
NO.#37752の解答を考えていて、疑問が生じました。(NO.#37752は、「酸はアルコールとカルボニルのどちらに配位するか」です。)
「普通の有機反応は酸と塩基で説明できる。」とB3の頃に有機の授業で習った記憶から、NO.#37752の解答をした(酸解離定数を持ち出した)のですが、よく調べたら、実際の場合のプロトンの挙動とは逆になっていました。
教科書によると、
R-C(=OH+)-R -> R-C(=O)-R pKa -7
RCH2-OH2+ -> RCH2-OH pKa -2
となっています。(Marchです。)
これをすなおに解釈すると、「アセトン-メタノール混合溶媒に硫酸をたらすとメタノールにプロトンがつく。」となりますよね。 ...(1)
でも実際には、この反応ではアセトンジメチルアセタールができます。当然アセトンカチオン経由ですよね。 ...(2)
今まで、(1)なんか考えたこともなく、(2)の実験をしていたのですが、私はいったい何にだまされているのでしょうか?
a)(1)の解釈を誤っている。
b)(1)の参照すべきデータが間違っている。
c)そもそも、酸解離定数を持ち出したのが良くない。
d)その他、、
現役ではないとはいえ、もと有機化学専攻としては非常に恥ずかしいのですが、聞くは一時の恥。どなたか、疑問を吹き飛ばしてください。よろしくお願いします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
NO.#37752の質問をしたbigseaです。
私の考えを書きます。あまり参考にはならないかもしれませんが。
まず、プロトンの配位は、アルコールとカルボニルの間で平衡になっているはずです。メタノールにプロトンが配位した中間体を考えますと、次の段階は脱水が起こりメチルカチオンができそうです。しかし、それだと活性化エネルギーが大きそうだし、その生成したメチルカチオンの行き場がありません(ジメチルエーテルが生成しそうですが)。
一方、カルボニルに配位したとすると、ご存知のような経路を経てアセタールを生成します。
反応生成物を決めるには、熱力学的支配なのか、速度論的支配なのかを考える必要があると思います。この反応では、両方の寄与が、アセタールの生成を有利にしているのではないでしょうか。
ありがとうございます。
熱力支配、速度支配、現役のときもよく忘れてて、なやんでいました。
別に、カルボニルに一つもプロトンがついてないわけじゃないですからね。さらにいくらアルコールにたくさんプロトンがついていても、脱水縮合なんて普通の条件では進まないし、行く先は一つ、アセタールですね。
なっとく!(胸に手を当てながら)です。
No.2
- 回答日時:
rei00 です。
masa1000rx さん,恐ろしい質問(?)をされますね。私も今までの知識に不安が生じ,知った様な顔で(文章で)回答してきたのが心配になりました。で,その心配を拭うために一生懸命考えましたぞ。a)(1)の解釈を誤っている。
間違っているというよりも「メタノ-ルにもアセトンにもプロトンが付く」と考えた方が良いと思います。その程度は異なるでしょうが。
b)(1)の参照すべきデータが間違っている。
この可能性が最も高いと思って,今図書館へ行って幾つか教科書を見てきました。残念ながら(?)デ-タはあっているようです。但し,pKa がマイナスになると水中での測定ができないので,適当な塩基との酸塩基平衡を基に pKa を求めるため,若干その数値は怪しいものになるそうです。とはいっても,-2 と -7 がひっくり返るとは思えませんよね。
c)そもそも、酸解離定数を持ち出したのが良くない。
プロトン化の話は別にして,反応の解釈を酸解離定数だけで考えるというのは,bigsea さんも回答されている様にチョット問題かなと思います。
d)その他
では,どう考えればよいかですが。アルコ-ルは I 効果だけでカルボニルには R 効果があります。そのため,炭素側のδ+性はカルボニルの方が大きいので,反応はカルボニル側で起きると考えられます。
いかがでしょうか。
ありがとうございます。
わざわざ、図書館まで行っていただいて、申し訳ありません。本当は、化学系の図書館が近くにあれば良かったのですが、現在の図書環境が医学系中心のうえ劣悪で、、、
a)とc)については私の頭の固さの証明になってしまいました。おはずかしいかぎりです。常々柔軟にとは思っているのですが、なかなか改善の傾向が見られません。
で、d)ですね。結局どちらが反応しやすいかという問題になるわけてすね。そうですよね、結局アセタール化は平衡反応なわけですし、エネルギーの高い生成物がたまる訳ないですね。
非常にすっきりしました。今日は安心して眠れそうです。
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