場制を採用している場合には
長期的には購買力平価説が結構成立しているようです。
ただし為替レートを説明するためには
購買力平価は貿易財の物価で測った方が
理屈の上でも数字の上でも良いようです。たとえば
http://wp.cao.go.jp/zenbun/keizai/wp-je97/wp-je9 …
の第1-2-1図を見て下さい。
http://www.boj.or.jp/type/exp/stat/exrate.htm
の図2で実質実効為替レートを見ても
1986年以前には90前後で安定しており、
1986年以降には120前後で安定していることがわかります。
「実質実効為替レート」の「実質」は「国内外の物価水準の影響を含めて調整した」という意味です。
このように購買力平価説は長期的にはそう間違いではないことがわかります。

しかし、10年程度の期間に分けて為替レートの動きを見ると
購買力平価説では為替レートの動きはとても説明できないことがわかります。
実際、日本円の実質実効為替レートはかなり下がって来ています。
1986年以降はほぼ120前後の水準を保って来たのに、
現在では100程度の値まで下がってしまっています。
つまり現在の状況では日本円がかなり低く評価されてしまっているということです。
このことは日本以外の先進国に最近旅行した人なら実感していると思います。
海外は物価が高い、と。

日本は1994年あたりからGDPデフレータの下落傾向が止まっていません。
すなわち日本円の日本国内での価値は1994年あたりから上昇し続けて来ました。
(デフレは経済にとってひどく有害なので日本経済は低迷することになりました。)
しかし日本以外の国ではずっとインフレが続いています。
外貨の外貨発行国内での価値は毎年下がって来ているのです。
それにもかかわらず、外貨の円換算での価値はここ数年間上昇し続けて来ました。
どうしてこのようなことが起こるかは謎のままで十分に解明されていないと思います。

一つの候補として挙げられているのがキャリートレードです。
一般に、インフレ率が低い国の短期金利は低く、
インフレ率が高い国の短期金利は高くなります。
金利が低い国でお金を借りて、金利が高い国でお金を貸せば、
金利の差の分だけ儲かります。そのため、金利の低い国の通貨を売って、
金利の高い国の通貨を買うという動きが活発になります(キャリートレード)。
その結果として金利の低い通貨の価値は下がり、
金利の高い通貨の価値が上がってしまう。
さらにその結果としてキャリートレードの収益率が
実際にプラスになってしまう。
このような動きが原因になっているのかもしれません。
この段落については確信があって述べているわけではないので
あまり信用しないで下さい。
次のリンク先も読んでおいた方が良いでしょう。
http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070313

2. 国ごとの平均収入はどのようにして決まるか

誰でも不思議に思うのは、為替レートがたとえ大きく動いたとしても
国ごとに同じ仕事をしても得られる収入が違うことです。

国ごとの平均収入は国ごとの経済の平均的な生産性で決まります。
この話題も非常に面白いのですが、
説明が長くなるので、以下のリンク先を読んで下さい。

http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20070215/1 …
http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20070204
http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20070211
http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20070213
http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20070215
http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20070219

以上で述べたような話は経済学の教科書にも書いてあるような話です。
問題なのは経済の専門家づらしている連中の中にも
教科書レベルの経済学を使いこなせていない方々が
たくさんいらっしゃることです。
日経新聞などにもよくトンデモ経済論説が掲載されているので注意しましょう。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
たくさん勉強できそうです。

お礼日時:2008/01/05 01:10

実は為替の理論はよくわかってません。


経済学の本で「為替レートの決定理論」という言葉を調べて見たり、あるいは検索エンジンで調べるのもいいかと思ういます。購買力平価説と資産動機選択説(アセットアプローチ)の二つの説が紹介されていると思いますので参考にしてみてはいかがでしょうか。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
資産動機選択説というのは初めて知りました。
勉強してみます。

お礼日時:2008/01/05 01:08

購買力平価という考え方があります。

それでいけば、

>双方の平均月収で考えたら、例えば40万円=12,500ペソ(5×2,500)という貨幣交換レートにはならないんでしょうか。

という考え方も成り立ちます。
しかし、実際には貿易があり為替は主としてそちらで決まります。

>日本円とアジア通貨ではどうしてこう通貨力って言うんでしょうか、価値が異なるのでしょうか。

異なるのではありません、
貿易実態から異ならないようなバランスで為替価値が定まったのです。
経済が弱い国では固定相場であることが多く、強い国の通貨は為替市場で変動相場で取引されることが多いです。
随時バランスが反映されるということです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
購買力平価、前に勉強したことがありますが忘れてました。
もう一度勉強してみます。

お礼日時:2008/01/05 01:06

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