

No.6ベストアンサー
- 回答日時:
高度を維持した水平飛行というのはおそらくプロペラ機でも無理でしょう。
翼の滑空比にもよりますが、余程強力な向かい風でも吹いてなければ
機体を同高度に維持する水平飛行はできません。
蛇足ですが、
プロペラ機でエンジンが停止すると、
今度は回転しない(或いは風力で回転する)プロペラが有害な抗力となり、
それだけでも滑空の大きな障害となります。
今現在のプロペラ機は、
エンジンが停止した場合や着陸時にプロペラの抗力または推進力を
軽減するためにフルフェザー状態(プロペラ面を風に対して自由にする)
ことができます。
私はヘリコプターのライセンスを持っているのですが・・・
一番怖かったのはエンジンをアイドリング状態にして滑空して降りる
「オートローテーション」と呼ばれる訓練でした。
つまりエンジン停止状態をシミュレートするのですが・・
エンジンを最小出力にすると、ぶうん、
という音とともに機体が急速に沈み、降下速度は1500~2000フィート(500~700メートル前後)になります。
滑空速度は機体によって違いましたが、速すぎても遅すぎてもよろしくなく、またローターの回転計が常に通常範囲内にとどめておかなければいけませんでした。
しかも地上ギリギリでパワーを入れて機種上げにして速度を落とし
揚力を確保し、エンジンを元に戻すのですが、
概ねこのときの高度は地上から1メートルくらい。
そうしないと、実際にエンジンが切れたときに滑走できないからです。
オートローテーション訓練はエンジンは動いているとはいえ、
一歩間違えればメインローターは断裂して吹っ飛び、降下速度、降下率を
ミスすれば訓練といえども即死に直結するので、
それはもう真剣そのもので、やるときはいつも脂汗ダラダラでしたね。
前に訓練してて、パワー入れようとしたら教官がレバーを抑えたまま離さない!
「やめてえ!ギャー!」とかなんとか思いつつもざざざざーっと滑走着陸したのですが、
「なんで・・?」って聞いたら
「いやあんまりうまく滑空してたもんだから本当に滑走着陸してみたくなっちゃった。てへ。」
なんていわれて。てへ じゃねえよオイ!
そんなら最初からそうしろって言って下さいよ~!と心でツッコミを入れてました(^^;)
しかし私もまがりなりにもパイロットの端くれ、これだけは言えます。
「飛行機を安全に運行するのはハイテク技術ではなく人の知恵と技である」
どんなハイテク機だろうと、ローテク機だろうと、
それを操縦するのは人であって、危急存亡の事態を打開するのはやはり人の力です。
私はヘリですが、ハイテク機はあまり好きではありません。
コンピュータ制御の計器は好きじゃないんです。壊れると見えなくなるから。
やっぱり昔ながらの空気力や機械式の計器のほうが安心できます(^^)
そうそう、No.3の方のおっしゃってる離陸できない状態というのは実際ありますよ。
私も真夏の暑い日に教官と一緒に訓練に行こうとしたら、ヘリが30センチくらいしか浮かないときありましたから。
そういうときは教官が地面を見ながら私がそろりそろりと滑走路に行って、
滑走しながら離陸してました。帰りは燃料が少ないから余裕で浮いてられます。
長々と失礼いたしました。
そうですね、グライダーならともかく、上昇気流を見つけてなんてことはないでしょうから、全くの水平方向への滑空というのはあり得ないのかもしれませんね。
それからプロペラも翼の一種と考えるとその影響は大きいというのはわかるような気がします。
>飛行機を安全に運行するのはハイテク技術ではなく人の知恵と技である…
確かにその通りだと感じます。恐らく機械的な作業は機械に任せる、という考えなんでしょうが、フェールセーフにも限界があり、また過ぎた自動化は人間の感覚をも退化させることもわかってきているので、とにかくなんでも機械化という方向も、これから多少は修正されるのかもしれません。
めったに触れることのないお話を耳にすることができたいへん興味深く読ませていただきました。ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
結論を言えば
ジェットもプロペラもエンジンが止まっても水平飛行は出来ます。
ただし、失速と呼ばれる速度までの話です。
その速度に達したら、水平飛行は維持できなくなります。
実際、エンジンがすべて止まったら、飛行機にはそれぞれ、一番、滑空で遠くまで飛べるスピードがありますので、そのスピードを維持しながら、対策を打ちます。
ただし、実際、故障ですべてのエンジンが停止するのはまずあり得ません。(火山の影響等を除く。)
もし安全のためにプロペラ機に乗ろうとお考えなら、車にも乗れませんねぇ。(笑)だって車の方が危険なんですもの。
私は昔から飛行機が好きで、理屈が分からない分、不思議な気分におちいるのを楽しみながら、離着陸する飛行機の真下でながめた経験が数多くあります。
>ですべてのエンジンが停止するのはまずあり得ません。(火山の影響等を除く。)
そういえばうちの近所でエアバスでしたか火山灰の影響で窓ガラスにヒビが入ったとかのニュースがありましたっけ。大事にならなくてよかったです。
回答いただき感謝します。
No.4
- 回答日時:
水平飛行というか滑空ですよね?
エンジン停止後の長距離の滑空ができるか否かというのは、推力システムの問題よりも、
操縦系統の関係よるところが大きいようです。
航空機は皆距離の長短こそあれ、滑空できる設計にはなっているようです。
第二次大戦中のドイツのロケット戦闘機は、上空で燃料を使い切ってしまうため滑空して帰投する設計だったそうです。
大型旅客機の場合では、フラップ類の操作には油圧を使っているでしょうから、エンジン停止は即、操縦機能の喪失となります。それだけに複数のエンジンを使うことによって、フェールセーフを確保しているのでしょう。
とはいいながらも、カナダでB-767がエンジンが両方止まって30000フィート(9000m)から滑空して生還した事例があるそうです。
パイロットは、皆滑空訓練は受けているようですね。
余談になりますが、ヘリの免許取得の過程の中にも、
空中でのエンジン停止の実技訓練があるそうです。
怖いですねぇ。。。
>カナダでB-767がエンジンが両方止まって30000フィート(9000m)から滑空して生還した事例があるそうです。
質問中のテレビの番組というのがそのカナダの話を扱ったものでした。シミュレータでも未だに無事着陸した者がないとか言ってましたが、ほんとに奇跡に近い着陸だったようですね。
>ヘリの免許取得の過程の中にも、空中でのエンジン停止の実技訓練があるそうです。
ほんとうに恐いですね。どうやってリカバリするのか話を聞いているだけで気が遠くなりそうです。
トピックの提供を交えてご回答いただき、感謝します。
No.3
- 回答日時:
簡単に書くとプロペラ機の方がジェット機に比べ、高度に対し10倍の距離飛行可能です、(グライダーに近い)つまりそれだけ、飛行場を探すエリアが広がる訳で有る意味安全です、飛行高度は通常ジェット機の方が2倍程高いので単純に置き換えは出来ませんし。
しかし飛行距離もプロペラ機は短い路線しか有りませんし、選ぶと言うことはほぼ無理です。話は変わりますが、ジャンボの機体は燃料満タンでは、(通)離陸出来ない等面白い話が有ります、1度自分!!で研究して下さい。
>ジャンボの機体は燃料満タンでは、(通)離陸出来ない等面白い話が有ります
そういえば、もしジャンボ機で燃料を満タンにしたら運行自重と燃料の重量をあわせた重さが、最大離陸重量を上回ってしまうという話を聞いたことがあります。ペイロードも計算に入れると、やはり満タンにはできないのでしょうね。
ご回答ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
プロペラ機は低速(時速300~500K程度)で飛行するので、機体重量の割に翼が大きく、浮力が大きいため、エンジンがストップしても滑空できるということを聞いたことがありますよ。
実際YS-11に乗った感じでも車とそう変わらないような速度で離陸した感じがしましたし、飛んでるときも「雲の上に浮いている」といった感覚でした。
乱気流のときは文字通り振り回されるような感じでなかなかできない体験でしたけど…
私もYS11に一度だけ乗ったことがあります。たしかに飛行船に乗っているような不思議な感覚でした。乱気流は経験しませんでしたが、今になれば貴重な経験です。回答をいただき、ありがとうございます。
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