包括的根保証債務の連帯保証人となっている者です。
主たる債務者は、無資力ではありません。
期日の定めがないため、来年の4月1日(2日)をもって元本が確定する
と思われます(平成17年4月1日改正・経過措置)。
そして、おそらく元本の確定の瞬間に、債権者である銀行から
主たる債務者あるいは連帯保証人である私に弁済請求が来るのだと
思うのです。私は連帯保証人なので、催告の抗弁権を有しておりません。
そこで元本の確定=弁済期の到来をもって、主たる債務者に対して
「事前の求償を求める」(法406条)ということに何らかの意味はあるのでしょうか?
たとえば、銀行に対する抗弁にはならないとしても、主たる債務者との関係
においては、何らかの意味はありますでしょうか?
たとえば、事前求償権という債権に基づく差し押さえ等は可能でしょうか?
(1)銀行から私への請求→(2)弁済拒否→(3)私の財産の差し押さえ
という(1)の前に、「私による、主たる債務者の財産の差し押さえ」等は
不可能なのでしょうか?
No.1
- 回答日時:
>そして、おそらく元本の確定の瞬間に、債権者である銀行から
主たる債務者あるいは連帯保証人である私に弁済請求が来るのだと
思うのです。
元本確定後に発生した具体的な主たる債務については包括根保証人の責任の対象とはならない(元本が確定前に具体的に生じていれば、それに対する利息や損害金は元本確定後に生じても、保証の対象となります。)というのが元本確定の意味であって、その具体的に発生した主たる債務の弁済期がいつかというのは、主たる債務の発生原因となった契約の定めによります。従って元本確定=弁済期の到来ではありませんが、主たる債務の弁済期が到来したと仮定して以下、回答します。
>たとえば、事前求償権という債権に基づく差し押さえ等は可能でしょうか?
事前求償権の要件を満たしていれば可能ですが、その前提として債務名義(例えば、確定判決正本)が必要です。(被保全債権の存在と保全の必要性を疎明すれば、仮差押は可能です。)
>(1)銀行から私への請求→(2)弁済拒否→(3)私の財産の差し押さえ
という(1)の前に、「私による、主たる債務者の財産の差し押さえ」等は不可能なのでしょうか?
実際問題として、銀行が御相談者に対して、債務名義を取得して強制執行をする前に、御相談者が主たる債務者に対して債務名義を得て強制執行することは困難でしょう。主たる債務者に資力があるくらいならば、主たる債務者は弁済期に債権者に弁済するのが通常でしょう。
この回答への補足
御回答ありがとうございます。
(1)元本の確定について
つまり、元本の確定とは、保証すべき債務が確定することであって、
債務の弁済期は各債務の契約によって各々異なっている、ということですね。
そうすると、銀行の請求は、あくまで各債務の弁済期ごとに、(保証債務の
合計額から見れば)分割的に、請求行使されていくということですね。
いずれにせよ、今回の改正(+経過措置)は、確定前2か月以内に契約更改等
をしない限り元本が確定するということでしょうから、連帯保証人にとっては
たいへん有難い立法だと言えます。
一方で契約更新や再契約等で紛糾する場面が頻発することも予想されますね。
(2)仮差押について
事前求償権を被保全債権として、破産財団等に参加を表明することの意義は
理解できる(法460条の1)のですが、仮差押をする場合の被保全債権として、
事前求償権を挙げることはできるのでしょうか。
No.2
- 回答日時:
>仮差押をする場合の被保全債権として、事前求償権を挙げることはできるのでしょうか。
もちろん可能です。事前求償権もその中身は単なる金銭債権です。
この回答への補足
何度もありがとうございます。
すいません、私の言葉が足りなかったですね。
金銭債権に過ぎないということ、理論としては私も理解しておりましたが、実際に
事前求償権を被保全債権として仮差し押さえを行った事例はあるのでしょうか?
No.3
- 回答日時:
>事前求償権を被保全債権として仮差し押さえを行った事例はあるのでしょうか?
調べたわけではないので、事例は存じ上げません。私の単なる想像でしかないのですが、仮差押をしている事例は少ないのではないでしょうか。
ANo.1でも回答しましたが、主たる債務者に仮差押さえできる財産があるくらいならば、弁済期の到来と同時に主たる債務者は債権者に弁済するのが通常であり、弁済されれば事前求償権は問題になり得ません。事前求償権が問題になるとすれば、主たる債務者が払いたくても払えない状態(無資力)であることが多いのではないでしょうか。そうなると仮差し押さえるべき財産を見つけることは困難でしょう。
度々ありがとうございました。
無資力であることが多い。私も大抵はそういう状態なのだと思います。
今回のケースに関しては、元本の確定とそれまでに債務者の資力が尽きていない
ことを楽しみに待っているしかなさそうですね。
…ところで、法460条の2が適用になる(なった)場面としては、他にどんな
状況があるんでしょうかね?
よくわかりません。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
>…ところで、法460条の2が適用になる(なった)場面としては、他にどんな状況があるんでしょうかね?
保証人が主たる債務者に対して金銭債務を負っている場合、事前求償権と相殺することができます。
それから、460条1号の場合、主たる債務者について破産手続開始の決定がなされ、かつ、債権者がその破産財団の配当に加入しないときに求償権が生じるのに対し、460条2号ならば、弁済期が到来すれば事前求償権が生じますから、主たる債務者について破産手続開始の決定がなされた場合、債権者がその破産財団の配当に加入するかどうか関係なく、事前求償権を破産債権として届出をすればよいことになります。
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