No.3
- 回答日時:
知られている処では「陸軍中野学校」が養成機関。
出身者が其々の部隊に配属されるので独立した部隊はありません。♯1さんには申し訳ありませんが憲兵はちょっと違います。特高も違います。No.4
- 回答日時:
機密保持のための特別な組織というものはなかったと思います。
陸軍省内には防諜課というものがありましたが、防諜の実働部隊というわけには行きません。
通称「中野学校」は、あくまでも情報のスペシャリスト(謀略・防諜・宣伝など)の養成所です。
機密保持、防諜の実働部隊は、軍の警察である憲兵隊でしょうね。憲兵は陸軍の組織ですが、海軍も管掌していました。もっとも軍艦に憲兵が乗っているというわけではなく、艦員の中に担当の軍人が居ました。要するに部署、部署で気をつけていたわけです。
そういうわけで、NO.1さんのおっしゃることは、100%正解と思います。
しかし、日本の旧陸海軍は、情報戦という面ではよくありませんでしたね。
No.5
- 回答日時:
戦前日本における機密事項を守る組織は軍事上事項は憲兵隊が、それ以外の国内については特別高等警察(特高)が担当していました。
兵器の開発条項などはそれぞれの組織内で守秘の義務があり組織化されてはいませんでした。
全般には欧米の防諜組織とは見劣りするレベルでした。
しかしソ連のスパイゾルゲを摘発、検挙したのは特高でした。
中野学校はスパイを養成する機関で防衛する機関ではありません。
この回答への補足
以前、ソニーの盛田さんの本を読んでいたとき、彼は井深さんとともに、軍事上の開発を機密で行っていたということでした。ということは民間人を登用していたわけですよね。
うまく想像ができないのが、これは口封じをしていないといけないわけで、当然のごとく、守秘義務が存在していたと思うのですが、その「研究所の存在」も、彼らの「守秘義務」も、知られてはいけない極秘事項であったとおもうのです。
これを一般人(つまりは最終的に敵国スパイ)から情報を守るために、統括していた部署も、憲兵であると考えられるのでしょうか?
皆様、ご回答ありがとうございます。ご協力に感謝いたします。
まとめますと、特別組織は存在しないが、個々の部分で守秘義務が発生しており、これを違反したものには憲兵が動き、査問・取調べを行っていたと考えられるわけですね。
補足で質問をちょっと詳しくさせていただきます。
No.6
- 回答日時:
憲兵は民間人を逮捕することができました。
中野正剛(ジャーナリスト後政治家衆議院議員)は、「戦争に負ける」と言ったことで、憲兵隊に逮捕されました。軍事施設に勤務する民間人が軍事上の機密を洩らし、これを警察が嗅ぎつけた場合は、警察が捕まえて憲兵隊に引き渡すでしょう。先に憲兵隊が知った場合はもちろん憲兵隊が逮捕します。
戦時中は警察よりも憲兵隊の方が勢いが強く、犯人逮捕で競合したときは警察の方が遠慮気味であったような印象があります。
憲兵は逮捕権ももちあわせ、反体制的な人間を検挙できたわけですね。刑事警察は横に置いておいても、特権的な立場にあった「特高と憲兵の摩擦」というか、そういうものも興味深いですね。きれいに棲み分けができていたとは思えないので。「そいつ(容疑者)はうちの管轄だ」とかいって、もめていたような感じがあります。
No.7
- 回答日時:
>以前、ソニーの盛田さんの本を読んでいたとき、彼は井深さんとともに、軍事上の開発を機密で行っていたということでした
盛田昭夫氏は、大阪帝国大学を卒業後、海軍の技術中尉に任官していたので、民間人であったわけではありません。
軍の技術開発には、盛田氏のように武官であった方、文官身分であった方が混在していますが、どちらにしても軍の組織に所属しているので、守秘義務はあります。
軍の指定工場には、監督官(軍人)が配属されていたので、機密保持について、何らかの役割を果たしていた可能性はあります。
ご訂正、どうもありがとうございました。感謝いたします。「技術中尉」だったのですね。そういう役職があったと言う事を認識しておりませんでした。
No.8
- 回答日時:
追加質問に対しお答えします。
質問者様に少し誤解があるようですね。
憲兵はかなり広い権限を有しますが、あくまで軍人で軍の機密保持について責任を負うものです。
特高警察は治安維持のため全般的な責任を負うので、軍事機密にかぎりません。
兵器の開発は大抵の場合民間の研究機関があたっていた事はゼロ戦の開発の例を見てもあきらかです。 通常兵器のようなものは軍の機関で開発をしましたが特殊な技術を必要とするものはどうしても民間の研究者の協力が必要でした。 成功しませんでしたが光線兵器や原子爆弾は理化学研究所が携わっていました。
これらの機関は当然守秘義務を課されていました。
軍事に関係するものは当然憲兵の管轄、監視の対象です。
なるほど、僕は勘違いをしているのですね。
何度も訊ねて恐縮ですが、あくまでたとえばですが、原爆開発を陸軍より依頼されていた理化学研究所の機密・守秘事項を、敵国スパイに通じていた人物がそれを洩らそうとした(していた)場合、どの機関が動くと考えればよいのでしょうか?
No.9
- 回答日時:
下の方も書かれているように軍事機密を扱う防諜の担当は憲兵であったという事で間違いないと思います。
もうちょっと具体的な事例でわかる本の紹介を。
吉村昭「戦艦武蔵」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101117 …
武蔵は大和型戦艦の2番艦ですが、大和型の存在自体が軍機だった上に、大和と違って武蔵は民間造船所で建造されました。そのため実際に造船に関わる工員たちでさえ部分的な設計図しか渡されずに自分たちが何を作っているのかも知らされない、そんな状況のなかで起きた一枚の図紛失事件。その経過を詳しく書いている本なのでなかなか参考になるかと思います。また非常に手に入りやすい本です。
ありがとうございます。武蔵は民間で作られていたんですね。逆に大和なのですが、これは呉でつくられたようですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%92%8C_ …
そこで、です。この機密保持のために動いていた部隊がどこかを知りたいというのが、問題の始まりであり、終りなのです。それは憲兵ですか? 特高でないのは確かなようですが、それもだんだん確信が持てなくなりました。
No.10ベストアンサー
- 回答日時:
No.4、NO.6です。
何回もシャシャリ出てきてすみませんね。大和は海軍の直営工場である「呉海軍工廠」で作られました。
呉海軍工廠は「呉海軍鎮守府」の管理下にあります(海軍士官の間ではクレチンと呼ばれていました、横須賀海軍鎮守府はヨコチンです)。
海軍鎮守府とはどういうものかと説明しますと・・・
日本をいくつかの海軍区に分割し、所轄の海軍区に係る一切の仕事を行います。所轄地域の防衛、軍艦の指揮、施設の運営その他いろいろです。
海軍鎮守府というのはそういうものですから、情報の専門機関ではありません。もちろん鎮守府の中には防諜の担当セクションはあったでしょうが、部隊というものではありません。呉海軍工廠の中にも機密保持の担当セクションや担当者がいて機密保持に当たっていましたが、その程度です。
ただ当時の軍というものは、陸軍も海軍も一般の行政当局に対する影響力が強く、呉の町=海軍の町 のような状況ですから、防諜に関しては、軍、官、民が一体になっていたという感じだったろうと思います。表現が少し大げさかも知れませんが、警察も役場も市民もピリピリしていた感じでしょうね。
何回も言いますが、結論はNO.1さんのおっしゃる通りなんです。プロジェクト担当のセクションが機密保持に当たるわけです。大和の場合は、呉海軍鎮守府ー呉海軍工廠のラインの機密保持担当がその仕事に当たります。まあ、大和の場合は工廠内はほとんど全員がその気配りをし、ピリピリしていたと思いますね。
現在、一般の会社で、ある社員が機密漏洩をしたとします。その社員の所属長と総務部の担当者がその社員を尋問して調べます。犯罪の事実がわかった時点で警察に告発するでしょう。
大和の場合もこれと原則的に同じです。
大和の機密漏えいをした工廠関係者が出た場合は、海軍(鎮守府ー海工廠担当者)が取り調べます。さっきの会社の例よりももっと厳しく、犯人を拘束・監禁し、徹底的に締め上げ取り調べるでしょうね。そして完全に調べ終わった時点で「不本意ながら」憲兵隊に引き渡すでしょう。
No.4で申しましたように憲兵隊は陸軍の組織です。しかし、海軍をも管掌しています。「不本意ながら」はここいらへんの微妙な関係を指しています。
海軍軍令部にも、防諜担当セクションはありましたが、実働部隊ではありません。
何度もお答えいただき、感謝いたします。
とても分かりやすい説明です。なるほど、内部調査委員会みたいなものが存在し、その後に司法の手に委ねる、という流れなのですね。「鎮守府」なるものが存在していたというのは初耳でした。
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