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中学校の問題集に、水溶液が塩酸、電極が亜鉛と銅のボルタ電池で、
亜鉛を炭素に変えた時電流は流れるかという問題があり、正解は
「流れる」となっていましたが納得できません。
もし、流れるのなら、陰極はどちらで、どのような変化をするので
しょうか。教えてください。

A 回答 (7件)

#2 です.一応,電気化学は専門ということにしています.



まず,#3 で紹介されている,炭素を基準電極にしてというような実験は,電気化学的にはまったく無意味です (断言します).そのような実験法の結果を使って議論して電気化学関連の論文誌に投稿すれば,100%却下されます (もし掲載されていれば,読者から編集委員会宛に抗議が殺到するかもしれません.あるいはその論文誌自体の評判が暴落します).

炭素電極の炭素それ自体は反応しません.また炭素電極が塩酸中などで示す自然電位の物理化学的意味はまったく解析不能で,また再現性もなく,基準点に取る合理性がありません.

#3,4 の方のご指摘の,電池であることをどう捉えるか,というのは大きな問題です.化学熱力学で化学電池を取り扱う際には平衡熱力学の流れの中で扱うため,電流はまったく流れない条件での起電力を扱います.酸化還元電位などの議論が可能なのは,厳密にはこの電流が流れていない状態に限られることに注意する必要があります.
電流を (ある程度の時間に渡って持続的に) 取り出すという観点から考えれば,炭素-銅のボルタ電池は成立しません.そのようなことが可能な酸化還元系が存在していないからです.
でありながら,「実際にやってみたら電池になった」という人が出てくる可能性は否定できない,というのが私が #2 で書いた内容です.この観察には電池をどう捉えるかという問題と切り離すことはできないので,「何で検出するかによりますし」と書いたのです.
たとえば,今のデジタルテスターはむかしのアナログテスターと違って,内部に流れる電流が桁違いに少ないため,むかしは高価な機械を使わなくてはできなかった「電流を流さずに電圧を測る」ということにかなり近い測定ができてしまいます.この観点では,電位差は検出されるでしょうから,電池になっているという主張も可能です.電位差が発生する理由は,銅側は銅の表面にある酸化銅と金属銅との間の平衡に起因する電位でしょうし,炭素については表面官能基や吸着酸素,溶存酸素などかもしれません.炭素表面の触媒活性も無視できず,水素イオン-気体水素の平衡も関与しているかもしれません.炭素電極の由来や前処理にもよるでしょうが,汚れや不純物かもしれません.
しかし,これらは量的に十分にあるとは考えにくいものばかりです.したがって電流を持続的に流し続けることは無理でしょう.
最近の理科実験にはよく電子オルゴールが使われているようですが,仮にその消費電流を 1μA とすれば,10秒間持続させるには 10^-5 C の電気量が必要で,これは電子 10^-5/96500 = 10^-10 mol に相当します.このくらいなら表面吸着種だけでもまかなえなくはありません.もちろん電極の大きさにもよりますが,炭素電極の実効表面積はけっこう大きいですし (たいていの炭素電極は多孔質です.ガラス質の無孔性のものもありますが高価ですし中学校等の理科室にふつうにあるとは思えません),銅板もふつうはそれなりのサイズですから.
しかし,これは「ボルタ電池」ではないでしょう.ボルタ電池の流れの中で扱うべきものではありません.
高校化学でボルタ電池を扱わないのは妥当です.指摘されているように,この電池には「簡単に電池 (電気) が作れる」ということと,歴史的な意味以外には,教育的な価値がないからです.これを中途半端な理解で使ってしまうと,電池と酸化還元電位やイオン化傾向との間の物理化学的関連性の理解に障害になることは想像に難くありません.「ボルタ電池の理論的な起電力」云々という話があちこちで出てくることこそ,電池の化学が理解されてないままに教材として使われていることの証左なんでしょう.残念なことです.
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
むずかしくなってきてなかなか理解するのに苦労していますが、もし、仮に銅の表面に付着しているであろう酸化銅や炭素の表面官能基や吸着酸素,溶存酸素などが存在せず、純粋な銅と炭素を電極にしたとしたら、理論的には電流は流れないはずだと理解してしまっていいのでしょうか。また、中学校分野での問題の解答としては、「流れない」でいいのでしょうか。もし、考え方がおかしければご指摘ください。

お礼日時:2006/11/30 21:28

> もし、仮に銅の表面に付着しているであろう酸化銅や炭素の表面官能基や吸着酸素,溶存酸素などが存在せず、純粋な銅と炭素を電極にしたとしたら、理論的には電流は流れないはずだと理解してしまっていいのでしょうか。



いいでしょう.観測できるほどの電流は流れません.

> また、中学校分野での問題の解答としては、「流れない」でいいのでしょうか。

いいでしょう.
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この回答へのお礼

何度も丁寧に回答していただき、本当にありがとうございました。

お礼日時:2006/12/01 18:15

この場合、炭素は酸化還元に関与せず亜鉛と塩酸中の水素イオン


ではないでしょうか?
つまり
亜鉛電極側の亜鉛が酸化して
Zn→Zn(2+)+e なります
このとき亜鉛電極中に余った電子(e)は回路の配線を、どんどこ流れて
炭素電極側にいきます
炭素はたぶん還元されずに、炭素電極表面で
溶液中の塩酸の水素イオンが還元されて
2H(+)+2e→H2↑
となるのではないでしょうか?

だいぶ前に勉強したのでちょっと自信はないですが....
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#3です。


私にもよく分からない内容なんです。
電気化学に詳しい方に応援をお願いしたいです。

電池を考えるときは電流が取り出せるということが柱になると思います。それが電圧が生じたら電池が出来ていると主張している記述が結構あるのです。私はこれが混乱の原因ではないかなと思っています。
pHの測定も起電力で行います。溶解度積も起電力で行います。でもこれは電流を出来るだけ流さないようにして電圧だけを測るという方法です。酸化還元電位も多分この方法でしょう。
酸化還元電位は電池につながってきます。だからよけいに混乱します。

#3で電池は電流を取り出すことに重点を置く必要があると書いたのはこのことがあるためなんです。持続的に電流が取り出せると言うことは持続的に反応が起こると言うことです。試験管内で直接起こる反応を2つに分離して外部回路でつなぐという立場で見ると持続的に電流が流れるのは予想しやすいです。此処での反応は全て酸化還元反応です。

うまく整理してくれる人がおられるといいのですが。
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ボルタ電池はいろんな要因が重なっていて難しいです。

解釈もずっと混乱していました。未だに続いています。
電池の取り扱いは立場が別れます。中学校や、TV, 市民の化学のような所でやられているのは電気が流れたらそれでいいというものです。「2種類の金属と電解質で電池が出来る」としています。金属の組み合わせや電解質を変えて流れるかどうかだけを見ています。反応しているものは何かは問題にしていません。これでは不足だと思った人が時々仕組みを書いていますが間違いが多いです。レモン電池では「レモンで流れるんや!」というのが一つの売りになっています。化学薬品ではなくて天然のものというところが受けるんです。

今高校の化学ではボルタ電池は扱っていません。ダニエル電池から入ります。
Zn+Cu2+ → Cu+Zn2+
の反応は試験管内で容易に見ることが出来るものです。この反応で起こる電子をやりとりを外部回路を通じて起こさせると電池になります。外部に電子を回すためには亜鉛板の表面での直接反応が起こっては不味いです。隔壁を用います。封筒でも植木鉢でもいいです。安定した電流が流れます。ソーラーモーターがよく回ります。銅板、亜鉛板、硫酸(または食塩水)で作った電池が色々工夫しても数分しか持たないのに対してこの電池は数時間はモーターを回せます。

レモン電池を見てきている生徒はもう知っているという意識でいます。酸化・還元での電池の仕組みを最早聞こうとはしません。小、中でいろんな事を見ればその後の化学に対する動機付けになると言う人もいるようですが「それで終わり!」になるきっかけ作りになっている場合も多いです。

質問されている銅、炭素のボルタ電池は本にも載っています。「イオン化傾向の違う2種類の金属と電解液」という流れの中にあります。これに酸化還元電位の測定の方法が絡んできています。古い電気化学の本には載っているでしょう。

今手元にある本では初等化学講座10「化学実験II」(朝倉書店 昭40)に載っています。炭素を参照電極にして金属のイオン化傾向を判断するという内容です。炭素と銅を電極にしたものを用意し稀硫酸の中に浸けた直後の電圧計の目盛りを読むというものです。根拠にはネルンストの式を用いています。
亜鉛、鉄、銅,銀、、炭素の組み合わせでやっていたようです。
銅と炭素で0.7V、銀と炭素で0.5Vとあります。

多分中学校の先生が高校の時には実験でやったことがあるかもしれないものです。豆電球をつけるというのではありませんが電流は流れるという意識は持ったと思います。

この本の執筆者は大阪府の高等学校の先生です。高校の実験書でも使われていたと思います。

電池の実験では混乱を防ぐ意味でもある程度持続的な電流が流せるものに話を限定する必要がありと思います。濃淡電池を混ぜ込んでくる人もいますから化学電池に限るとしておく方がいいようです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
でもちょっと混乱してきました。
電流が流れるためにはどちらかの金属が陽イオンとして電解液中に
溶け出さなければならないと理解していましたが…
参考書等のイオン化傾向には炭素がのっていないのでよくわからないの
ですが、この場合、陽イオンになるのは銅のほうなのでしょうか。
銅が電解液中に溶け出すというのはちょっと理解しがたいのですが…

お礼日時:2006/11/23 21:48

間違いですね.


ただ,実際にやるとわずかなら電流が流れる可能性はあります.何で検出するかによりますし,持続もしないでしょうけど.
それは,現実の銅の表面はかなり酸化されていて酸化銅になっており,一方,炭素は炭素で表面がどうなっているかわからないような状態で,酸化銅の還元がおこらないとは言い切れないからです.しかし,これには再現性もないでしょうし,そもそも中学理科で議論するような話ではありません.
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
確かに中学理科で議論するような話ではないですね。

お礼日時:2006/11/23 21:37

これは明らかに間違いだと思います。


銅を黒鉛に替えた場合には亜鉛が溶け込み電池としての反応が起き電流が流れますが、銅と黒鉛が両極では液相に溶け込むイオンがありませんから外部から電圧を掛けない限り溶液内を電流が流れることはないでしょう。
m(_ _)m

参考URL:http://www.chemistryquestion.jp/situmon/shitumon …
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この回答へのお礼

そうですよね。回答ありがとうございます。
ちなみに、その中学校の先生が実際に実験を
してみたところ、電流が流れたと聞いたのですが、
これはどんな要因が考えられるのでしょうか。

お礼日時:2006/11/21 21:40

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