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ラマン分光を用いて、大学で研究をしようとしている者です。
本をいくつか読んだのですが、ラマンに関していまいち理解できなくて困っています。
ラマン分光は、励起波長によって得られるラマンシフトは変化するのでしょうか?
同じ試料であれば、励起波長を変化させてもラマンシフトは変化しないものなのでしょうか??

よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

ラマン散乱は、凄くおおざっぱに言えば、電子的にも振動的にも基底状態にある物質が励起光により仮想的に励起され、その状態から電子的な基底状態に戻るときに、(ある確率で)振動励起状態に行ってしまうために、励起光に比べて、振動励起状態と振動規定状態のエネルギー差だけフォトンエネルギーの低い光が出てくる現象です。


ですから、ラマンシフト量は励起光ではなく、物質の状態間のエネルギー差により定まるために、物質固有であり励起光非依存になります。
励起光の波長によりシフトする波長量が異なるのは、実際に計算してみれば理解しやすいでしょう。たとえば、1000cm-1のラマンシフトを与える物質があったとします。これを1ミクロン(10000cm-1)の光で励起すると出てくるラマン光の波数は10000-1000=9000cm-1、一方、500nm(20000cm-1)の光で励起すると20000-1000=19000cm-1、あとは、それぞれの逆数を取れば波長に戻せますが、1ミクロンで励起した場合には10%程度波長が変わるのに対し、500nmの場合には、波数が大きいので相対的に変化が小さくなることが見て取れると思います。
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この回答へのお礼

astra0641さん

非常に助かりました!
返信が遅くなって申し訳ありません。
とてもわかりやすく、疑問を解決することができました。
さっそく今週末、ラマンを用いた実験をするつもりです。
本当にありがとうございます!

お礼日時:2007/05/22 13:38

ラマンシフト(励起光とラマン散乱光のエネルギー差)は励起波長に依存しません。

ただし、波長はエネルギーに比例していないために、励起波長とラマン散乱光の波長の差は励起波長に依存し、励起波長が長いほど差が大きくなります。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。励起波長に依存しないのですね。
>「波長はエネルギーに比例していないために波長とラマン散乱光の波長の差は励起波長に依存し、励起波長が長いほど差が大きくなります。」
とのことでしたが、波長はエネルギーに比例していないことは分かるのでが、なぜ波長とラマン散乱光の波長の差は励起波長に依存し、励起波長が長いほど差が大きくなるのでしょうか。
また波長とラマン散乱光の波長の差が励起波長に依存するのであれば、なぜラマンシフトには影響を及ぼさないのでしょうか。
よろしくお願いいたします。

お礼日時:2007/05/17 03:25

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