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空芯コイルのインダクタンスについてですが、
「巻線長、巻回数が同じ場合、太い線と細い線でどれくらいインダクタンスが違うか?」ということに疑問を持っています。

手許にあるデータでは、太い線でも細い線でも同じ結果になるデータ(図表)しかないのでお尋ねします。

例として
 径(C-C間)   10mm
 巻線長(C-C間) 20mm
 巻回数      20t
という条件で、
 (1)0.5mmΦエナメル線
 (2)1.0mmΦエナメル線(密巻)
では、それぞれどれくらいのインダクタンスになるでしょうか?

また、線径を考慮した空芯コイル計算図表または計算式をご提示いただけると有難いです。

よろしくお願いいたします。

A 回答 (2件)

インダクタンス計算の理論値は線径ゼロのものなので、厳密には半径を考慮した計算が必要でしょう。

しかも、巻き数が増えると線径によって全体のコイル径も変わってきますし。

線径が細くなると問題なのは、直流抵抗が増加することによる「銅損」の増加だと思います(高周波で電流が表面しか流れない表皮効果によって直流抵抗はさらに増加しますが)。線長と巻回数が等しい場合は、細い線径のほうが隣接線との距離が大きくなって線間容量は減るので、共振周波数は高くなるはずです。

さて、核心の質問「太い線と細い線でどれくらいインダクタンスが違うか」ですが、手元の電磁気学の演習書によれば、コイルでなく真直の円柱の自己インダクタンスですが、線径や電流分布によって異なるようです。結果だけ書くと以下のようになります。ただし L をコイルの長さ、a を線の半径、μ をコイル線の透磁率、μ0 を真空の透磁率とします( 線材が銅ならμ = μ0 )。

(1)均一電流の場合
   L = μ*L/( 8*π ) + μ0/( 2*π )*【 L*ln[ { L + √( a^2 + L^2 ) }/a ] - √( a^2 + L^2 ) + a 】
   L >> a なら
   L ~ L/( 2*π )*[ μ/4 + μ0*{ ln( 2*L/a ) - 1 } ]

(2)表面にだけ電流が流れている場合
   L = μ0/( 2*π )*【 L*ln[ { L + √( a^2 + L^2 ) }/a ] - √( a^2 + L^2 ) + a 】

a が小さい場合、どちらもインダクタンスが大きくなると思いますが、どれくらいの増加率かは実際に計算してみてください。この演習書には、有限長ソレノイドコイルのインダクタンスの計算法(いわゆる長岡係数の計算法)が出ているのですが、こちらはちゃんと理解していないので、線径を考慮したソレノイドコイルのインダクタンスの計算法づぐには分かりませんが、直線の自己インダクタンスの増加率とほぼ同じと考えていいのでしょうかね?

科学カテでo--iotyaさんがリップル率の質問をされていますが..

この回答への補足

いつも丁寧なご回答有難うございます。

簡易式を用いて判断すると、前項:[μ/4]と
後項:[ μ0*{ ln( 2*L/a ) - 1 }]の
どちらが支配的かということにかかってきますね?
前項が十分大きいなら、線径の影響はほとんど無視できる
・・・この点どうなのでしょうか?

o-iotyaさんはいつもまじめな補足を入れておられますね。
回答するほうも大変張り合いがあります。
今回のリプル率はすでに適切な回答が入っているようなので、
(とわたしは思う)、わたしの出番はないと思っています。(-_-;)

補足日時:2007/07/08 18:20
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細かい計算はしていませんが、ほとんど差は無いと思います。


(巻き線ピッチ1mmの中の電流分布分の差:仮想的に1mmφの導体を用意して、1mmφに電流が分布するか、中心の0.5mmφに分布するか、の差で、導体の内部インダクタンスに相当する部分が変わる程度かと思います)
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