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No.4ベストアンサー
- 回答日時:
火縄銃のような、銃身にライフリング(ライフルマークでとは言わない:下注参照)が施されていない時代の銃、つまり先込め式の滑腔銃では、その頂点の時代ではすでにその弾丸の直径はかなり銃身の内径に等しいといってもいいぐらいの嵌めあい公差になっていました。
つまり予想以上に隙間がなかったということです。実際に計測したことはありませんが、ごく後期のものではスルッと入っていくといったぐらいの嵌め合いのようでした。無理に感覚的に言えば0.2mmぐらいでしょうか。今日の精密機械で言えば嵌め合いで0.1mmというのはかなり緩い感じがしますから。
このような弾は通常鋳型に溶かした鉛を注いで作っていましたが、鋳型の直径はほぼ銃腔の内径に等しく作ってあり、この鋳型で作った玉は冷えて固まる頃にはやや直径が小さくなることと、ある程度圧力を加えながら転がして成型することによって、うまく銃腔内に押し込むことができる寸法にしたということのようです。
もちろん弾が銃腔内で緩い状態にあればこれまでのご回答にもあるように余計な偏摩擦が生じて弾道が狂ったり、火薬の燃焼によるガスの膨張効率が低下したり、極端に言えば込めた弾がなにかの拍子に銃口から転げ出たりしますから、弾の直径と銃腔の内径との関係は大変大切なことであったはずです。
しかし、このような精密な弾を作ったこともかなり後世の、そして火縄銃としての発達段階での頂点の頃の話です。
これより少し前になりますと、鋳型の直径も最初から銃身の内径よりは小さく作られ、当然出来上がった弾も直径はかなり小さいものでした。
しかし、同時に、出来上がった弾を見ると、もともとから真円度の低いいびつな形であるうえに、たこ焼きの鉄板の小さいのを上下ふたつ蝶番でつないだような鋳型の合わせ目の部分によって出来たバリが出来ています。このいびつさとバリがあるために弾が銃腔内でしっかり落ち着いていたと考えられます。
こうした嵌め合い公差とは別に、パッチと呼ばれる布を弾に巻いて銃腔内に押し込む方法とか、ワッドと呼ばれる繊維質のものを弾のあとから押し込む方法とか、こうしたことによって弾が落ち着き、滑り出すのを防止し、さらには幾分かは燃焼効果を高めるといったことも行われていたようです。この方法は今日の散弾銃に名残を見ることができます。
なお、ライフルの銃腔内に施された施条は通常グルーヴと呼ばれますが、このグルーヴを加工することをグルーヴィング、あるいはライフリングと呼びます。
また、一般的にライフルマークと呼ばれているのは、弾が銃腔内を通過した際に、弾の側面にグルーヴによって刻み込まれた筋のことで、日本語では条痕とか施条痕と呼んでいます。
このライフルマークは銃一丁毎に違いますから、人体の指紋とおなじように銃を特定するのに応用されています。
また、戦場での弾込めはたしかに危険な状態になりますが、さりとて、急ぐあまり手を抜くわけにもいかない作業。そこで考えたされたのが三段組の方式です。
鉄砲方、つまり射撃手たちを三つのチームに分けて編成し、第一の組が射撃に専念している間に、第二の組は火縄を確かめ第一の組が打ち終わると同時に入れ替わります。その間、第三の組はもっぱら装填に専念、これを繰り返すことで間が空くことなく連射が出来たというわけです。これ、確かではありませんが、信長が考案したのではなかったかと思いますが自信なし。
No.3
- 回答日時:
今日の銃には銃身内部の壁に施條(ライフルマーク)という溝が施されています。
これは発砲により通過していく弾丸に回転を与え、直進させるためのもので命中率が増大する効果がある為です。
この溝がないのを滑腔銃といい、火縄銃など初期の銃は全てこの形式で、前装式という銃口から火薬と弾丸を落とし込み、発射する仕組みでした。
従って弾丸は銃口より小さくないと落とし込められません。
さらに火薬は丸薬状ですから、流し込んだだけでは、隙間がありますから棒で突き堅め隙間のないようにする必要があります。 (点火が瞬時に全体の火薬に及ぶように)
これら一連の準備作業を遅滞なく進めるため弾丸と銃身口径とはかなり余裕を持たせていたのです。
勿論あまり余裕が大きいと弾丸は銃身の内部をアチコチぶつかりながら前進し、直進性が失われ命中率が低下し、速度も減少して威力を失いますから微妙な余裕ではありますが。
火縄銃の弾丸は大抵手作りで鉛を融かして型に流し込み、固まるのを待って取り出し形状を球状に修正して完成させますから、完全に同一とはいえない方式でした。
この為戦場のように精神的にストレスの大きい場では屡々装填不能を起こしたといわれます。
突撃してくる敵を目前に時間のかかる発射準備をするのは命がけの作業ですから。
No.2
- 回答日時:
現在の銃に用いられる弾丸の形は銃の種類に寄っても異なりますが概ね、先端が丸みを帯びた(もしくは尖った)円筒形です。
このような形状の弾丸だと、進行方向が完全に決まっていて先端方向へ飛ぶようになっています。
万が一銃身の内部で弾丸の方向がずれたりしていると、弾丸はそれ自身の進むべき方向を優先するので、銃口方向を目指さずに銃身を突き破ろうとして、銃身破裂を起こしてしまいます。
そうならないために、現代の銃砲は銃身の口径と弾丸の口径をきっちりと合わせて、弾丸が銃身内部でずれないように固定しています。
ところが
火縄銃では弾丸の形状は球形です。
弾丸自信は別にどの方向に向かっても構わないので、銃身内部から火薬の圧力に遵って素直に銃口方向に向かいます。
つまり、無理に銃口径に弾丸の大きさをあわせなくてもいいのです。
それどころか
銃身の口径と弾丸の大きさがあまりにも一致してしまうと、弾丸(と火薬)で完全に銃口がふさがれて詰まってしまい、弾丸より後方で点火した火薬による圧力の逃げ場が無くなり重心が破裂する危険性があります。
そうならないためにも、銃身の口径よりも弾丸はかなり小さめに作ってあったのです
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