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物理学を学んで修士課程を終えたとして就職でどうのような選択肢がありますか?

A 回答 (5件)

buturidaisukiさん、こんにちは。



就職のことはやはり気になりますよね。同じようなことを普段よく尋ねられるので、多くの卒業生を見てきた経験から現実にどうかということを書かせていただきます。

まず、結論から書きますと、ANo.1~ANo.3の皆さんも書かれているように、本人さえしっかりしていれば、大抵の会社は選択肢に入ると思います。

ANo.4さんは、分野は影響は受けると書かれていますが、ある程度、そういうこともあるでしょうが、それほどではないと私は思います。というのは、元々、理学部を卒業する場合には、勉強した「知識」をそのまま使って企業で活躍するというセンスよりも、むしろ、そこで習得した「能力」を生かすというセンスだからです。逆にもし工学部を卒業しても、そこで学習した知識がそのままどんぴしゃで企業でも使えるケースは珍しいようです。

また、物理の中での理論と実験の違いですが、私の知る限り、理論だと実験よりも会社には不利ということはないと思います。それには二つ理由があります。一つは現代の産業の現状は、IT系に重点が移ってきていて、理論系なら殆どの場合コンピューターをかなり使いますので、その面でかえって有利であること。もう一つは測定器や作業機械の使い方などは、実験系だからといって同じ機械を使うとは限りませんし、どちらにしても入社後に勉強するケースのほうが多いと思われるからです。

企業の中で、理学部出身の人が工学部出身の人よりも少ない主な原因は、日本中で工学部の定員が非常に多いことでしょう。私の見る限り、卒業生が就職で苦労するケースは、分野というよりも、むしろ個々人のパーソナリティに依ることが多いように思われます。企業では周りの環境に柔軟に順応してくれる人、しっかり意思疎通の出来る人を好むでしょうし、当然、企業の利益にかなわないことをしたいという人は、どんな学部の卒業生でも取らないでしょう。


次に具体的な現状を書きます。どこの大学とは、もちろんここでは書けませんが、卒業生の就職先はやはりIT係を中心に製造業が多いです。それは元々日本の産業構造自体がIT係に重点が移ってきているためだと思います。一言にIT係といっても、かなり幅が広いですし、IT係以外の製造業も多いです。どんな製造業でも最近はコンピューターはかなり使うと思われます。

製造業の中には当然、民間企業の研究所に就職するケースもあります。民間企業の研究所では、ごく一部の例外を除いて、その企業の利益に直結することを研究します。その内容は、物理学に基礎を置いた研究もありますし、物理学とは直接の関係のない研究をすることもあります。物理の卒業生はどちらの方向にも進んでいます。ただし「直接の関係のない」と言っても、物理はあらゆるものの基礎になりますから、殆どのものは何らかの関係はあります。

次に多いのは、公務員や中学高校教諭だと思います。その場合は、もちろん、公務員試験の勉強や、教員免許をとり教員採用試験の勉強をする必要があります。

製造業に比べれば、数は少なくなりますが、商社や金融関係に就職した人もいます。また特殊な例ではパイロットになった人もいます。


せっかく物理学を勉強したのに、就職した後に直接に関係のないものをやるのは勿体ないとか、しんどいとか思われるかもしれません。しかし、ANo.3さんも書かれているように、物理学というのは、あらゆる学問や科学技術の基礎であり、また、知識そのものを使わなくても、物理学を学ぶ過程で習得した「現実に根ざした論理的思考」というのは、どんな分野にも共通に必要なものなのです。ANo.4さんも書かれているように、「仮説・検証・修正」という物理学の方法は、あらゆることに適用が可能です。

また、「知識の陳腐化」ということがあります。技術というものは日進月歩ですから、大学でどんな分野の学問をした場合でも、どのみち入社後にも勉強をし続けていかないといけません。しかし理学系と工学系の違いは、理学部で勉強したことは、時間が立って成り立たなくなるようなことではないというところです。物理で言えば、力学や電磁気学などの知識が陳腐化することは未来永劫ありません。それらは自然界の法則だからです。ところがある特定の「技術」というものは、多くの場合数年で陳腐化してしまいます。

さらに、逆に基礎的な知識が必要になったときに、技術だけを学んでいた人が基礎に立ち戻って勉強しなおすのは、大変なエネルギーが必要になります。一度でも基礎を十分に勉強したことがある人は、忘れてしまっていても、少し勉強すれば思い出すことができます。基礎をしっかり勉強した上に応用を勉強するほうが、応用だけを勉強しているより安心です。

これは教育関係に進む場合も同様だと思います。やはり理学部でしっかりその分野の内容を勉強しつつ教員免許も取るほうが、教育学部で教員免許をとるよりも好ましいと、個人的には思っています。(両方やるのは確かに大変ですが。)


最後に、修士課程に進むメリットについて付け加えます。学部で、およそ力学、電磁気学、量子力学、熱統計力学を学習するわけですが、それは学問の基礎の部分です。卒業研究~修士課程で、研究(らしきもの)に手を染めることにより、その基礎部分の知識の本当の意味が、より正しく深く理解できます。また、現実の問題を考えることにより、「問題解決能力」も身につけることができます。研究の世界では必要に応じて問題を自分で整理して設定する能力が求められます。誰かがきれいに作った問題を解くだけの話ではなくなってくるのです。そのような能力はどんな分野に就職しても必要とされるものです。大学院ではその部分も学ぶことが出来るはずです。
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この回答へのお礼

とても詳しい回答をありがとうございます。aquarius_hiroさんのおっしゃる所、やりたい研究が出来るという人は稀有だというのを感じとてもショックをうけました。最先端の研究というのはやはりいろいろなところで実績を積んでからしか触れることができないということでしょうか。やはり物理学を学んだという事は就職においてかなりの武器になりうるのですね。僕は研究したい分野がいくつもあるので専門分野にとらわれにくい物理学をとるべきだなと思いました。ありがとうございました。

お礼日時:2007/09/24 19:52

難しい問題だよね。

物理といっても範囲が広いから分からないな。いまさらニュートン力学を大学院でやっている人はいないと思うけど。僕のいたような機械系の多くの会社はニュートン力学しかいらないんだよ。

荒っぽく言うと、理論物理と、実験物理に分けられるよね。
 実験物理をやっている人は、比較的会社にはすんなりあうと思うよ。
 理論物理をやっている人は、頭がよすぎて会社ではいずらいだろうね。やっぱり大学か、高等研究所なんじゃないかな。物理は一生の仕事として研究するんだったら、アメリカがいいよね、学生時代はファインマンの物理の教科書とか勉強して、すごくアメリカがうらやましかったから。プリンストン大学を見に行ったことがあるけど、森と湖に囲まれた大きな敷地の中に、古い建物が湖沿いに点在していて、アインシュタインはここで研究したんだと思うとすごくうらやましかったよ。
 ただ、これも一般論で、実験物理をやっていた江崎さんが、ソニーやIBMに就職したけど、なじんでいたかどうかは分からないな。少なくとも湯川さんや朝永さんは大学に残ったから。

後、分野は影響受けるよ。
 素粒子論とか天文物理だと普通の会社だと、何を会社でやりたいのって聞かれると思うんだ。暗黒エネルギーをやりたいんですなんて言ったら人事部の人間は面食らうだろうね。
 量子力学は、うまくはまれば、電機メーカーや通信研究をやっている会社で、いい仕事ができるかもしれないよ。
 固体物理だと、そのまんま使える所があるでしょう。半導体メーカーでも大歓迎だと思うし、材料メーカーだって研究所では必要だと思うよ。

唯、就職するときに、大学はサイエンスをやるところで、会社はテクノロジーだということを言っても、なかなか会社では通用しないことだね。工学部で数年間やってきたことなんかは、会社ではほとんど役に立たないんだけど、どこの学部を出たかで就職できるかどうか、就職後の配属先も決まってほとんど決まるよ。只、会社によっては理学部から何人か取りたいと決めているところもあるから、ビッグバンの研究でも何でも、たまにだけど大丈夫なときはあると思うよ。
 とにかく、会社によってすごく違うし、人事部や受け入れ部署の人間が何を考えているかによってすごくちがって一概に言えないと思うよ。

 僕がいた会社は自動車会社さったけど物理の人間が少しはいたよ。宇宙物理をやっていたのもいるし、素粒子論をやっていたのもいるよ。企画だったり、研究所で仕事をしているけど、大学でやっていたこととはまったく違うことをやっているね。

 物理と、会社の仕事の同じ点は、仮説を立てて、検証(実験)して、そして、仮説を修正するということ。これがきちんとできていれば、仕事を進めていくのは大丈夫だと思うよ。
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この回答へのお礼

Anjin-EVさん回答ありがとうございました。やはり物理を学んだ人は知識ではなくその頭脳で仕事をこなす事を要求されるんですね。僕は理論物理のほうがいいかなと感じました。それにしても会社に行こうが大学に残ろうが激しい競争の中に身をおかなければならないのですね。どこかマイペースで研究をしているような研究所はないものでしょうか。とにかくありがとうございました。

お礼日時:2007/09/24 19:17

何をやりたいのかを考えて下さい。


1.物理学は多くの学問の基礎です。
2.物理学を学んだ人は、論理的な考え方を身につけています。
3.計算も、実験もしてこられたでしょうから、実務にも長けておられます。
4.もっと世俗的には、コンピュータにも詳しいでしょう。

これならあらゆる分野で活躍出来るでしょう。No.1, No.2 の方が言われる通りです。
就職口を心配されるより、ご自身の実力を付けること。目標(やりたいこと)を絞ることをお勧めします。
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この回答へのお礼

まあ選択肢がたくさんあるとわかったので自分がどのような道に立っているのかわかったので安心しました。ありがとうございました。

お礼日時:2007/09/24 19:06

理学系物理のものです。



ANo.1さんの言うとおり、なんでもありです。

私の知り合いの範囲で、化学メーカー、IT、いわゆるメーカー、工場系、銀行、保険、公務員。
一般的に思いつく職種は結構行くことが出来ると思います。


あえて言うならマスコミ系に行った知り合いはいませんね。
あとは、特殊技能が必要なもの。司法系や医者など。
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この回答へのお礼

医者ってのは意外でした

お礼日時:2007/09/24 19:01

理工系卒(物理学科に近い)の者です。



就職の選択肢は、(言い過ぎかもしれませんが)ほぼ「何でもあり」です。
電気電子、電力は勿論のこと、IT、化学(の素材開発部門)、金属、輸送用機器(自動車など)、精密・計測機器、銀行・証券・金融、教諭、学者・・・・・

私の友人の例では、
理学部物理学科卒とか工学部の金属・原子力関係学科卒の奴らがいましたが、その中で、某総合サービス業大手(社員数7千人超)、金融などに就職したのがいます。
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この回答へのお礼

学んだ知識を生かせる仕事だけでなく頭を使う仕事も有りなんですね

お礼日時:2007/09/24 19:00

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