複素数z,wの間にw=1/z の関係があり、zは条件|z-1|≦1, z+z-≧2を同時に満たすものとする。(z-はzのバーです)
(1)zの表す(複素数平面上の)点の存在範囲を図示せよ
(2)wの表す点の存在範囲を図示せよ
(1)でzは中心1半径1の円の右半分が答えになりました。
そこで(2)なんですが、w=1/zからzの存在範囲をwに伝えるときに解答ではz=x+yi, w=X+Yi,とおいて実部虚部を見比べて何とか関係式をつくってそれを(1)で求めた軌跡の式に代入しているのですが、ややこしくてなかなか自分でできません。考えてみたんですが、z=r(cosθ+isinθ)とおくと、w=1/z=r(cosθ+isinθ)^-1=r(cos(-θ)+isin(-θ))とかけますよね?ここから視覚的に(1)で求めた図形からwの表す点の存在範囲を図示することはできないのでしょうか?また、できないならそれはなぜでしょうか?よろしくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
>(1)でzは中心1半径1の円の右半分が答えになりました。
これは正しくて,
|z-1|≦1・・・(a) から中心1,半径1の円の周および内部(いわゆる円板)
z+z-≧2 ⇔ (z+z~)/2≧1 ⇔ Re(z)≧1・・・(b) から実部Re(z)≧1の部分(右半分)
ですね.ただし,例えばzの共役複素数はz~のように表すとします.
するとz=r(cosθ+isinθ)・・・(*)とおくと,0<=r<=1,-π/2<=θ<=π/2 の部分と表して十分です. (w^2=z となるwの範囲を・・・などとなると,一般角でないとマズイでしょうが,ここではそういう話ではないので,黙って先に進みます.)
ただし,この(*)は使わない方針で解きます.
[(2)の解答]
(前半)
w=1/z (≠0) よりz≠0なので,
z=1/w を|z-1|≦1に代入,
|z-1|≦1
⇔|1/w -1|≦1
⇔|1-w|≦|w| [w≠0より,両辺に|w|>0 を掛けた]
⇔|w-1|≦|w|・・・(c)
ここから ⇔|w-1|^2≦|w|^2 ⇔ (w-1)(w~-1)≦ww~ ⇔ w+w~≧1 ⇔ Re(w)≧1/2
ともっていっても出来ますが,
(c)⇔|w-1|≦|w-0| から,wは点1からの距離よりも点0からの距離の方が大きいかまたは等しい任意の点なので,2点0,1を結ぶ線分の垂直二等分線 Re(w)=1/2 またはそれの点0から遠い方(右側)で, 結局 Re(w)≧1/2
(後半)
同様に(w≠0なので) 第2式に z=1/w を代入すると
z+z~≧2
⇔1/w +(1/w)~≧2
⇔1/w +1/(w~)≧2
⇔(w+w~)/(ww~)≧2
⇔(w+w~)/|w|^2≧2
⇔(w+w~)≧2|w|^2 [w=1/z (≠0)より|w|^2>0を両辺に掛けても同値]
⇔(1/2)(w+w~)≧|w|^2
⇔(中略)⇔|w-1/2|^2≦(1/2)^2
⇔|w-1/2|≦1/2
つまり 中心1/2で半径1/2の円の周および内部
以上より
|w-1/2|≦1/2 かつ Re(w)≧1/2 の部分(全体)
[別表現]中心1/2で半径1/2の円の周および内部のうち,実部が1/2以上の部分(右側で境界を含む部分)
[別解]
最初からw=1/zは『反転』なので,大学生以上なら一般論からあっさり周上の数点の行き先と内部は内部にうつされるということから結論を得てよいでしょうが,それ以外だとこのやり方では致命的な減点かも.
ミスタイプも含め何か不都合があったらクレームをつけて下さい.
こんにちは。お返事ありがとうございます。
>z=r(cosθ+isinθ)・・・(*)とおくと,0<=r<=1,-π/2<=θ<=π/2 の部分と表して十分です.
zは中心が原点でないんと思うのですが、上の式で良いのですか?rも1≦r≦2かなとおもうんですが・・・。
>⇔|w-1|≦|w|・・・(c)
ここから ⇔|w-1|^2≦|w|^2 ⇔ (w-1)(w~-1)≦ww~ ⇔ w+w~≧1 ⇔ Re(w)≧1/2
ともっていっても出来ますが,
(c)⇔|w-1|≦|w-0| から,wは点1からの距離よりも点0からの距離の方が大きいかまたは等しい任意の点なので,2点0,1を結ぶ線分の垂直二等分線 Re(w)=1/2またはそれの点0から遠い方(右側)で, 結局 Re(w)≧1/2
なるほど、よくわかりました!そのままwで計算しても十分いけますね!ポイントはするのは2つの条件に別々にw=1/zを代入して共通の範囲を求めることですね!
後半の解答もよく分かりました。答えもバッチシ合ってましたし、完璧ですね!複素数の扱い方を勉強するいい問題だと思いました。断然こっちの方がわかりやすいし、楽で早いのでこちらをマスターしたいと思います。
どうもありがとうございました!
No.6
- 回答日時:
#3です。
「お礼」の中の疑問、ごもっともです。解答はおっしゃるとおりで、私はその一部分しか述べなかったことになります。
元の図形は半円周と直径、およびこれらに囲まれた領域からなります。
w = 1 / zという反転によって得られる図形もまた半円ですが、
もとの半円周が新しい直径に、
もとの直径が新しい半円周に移っているということが重要です。
なお、両者に囲まれた部分(内部)は反転後も内部に移されています。
私が#3で述べたのは、
「半円周が直径(つまり線分)に移される」
という部分だけであり、さらに半円周だと範囲が面倒なので
「全円周が直線に移される」
という解説を行ないました。
これと同様の議論によって、直線が円周に移されることも示すことができ、
さらに「内部は内部に移る」という部分も省略してしまいました(^^;)
いずれ学ぶことになる「反転」の理論の
一端を見てもらおうと思って欲張り過ぎたために、
かえってご質問の趣旨から逸脱してしまったかもしれません。
極座標については私が以前に回答した
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=292925
の#3をどうぞ。
極座標そのものは複素数を全く知らなくても理解できます。
平面上の点を指し示す方法は何も(x座標, y座標)という表しかただけが
唯一のものではなく、他にもいろいろある、というだけの話です。
この上に複素平面を導入したとき、
直交座標に即して複素数を表すと「x + yi」となり、
極座標に即して書けば「r(cosθ + isinθ)」となりますが、
後者のような「複素数の書き方の流儀」を「極形式」と呼びます。
お返事どうもありがとうございました。極座標というのも難しい話ではなかったのですね。要は使おうとするかどうかの話ですね。普段聞けないお話も聞けて世界が広がりました。そこで、もう一度#3へ戻ってみると今度は仰っていることがよく分かりました。うれしかったです。ありがとうございました!
No.5
- 回答日時:
#2の者です.
>>z=r(cosθ+isinθ)・・・(*)とおくと,0<=r<=1,-π/2<=θ<=π/2 の部分と表して十分です.
>zは中心が原点でないんと思うのですが、上の式で良いのですか?rも1≦r≦2かなとおもうんですが・・・。
失礼しました.これは式が大間抜けでした.中心1,半径1の円なので(次式は z-1=r(cosθ+isinθ) を変形したと思っても良いが,分かればそのまま書いても良い)
z=1+r(cosθ+isinθ)・・・(*)とおくと,0≦r≦1,-π/2≦θ≦π/2 の部分
でした.(rは点1から見た極座標での動径(絶対値)です.またr=0のときは偏角θはもともとは不定で,少し雑ですが,この記述で通常は十分許されます.) ただし,#2の回答では,以下全く使っていませんので,他に変更はありません.訂正させて下さい.
こんにちは、再度お返事ありがとうございます。
なるほど、そういうことでしたら納得です。#2の回答は非常にわかりやすかったので自分でもう一度解けるように練習してみます。今回はどうもありがとうございました!
No.3
- 回答日時:
本質的な部分だけ抽出するために、ちょっと問題を改変します。
■複素数zの軌跡が中心(1)・半径1の円である
(円周のみで内部を含まないが、全周を動く)
とき、w = 1 / z の軌跡を求めよ。
方法はとにかく、答は
「点(1/2)を通り、虚軸に平行な直線」
となります。
ご質問では x + yi と置かずに r(cosθ + isinθ) の形のままで
解答を得たい、ということだと思いますが、
これはすなわち複素平面上に極座標を設定して
議論を進める、ということに他なりません。
ということは、まずはzの軌跡である円周を極座標で捉える必要があります。
どういうことか理解するために、ちょっと例題をやってみましょう。
■極座標平面(r, θ)において、次の方程式で表される図形を答えよ。
(1) 「r = 1」
これは要するに「原点からの距離が1である点の集合」ということですから、
答は「原点を中心とする半径1の円周」ですね。
(2) 「rcosθ = 1 / 2」
極座標(r, θ)は直交座標では(rcosθ, rsinθ)ですから、
左辺はx座標を表します。したがって
「x座標が1/2(y座標は何でも良い)である点の集合」
というわけで、答は直線になります。
直交座標で言えば「x = 1/2」という、y軸に平行な直線です。
(3) 「r = 2cosθ」
これは難しいので、軌跡上の点を(x, y)と置いて調べてみます。
両辺にrを掛けると「r^2 = 2rcosθ」
ここでr^2 = x^2 + y^2、および rcosθ = xであることを用いて
「x^2 + y^2 = 2x」
これは「(x - 1)^2 + y^2 = 1」と変形されるので、
実はzの軌跡を極形式で表した方程式に他ならないわけです。
以上のように、座標系の違いによって、
同じ図形の方程式が翻訳されるわけです。
準備完了です。
w = 1 / zより、z = 1 / w
zの軌跡上の点を(r, θ)、
wの軌跡上の点を(R, Θ)とおくと、
左辺はr(cosθ + isinθ)
右辺は1 / [R(cosΘ + isinΘ)]
= (1 / R)[cos(- Θ) + isin(- Θ)]
絶対値と偏角を比較して
r = 1 / R かつ θ = - Θ
ここでzは r = 2cosθを満たすので、
1 / R = 2cos(- Θ)
= 2cosΘ
すなわち RcosΘ = 1 / 2
これが点wの満たすべき条件ですから、
例題(2)から直線であることがわかります。
r = 0の場合やθの範囲などを無視しておおざっぱに書きましたが、
概略は以上のとおりです。
こんにちは。お返事どうもありがとうございました!
>方法はとにかく、答は「点(1/2)を通り、虚軸に平行な直線」となります。
すいません、解答のほうは、 中心1/2半径1/2の右半分の半円になったのですが・・・。
すいません、極座標というのがどんなのかよくわからないのですが、極形式ではダメなのでしょうか?
No.1
- 回答日時:
図示はできます。
でもその前に一箇所間違ってるところがあるので訂正します。
>w=1/z=r(cosθ+isinθ)^-1=r(cos(-θ)+isin(-θ))
とありますが
w=1/z={r(cosθ+isinθ)}^-1=r^-1(cos(-θ)+isin(-θ))
の間違いです。
それで、図示の方法ですが(1)より
0<=r<=1,0<=θ<=π/2
ですよね。
よって
1<=r^-1,-π/2<=-θ<=0
となり、存在範囲はわかります。
第四象限から単位円をひいたやつですね。
こんにちは。お返事ありがとうございます。
>w=1/z={r(cosθ+isinθ)}^-1=r^-1(cos(-θ)+isin(-θ))
の間違いです。
そうですね。大変失礼いたしました。
>それで、図示の方法ですが(1)より
0<=r<=1,0<=θ<=π/2
ですよね。
う~ん、なんでそうなるのかよくわからないのですが。
>第四象限から単位円をひいたやつですね。
すいません、答えは中心1/2半径1/2の右半分の半円になりました・・・。
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