こんにちは。お聞きしたいことがあります。
「汝は事実を語れ、さらば我は法を語らん」と
民訴の教科書に載っていました。
何故、このようにされているのでしょうか?
条文には規定されていないですよね。
民事訴訟の定義、
すなわち、
私的紛争を国家権力(裁判所)が強制的に解決すること、ということから導かれるのですか?
それとも、民事訴訟制度の目的、
すなわち、
紛争を解決することにより、私人の権利保護を図り
私法秩序が維持することという目的から導かれるのでしょうか?
本質的な違いをご存じでしたら、よろしくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
#質問の趣旨を外している可能性は否定しませんが、そのときはご容赦を。
ある意味、ローマ法以来の伝統的な思想で民事訴訟においては当然の前提となる原理というところです。
一応は、「汝は事実を」は弁論主義、「我は法を」は司法権の当然の権能を表しています。
しかし、これはいわば民事訴訟法の指導原理の類で、「条文を表現した格言」ではなく逆に「格言を法体系として具体化したのが法律(条文)」なのです。ですから、条文に具体的に規定していなくてもまったく不思議はありません。個々の条文がいかなる法理論体系に基づいているかを考えたときにその理論体系の思想的な原理を言い表したものなのです。
もちろん、理論的には、なぜそのような原理が受け入れられるのかということを説明することは必要です。しかし、それはもはや条文の問題ではないのです。よく言うのは、日本国憲法は法の支配の原理を採用しているという話。これは、条文上の根拠を述べることはもちろんできますが、それはあくまでもこのような条文があるのは法の支配の原理を採用したからだ、という説明であって条文が先にあるのではありません。原理があくまでも先にあるのです。そして、なぜ法の支配の原理を採用したのかは、憲法制定以前の問題であって憲法解釈によって明らかになる問題ではありません。別の例を挙げれば、殺人罪は刑法に規定があるので犯罪ですが、なぜ殺人罪を犯罪として規定したのかは、刑法をいくら解釈したところで分りません。殺人罪は犯罪として禁止すべきであるというのは刑法以前にある思想ないしは規範なのです。
法律と言うのは、法律としてそれだけでいきなり生れるのではありません。あくまでも、何らかの社会規範、こうあるべしという思想、理念がありそれを実現するにふさわしい原理原則がありそれを制度として体系的理論的に具体化したのが法律なのです。その原理原則を言い表す法謬が殊更に特定の条文を根拠としないのは至極当然のことなのです(明確に条文化することももちろんありますが)。
ご返信ありがとうございます。
いえ、質問に対して的確にお答えいただき、ありがたい限りです。
文章を拝読いたしまして、大変参考になりました。
条文より上位概念なんですね。民法でいう私的自治の原則とかですね。
法の支配との比較、ありがとうございます。たしかに、答案で書く際、法の支配は、いきなりどんと書きます。答案には、法の支配の趣旨など書きません。
自分、司法試験(法科大学院)のために、権利自白の
論点と司法試験過去問H8-1の法律問題に関する釈明の答案を書いていたところでした。
その論証・答案の中で、「法の解釈・適用は裁判所の専権事項である。」と書くことになるのですが、
このままですと私の頭ではよく憶えていられないので、どういった理由でこのようにされているのかと
思って質問いたしました。
ご回答を参考にして、上記の記載を
「法の解釈・適用は、日本国憲法において司法権を権能として与えられている(憲法76条1項)裁判所の専権事項である。」と変えることができました(あっているか分からないですし、答案にこの通りに書くか書かないかは場合によりますが、自分の頭ではこの方が憶えやすいのでこうしました)
特に、最初の部分の「「我は法を」は司法権の当然の権能」部分からヒントを得ることができました。
ヒントがいっぱいで、嬉しかったです。
ありがとうございました^^
No.1
- 回答日時:
法律には素人ですが、この言葉はローマ時代からの格言
"Nara mihi factum, narro tibi ius"
の訳でしょうね。原告と被告は真実を語る義務がある、裁判所は法によって証言・証拠に基づいた判決を下す、という意味ではないんですか。
ご返信ありがとうございます。
そうなんですか、ローマ時代からの、ずっと昔からの
格言なんですね。
とすると、「歴史的背景」に裏打ちされた格言である、というのが本質的な理由と言うことになりますね。
助かりました。
ありがとうございました^^
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