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人間の体というのは、伸ばすと同時に曲げるということはできるのでしょうか。
例えば右腕を伸ばす筋肉を使いつつ同時に曲げる筋肉を使うという状態です。うまく力がつりあえば伸びもしないし曲がりもしない状態になると思いますが、人間の意志でそんなことは可能でしょうか。
私は筋肉の構造に関してはほとんど知識がありませんので、知識のある方から見たならなんとおかしなことを言う人だなと思われるかもしれませんが、ふと疑問に思いましたので、質問してみました。
もしよければ解る方、ご回答お願いします。

A 回答 (3件)

こんにちは。


このようなことは運動を実現したり姿勢を保ったりするために我々の身体では無意識に行なわれていることです。ですが、飽くまで無意識でありますから、これを自分の意志で行うというのはちょっとできません。

我々の身体の筋肉(随意筋)といいますのは運動神経中枢から送られて来る信号によって伸び縮みします。筋肉には裏と表がありますから、縮む筋肉と伸びる筋肉には同時に別々の信号が送られます。
仮に「縮まれ」という信号を「+」、「緩め」という信号を「-」としますならば、
「伸筋(+)/屈筋(-):伸ばす」
「伸筋(-)/屈筋(+):曲げる」
「伸筋(+)/屈筋(+):静止する」
「伸筋(0)/屈筋(0):安め」
といった運動が可能になります。
運動中枢からはこのような信号の組み合わせが目的や状況に応じて事細かに送られて来ますので、我々は複数の筋肉を使って様々な運動を順序立ててスムースに行なうことができます。
ですが、このような細かな計算を行なっているのは大脳皮質ではなく「小脳」です。ですから、筋肉のひとつひとつに「+」や「-」の信号を指定して身体を動かすというのは自分の意志でできることではありません。

自分の意思による「随意運動の命令」といいますのは、大脳皮質の前運動野でプログラムされ、一次運動野から「皮質錐体路」を通って全身の運動神経に出力されるものです。ですが、この途中には「小脳」と「大脳基底核郡」を経由する「錐体外路」という運動制御回路があり、実際の筋肉の「動き」や「組み合わせ」といいますのはここでコントロールされます。小脳は筋肉の細かい動きを「運動記憶情報」として学習する機能を持っており、運動の手順といったものは大脳基底核が憶えています。
例えば机の上のマグ・カップを取ってコーヒーを飲むというのは明らかに自分の意志による随意運動です。ですが、そのためにどの筋肉をどのような順番で動かすかは小脳や大脳基底核に訓練・学習された「運動記憶」によって無意識にコントロールされています。では、大脳皮質では筋肉のひとつひとつに命令を出すのではなく、「マグ・カップを取れ!」と念ずるか、自分がそれをする動作を頭の中でイメージするだけで良いのです。後の手順は小脳と大脳基底核がちゃんと憶えおり「目的通りの組み立て・修正」を行なってくれます。ですから、大脳皮質は自分の意志で伸筋と屈筋の「+・-」を決定することはできないのですが、「手を伸ばしたまま静止させろ!」という命令を出すならばその通りになってくれます。
体操の選手が吊り輪競技で十字懸垂なんてものをできるのは、それは自分の根性で筋肉を静止させているのではなく、その信号の組み合わせが小脳に学習されているからです。もちろん、筋肉そのものも鬼のように鍛えなければ無理ですが。

この回路には身体内外からの様々な知覚情報が入力されています。
例えば、
「マグ・カップまであとどのくらいか:視覚感覚」
「自分の姿勢はどうなっているのか:三半規管感覚」
「自分の関節は今どのくらい曲がっているか:内臓感覚」
運動修正回路(皮質錐体外路)にはこのような情報が常にリアル・タイムでフィード・バックされており、小脳はこれを基に筋肉への「+・-」を瞬時に切り替えたり、あるいは加減したりすることによって我々の身体の「精密な運動」を司っています。
では、この小脳の機能が損傷しますと「企画振戦」といった障害が現れます。こうなりますと、マグ・カップを取ろうとするならば手や指が途端に震え出し、目標に近付くほどその震えが酷くなるという不思議な症状が現れます。これは、伸筋と屈筋に「+・-」を送って手を静止させるという作業が大脳皮質ではなく、小脳によってコントロールされているからです。
「企画」といいますのは自分の意志で何かを行なうという意味です。ですが、それを制御できるは大脳皮質ではありません。小脳が働かなければ裏と表の筋肉の均衡が執れませんので、何かをしようとした途端に位置が定まらなくなり、自分の意に反して手や足がぶるぶると震え出すことになります。もちろん、小脳が損傷しますと他にもめちゃくちゃ様々な運動障害が発生します。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

心臓をはじめとして、自動的に機能するものが人間の中にはたくさんあるんですね。
そうなると、人間が自分の意思で行っていることなんて微々たる物なのかもと思えてきました。

人間の体が会社みたいに見えてきました。経営者の命令を社員が実行する。
それでも脳や各臓器が勝手に動いてくれるといっても、不思議なことに運動したり勉強したりといったときに発生する苦しみだけはしっかりと、意志ある人間が受け止めなければならないのですよね・・・その点は会社とは違うなぁと思いますが・・・

お礼日時:2007/09/25 18:27

関節には関節を伸ばす伸筋と関節を曲げる屈筋があります。

今関節を曲げようとするときは屈筋が働きます。この際に屈筋を主動筋,その運動を妨げます伸筋を拮抗筋といいます。伸ばす際は主動筋と拮抗筋はその反対になります。

一般的にリラックスした状態では拮抗筋は働きません。しかし,両方が働いてしまうことがあります。この状態が同時性収縮です。「体がガチガチだ」とか「力みすぎだ」とか表現される状態です。このような状態になることを避ける目的でストレッチが行われます。拮抗筋に「主動筋が働いているときは,あんたは働いちゃだめだよ」と教えるわけです。難しくは拮抗筋が働かない反射があるのですがそれを目覚めさせてから運動にはいるわけです。
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この回答へのお礼

再びのご回答ありがとうございました。

拮抗筋は動作によって入れ替わるのですね。
確かに体がガチガチに震えている状態は、小刻みに曲がったり、伸びたりしているといえますね。

お礼日時:2007/09/25 18:08

そのような関節の角度が変化しない運動を等尺運動と言います。

「等尺運動」で検索かけてみてください。鉄アレイをある角度で持ち続ける等の運動です。病後・病気中で関節の角度を変化させることが出来ない場合にも等尺運動なら可能です。ただしこれは無酸素運動の領域(ウェイト・トレーニングと同じです)になりますから管理した上で実施しないと危険ですが…
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

等尺運動で検索をかけてみました。
等尺運動は外力に対してつりあうということなんですね。
調べていく過程で同時性収縮という言葉もみつけました。
これは外力ではなく拮抗筋同士で力がつりあうようですが、単純に腕に力をこめたなら拮抗筋が両方とも活動すると思っていいのでしょうか。それだと単に力を入れているだけで伸ばすのと曲げるのを同時に行っているようには感じないのですが。

お礼日時:2007/09/24 21:16

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