
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
「擾」という字を漢和辞典(漢字源)で調べると大略つぎのように書いてあります。
《解字》 右側の部分はもと人の子どもの形に似たさるを描いた象形文字。狃ジュウとも書き、人にじゃれつくさるのこと。擾は、もとそれを音符とし、手を加えた字で、人になれたさるのように、うるさくじゃますること。
「慣れた猿のようにうるさくじゃれつく」というのが原義のようです。
意味として三つ挙がっています。
《意味》(1)(動}みだす。みだれる(みだる)。ずるずるとかき回す。うるさくじゃまをして、みだす。「騒擾ソウジョウ」「擾乱ジョウラン」
(2){形}わずらわしい(わずらはし)。じゃまをしてうるさい。また、騒がしい。
(3)動}ならす。なれる(なる)。じゃれつく。また、じゃれるように、なつかせる。「擾竜=竜ヲ擾(なら)ス」
この中で(1)の「擾」は「うるさくじゃれつく」という意味からそのまま派生したものでしょう。(3)の「ならす」という意味は、「慣れる」という自動詞の意味が他動詞に転化したものでしょう。「猿回しの猿のように慣れる」という自動詞の意味から「猿回しの猿のように慣らす」という他動詞の意味が派生したものと思われます。
甘いが「からい」になったり、苦いが「あまい」になったりすることはありえませんが、漢字には一見相反する意味を持つことがときどきあります。これを反訓(はんくん)というそうです。一例をあげます。
【乱臣】ランシン(1)反乱などをおこして国を乱す臣下。(2)乱れた天下をよくおさめる能力のある臣下。
漢字「乱」にも「みだす」という訓と「おさめる」というふたつの相反する訓があるのです。複雑怪奇(^^)
この回答へのお礼
お礼日時:2007/08/29 16:40
ご回答有り難うございます。
反訓という用語は初めて知りました。
用語が考案される程度には同様の漢字がある事が分かり、大変勉強になりました。
No.3
- 回答日時:
>漢字がこのように相反する意味を持つのは一般的な事なのでしょうか。
それほど一般的とは言えませんが、常用漢字にもそのような例があります。
「残」「殖」
これらの部首の「歹」は「死」や「損害」を表すものです。
「残」はもともと「ひどく損なう」という意味ですが「のこる・のこす」という意味を持つようになりました。「残酷」「残忍」には元の意味が伺えます。
「殖」は「くさる」の意味でしたが「植」に通じて「植える」から「ふえる・ふやす」の意味に変わりました。
この回答へのお礼
お礼日時:2007/08/29 16:53
ご回答有り難うございます。
会意文字はやはり部首の意味に注意を払う必要がありますね。
最近、字自体は簡単な漢字の奥深さを痛感しています。
No.2
- 回答日時:
この字を会意兼形声とする辞書(漢字源2003)では、
「右側の部分は、子どもの形に似たさるを画いた象形文字で、人にじゃれつくさるのこと。」とした上で、「もとそれを音符とし、手を加えた字で、人になれたさるのように、うるさくじゃまをすること。のち音符を憂に書き誤り擾と書くようになった」としています。
この説によれば、なれたさる=うるさくじゃまをするさる、ということから来ることのようですから、まんざら相反しているというわけでもなさそうです。多義字というところでしょうか。
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