No.4ベストアンサー
- 回答日時:
これは見る場所によって、そのように見えるものもあります。
編隊を組んで飛んでいる飛行機から、隣の飛行機が高度を下げるような旋回を始めると、そのように見えます。
でも地上から見ると、ただ単に旋回して高度を下げているように見えます。
又は、ただ単に機体を傾けるだけだと、編隊を組んでいる飛行機からも地上からも斜めにスライドするように見えます。
この場合は、主翼のエルロンを使って機体を傾け、少し尾翼のエレベータを下降する方向にするとこうなります。
機体が斜めになると揚力が減る?。
この表現は正しくないですね。揚力は当然変化しませんね。ただ揚力の向きが変わることで、機体を鉛直方向に支える力が減ることで高度が下がります。
機体が水平で水平飛行していると、たとえば「10」と言う揚力が真上の方向に働いて、「10」と言う重さの機体を持ち上げている形になるので水平飛行が可能になります。
ところが、たとえば30度傾くと、「10」と言う揚力の方向も30度傾きますよね。
でも機体の重さの「10」と言う重さの働く方向は変化せずに、鉛直方向のままです。
揚力の方向が30度傾くと、鉛直方向には約0.87倍の力になります。
これは数学の時間に習ったと思いますが、一つの角度が30度の直角三角形の辺の比が、1:2:√3になり、√3の辺を鉛直方向にした場合、2の辺が揚力の方向となって、「10」と言う揚力が発生していても、鉛直方向には√3/2=約0.87倍の、8.7の力しか働かないため、下降します。
このような下降の方法を取る目的は、No,2様の通りです。
余談ですが、旅客機は当然このような降下の仕方はしません。
軽飛行機の場合は、A類の機体(アクロバットなどの飛行ができる機体)でも似たようなことができます。ただ単に高度を急激に下げたいときは、「サイドスリップ」と言う方法を取ると、ほぼ水平を保ったまま急激に高度を下げることができます。機体にかなり無理な力がかかるので、軽飛行機限定ですが。
やり方は、エルロンとラダーの舵を通常旋回のときと反対にします。たとえばエルロンは右に旋回するようにして、ラダーは左に。
軽飛行機はこれが一番!。速度を上げずに急降下します。
旅客機でこれをやると設計上の強度がないとのことで、禁止でした。
パイロットさんより解説投稿頂き誠に光栄でございます。おかげ様で疑問が解けました。自分は飛行機観るのは好きですが高所恐怖症気味で搭乗は苦手です。旅行で国際線に搭乗した事ありますがそこで感じたことは太平洋戦争中の戦闘機パイロットの偉大さです。いつ敵機、その他からの攻撃で墜落するかわからない恐怖と戦いながら操縦していたのかなと思います。自分は離陸する時機体が少し後ろに傾く、水平飛行中に上下に少し揺れただけでも心臓バクバクになりあせった経験があります。
No.2
- 回答日時:
>戦闘機の飛行で機体を左又は右に傾け斜めに降下するのをみますが、この目的はなんですか
緊急に、編隊(Formation)を離脱(Break)し、降下する必要があるときに行います。
映画などでは、映像の効果、カッコよさを見せるために必要性の有無にかかわらず、この離脱方法がよく使われます。
>真正面から見て主翼が水平状態から右下に斜めになりそのまま右下に斜めにスライドするように降下する)主翼及び尾翼をどのようにすればこの飛行になるのか
水平旋回をする時は、機体を傾けながら高度が落ちないように操縦桿を引きます。 60度機体を傾けて水平旋回をすると機体には(勿論人体にも) 2G かかります。 72度で3Gです。
旋回途中で、操縦桿を引くのをやめると、機体は傾けた方に滑り(スライドし)ます。
つまり、旋回の初動で操縦桿を引くのを少しにして機体を傾けると、映画のようになります。 操縦かんを通常のように引くと即座に画面から消えてしまいます。
水平飛行中、操縦かんを押して機首を下げても、機は降下し始めます。 急激に操縦かんを押すと、機が降下をするとき、体は浮き上がります。 マイナスの G です。 人間はプラス G にはある程度耐えられますが、マイナスGには弱いのです。
大きいプラスGでは頭から血が引き(足の方に集まる)あたりが真っ暗に見えるいわゆるブラックアウトを起こします。 耐Gスーツを着用することである程度は緩和されます。
逆に 大きいマイナスGでは、頭の方に血が上り(集まり)視界は真っ赤になり見えなくなり危険です(レッドアウト)。 耐Gスーツでは対応できないため、それほど大きなマイナスGでなくてもレッドアウトは起こします。
操縦かんを押して機首を下げる方法では上記の理由により降下開始時、大きな降下率を得ことができません。
自由落下では、1秒後5m、2秒後20m、3秒後44m と以外に少ないのです。 マイナス2Gをかけても、自由落下の倍程度です。 この程度ではいざというとき全く役に立ちません。
機体を大きく傾け、あるいは180度機体を回転させ、操縦かんを引くと急激な降下率を得ることが出来ます。 このときプラスGがかかりますが、機体も体もプラスGには強いので思いきった降下が出来ます。 機体は数秒後には垂直近くに出来ますので、その気になれば音速近くで降下することもできます。
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