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吸着という現象を勉強しているのですが解らないことがあり質問させていただきます。
参考書を読むと液体窒素温度で測定した際の理論が多くのっています(というか殆どですね)、液体窒素温度で測定したときは吸着量自体も多いのですが25℃とかの常温にすると殆ど吸着してくれません。これは何故なのでしょうか?周囲の人に聞いたところ分子が活性化するためと言われましたが、活性化すると何故吸着しないのですか?
また、同じ理由なのかもしれませんが、液体窒素温度でHeが吸着しない理由も教えてください。

基本的過ぎるためか、WEBサイトを探してみてもうまくヒットしません。申し訳ありませんがご教授ください。
(基本的なことが記載されているサイト等をご存知でしたらそれも教えてください)

A 回答 (4件)

> 液体窒素温度で測定した際の理論が多くのっています



理論に温度が何度であるかははとくに関係ありません.なので,読み方が何かおかしいと思われます.

液体窒素温度での窒素吸着は広く行われますが,それは窒素の物理吸着を測るためです.物理吸着というのは,基本的には凝縮,つまり気体が液化する現象ですから,その圧力での沸点以上ではおこりようがありません.液体窒素温度では 1 atm の窒素が凝縮平衡(気液平衡,つまり気体と液体が共存できる)になります.この温度でこれより低い圧力では本当はすべて気体になるはずですが,固体の表面ではある程度の量は凝縮して(液体といえるかどうかは議論の余地がある)存在できるというのが物理吸着の本質です.
本質的に気体の液化現象なので,温度が高ければ液化しにくい,それは分子運動が激しくなるからだ,という基本理解は必要でしょう.

窒素を液体窒素温度で吸着させるのであれば,1 atm で吸着量∞になるはずであり(液化がおこる),それ以下の圧力では有限の吸着量が得られるわけです.温度を上げればより高圧にしなければ同じ吸着量は得られません.逆に温度を下げれば同じ圧力でも吸着量は増えます.このことから,(常圧での)沸点をはるかに超えた温度では,圧力をよほど上げなければ吸着はおこりません.

ただし.常温では窒素は圧力をいくら上げても液化しません(超臨界状態).なので,常温での窒素吸着は,たとえ高圧にしても BET 型の挙動にはならないでしょう.He は確認していませんが,77K でも超臨界状態のような気がします.
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この回答へのお礼

私が心のそこからほしかった回答にちかい内容です。しかも
わかりやすく解説していただきましてありがとうございました。

お礼日時:2007/07/11 23:17

No1の回答をしたものです。

誤解を招く表現をしてしまったので補足します。「この吸着は、Van der Waals力での吸着のあとは気体の凝縮のようなものですから、」と書いてしまったのですが、凝縮もVan der Waals力に由来します。ただBET理論では最初の1層目の吸着と2層目以上の多層での”液化”で力に差があるように扱っています。それがBET式のcに入っておりまして、c=exp(E1-E2)/RTのようになります。E1-E2は1層目の吸着熱と2層目以降の液化熱の差です。なお、BET理論は多層の物理吸着全般に適用できるはずのものですから、液体窒素温度でのAr吸着(この場合Arの飽和蒸気圧は250 mmHg)あるいは液体酸素温度での窒素吸着(この場合窒素の沸点以上の温度ですので、窒素の飽和蒸気圧は2700 mmHg)という吸着実験も可能です。
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この回答へのお礼

補足説明ありがとうございました。
もっと勉強したいと思います。

お礼日時:2007/07/11 23:22

#1のjamf0421さんが詳しく回答されていますので以下は感覚的な説明です(笑い)。


>周囲の人に聞いたところ分子が活性化するためと言われましたが、活性化すると何故吸着しないのですか?

吸着されていた分子が温度の上昇と共に元気に動くことになり(活性化:分子の伸縮・屈伸振動が激しくなったり、等々)、ゆるい手(吸着力)の束縛力を振り切って空間に飛び出していくからだと思います。
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この回答へのお礼

なるほど、感覚的に考えるとこのような感じなのですね!
ありがとうございました。

お礼日時:2007/07/11 23:13

質問者さんは液体窒素温度での窒素の吸着を勉強されたのだと思います。

それは吸着の一つの分野で、窒素の物理吸着による固体表面積の評価の方法に関するものです。(BET法)この場合窒素は固体表面と化学結合をつくらずに固体表面に多分子層吸着します。吸着等温線からBET法により単分子層吸着量を計算し、これに分子の断面積をかけて固体表面積を出します。
この吸着は、Van der Waals力での吸着のあとは気体の凝縮のようなものですから、窒素の沸点である液体窒素温度では吸着が進みますが、窒素の沸点からかけ離れた温度である常温では吸着は起こりません。
Heの液化温度は液体窒素温度(77K)よりも更にかけ離れて低いのです(4.2K)。しかもHeはもっとも不活性なガス(他との相互作用が弱い)なのでもっと吸着しにくいでしょう。
因みに触媒反応などで意味をもつ吸着は、そうした物理吸着ではなく、分子が固体表面と化学結合を作る化学吸着です。このタイプの吸着は常温あるいは更に高温でも起こります。
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この回答へのお礼

ご教授ありがとうございました。

常温でなぜ吸着しないか良くわかりました。
化学って難しいですね、もっと勉強したいと思います。

ありがとうございました。

お礼日時:2007/07/11 23:12

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