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「風向(ふうこう)」あるいは「風向き(かざむき)」は、「風の吹いてくる方向」、「風上の方角」をいいますが、なぜそういう意味になるのか教えてください。

「漢字源」(学研)によれば、「風」の意味は、「ゆれ動く空気の流れ」。 「向」の意味は、「むく、むかう、ある方向をむいて進行する」、解字は、「『宀(やね)+口(あな)』で、家屋の北壁にあけた通気孔を示す。 通風窓から空気が出ていくように、気体や物がある方向に進行すること」とあります。

漢字の意味からすると、風が進む方向をいうような気がします。
なぜ、「風向」が「風上の方角」となるのでしょうか。

よろしくお願いします。

A 回答 (8件)

ANo.4です。

もう少し説明させて下さい。
日葡辞書に【cazamucai】→カザムカイと読んで、風と向き合っていること。風上の方向に向いていること。・・・と出ていました。
明治に入って、坪内逍遥の「当世書生気質」などにも出てくる「風向き」は、風上の方向を指していたようです。
気象用語についても同じです。

ANO.1さんの「向く」の解説でもわかりますように、「正面が位置するようにする。対する。面する」ということで、「向く」、「向かう」、「迎える」などは、みな同根です。
昔の人は、風と向き合って、その方向から来る風のことを指していたということになります。

気象用語の「風向」は、この流れを引き継いで「風上の方角」を指しています。

一方、現代和語の「風向き」については、以下の通りです。

↓Goo辞書(「大辞林 第二版」)
(1)風の吹いてくる方向。
(2)物事のなりゆき。形勢。
「試合の―が変わる」
(3)人の気分、機嫌。
「社長の―がよくない」

(2)「試合の風向きが変わる」や(3)「社長の風向きがよくない」は、風向きの方向は【進行方向】と考えるのが妥当でしょうね。
それが現代人の感覚であり、質問者さんの今回のご質問の動機と共通するところがあるのではないかと推量します。

右岸・左岸について、↓ここの「うがん・さがん」に多少出ています。
http://business3.plala.or.jp/fusuido/new_page_64 …

>立場といえば、船に乗り海で働く人たちも、海から陸を見たとき、川下に向かって右岸左岸という定義に従うのでしょうか?

・・・横レスですみません。
海上保安庁の巡視船が日誌に「右岸」「左岸」と書くのであれば、定義に従っていると思います。
漁船の漁師さんの場合? 「右岸」「左岸」とは言わんでしょう。指を差して「あっち側の岸」ですますのじゃないかな(笑)。

方向といえば、船の右舷・左舷はいいのですが、面舵・取り舵は厄介です。語源を調べていきますと、梶棒を動かす方向と船の進行方向が逆になりますので頭がこんがらがってきます。
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この回答へのお礼

丁寧に解説いただき、本当にありがたいです。
感謝申し上げます。

右岸左岸についてのコメント、ありがとうございました。

>・・・横レスですみません。

とんでもありません。

お礼日時:2008/04/09 09:48

ANo.4,6です。


>「QNo.3915206:『南よりの風』の『より』について
この質問者さんの見方は面白いです。質問文の一部を再掲します。

・・・この「より」は、「海寄りの道」や「右寄りの意見」などのように寄る方向を示しているのでしょうか。だとすれば、「南寄りの風」とは「南の方に寄って吹く風、すなわち北からの風」になるような気がしますがいかがでしょうか・・・

この質問者さんの考え方は・・・
(1)「より」は、、「海寄りの道」や「右寄りの意見」などのように寄る方向を示している。
(2)だとすれば、「南寄りの風」とは「南の方に寄って吹く風、すなわち北からの風」になる。
・・・ということで、「南寄りの風」を「南の方へ向かって吹く風」と解釈しています。
「より」は「寄り」でいいと思います。
ところが「~寄り」を「~の方へ向かって」と取ったわけです。

この質問者さんは、気象用語の「風向」すなわち「南の風」は「南から北へ向かって吹く風」ということについては、疑問を挟んでいらっしゃいません。
しかし、「南寄りの風」は「南の方へ寄って吹く風」だから「南の方へ向かって吹く風」ではないのか、とおっしゃっているわけです。

まあ、そういう風に取れないこともないですが、
まず、気象用語の「南の風」は「南から北へ向かって吹く風」を正しいとして考えなければなりません。そして「寄り」という語の意味を調べてみましょう。

国語辞書で調べますと、次の通りです。
【寄り】ある方向へ近づいて位置すること、またその位置。
私は「大体そっちの方」という意味に捉えています。

これによれば、「寄り」は「ある方向へ向かって進む」というよりは「ある方向に位置する」といった方が正しいでしょう。
「海寄りの道」は「海に向かって行く道」ではなくて、「海沿いの道」が正しく、「右寄りの意見」は「右に向かって進んで行く意見」ではなくて、「大体、右の方に位置している意見」でしょう。

この質問者さんは、相撲部のご出身かもしれません(^-^。相撲の「寄り」は真っ直ぐ電車道で寄り切ると、褒められます。それで「真っ直ぐ南に向かって」と感じられたのかもしれません。
しかし、普通、「寄る」という言葉の語感からは「真っ直ぐ」という感じは受けませんね。「横」というイメージが強いです。

こういうことから、「南寄りの風」は「おおかた南の方から吹いてくる風」ということで、あとは気象予報士のおじさんのホームページでご確認ください。↓
http://www.tbs.co.jp/morita/qa_kaze/faq_030605-4 …

「風向き」「方向」・・・いろいろあって楽しめます。しかし、一生懸命考えていると、頭の中がこんがらがってきますね。
ま、現在の定義とされるものに、合うように説明させていただきました。コジツケがあるかもしれません。

今現在、われわれの頭の中が、マッサラの状態であるとして、改めてここで「風向の定義」を決めなきゃいかんとなったら、「風上の方向」か「進行方向」なのか、どっちになるかわかりませんね。
(ただ今回の質疑応答は他の質問に触れていますので、規約違反と取られ、削除されるかも知れません。別に悪口を言っているわけでもありませんので、残しておいて欲しいですがね。)
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この回答へのお礼

願いを聞いていただき、心から感謝いたします。
理解が深まりました。

ご指摘のように、「寄り」を「~の方へ向かって」と考えました。
頭の中は、「寄る」という動作とその方向のイメージでいっぱいでした。
「寄り」は、おっしゃるように「ある方向に位置する」ですね。
「~に近いほう。~に寄ったところ。(広辞苑)」という位置を表現しているのですね。

教えていただいた「風向き」の意味も考慮しながら、
「南寄りの風」を、「風向きが、南東から南西に亘る南に近い方角の風」あるいは
「南に近い方角から吹いてくる風」と理解しました。

不勉強ゆえ、多くの言葉を付け加えないといけませんでした。
でも、おかげさまで今はスッキリです。

以前、そば屋で、「つけとろのぬき」と注文した方がいました。
何のことか、とても不思議でした。
後日、意味が分かりましたが、あのスッキリ感と同じです。

ありがとうございました。

お礼日時:2008/04/11 14:42

> 右岸左岸の話も、面白いですね。


> 確かに、山に登る人にとって「右岸」は左手の岸ですね。
> その人の立場によって、反対に呼びたくなる例ですね。

登山で右岸・左岸が問題になるのは、専ら沢登りの場合になります。この場合は混乱回避のために、進行(遡行)方向右側を「右手」、反対を「左手」と呼びます。つまり「右岸・左岸」の呼称を避けているだけで、右岸・左岸の定義が逆になるわけではありません。


> 立場といえば、船に乗り海で働く人たちも、海から陸を見たとき、
> 川下に向かって右岸左岸という定義に従うのでしょうか?

右岸・左岸は地理用語ですから、海で働く人々にとっても変らない筈です。陸上と海上とで無線連絡を取り合う場合もあるでしょうから、むしろ統一されていないと混乱の元になると思います。

【余談です】
やはり地理用語で「堤外・堤内」という言葉があります。堤防から見て川側が堤外で反対が提内なのですが、地図を眺めていると「あれ、逆じゃ‥?」という錯覚を起こしそうになります。
これも風向と同じ理屈で、人が住む側から見た内と外ということになります。
では、堤外民有地に住んでいる人々は何と‥?
多分、堤外はあくまで堤外でしょう (笑)
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この回答へのお礼

右岸左岸についてのコメント、ありがとうございました。

堤の内外の考え方、よくわかりました。
ありがとうございました

>では、堤外民有地に住んでいる人々は何と‥?
>多分、堤外はあくまで堤外でしょう (笑)

私も、思わず笑ってしまいました。

お礼日時:2008/04/09 10:14

ANo.2は舌足らずでしたので、追記します。



> なぜ、「風向」が「風上の方角」となるのでしょうか。

先に書いた「追い風」、「向かい風」は、要するに “人から見て” 風がどちらから吹いて来るかということを表わしています。また「東風(こち)」、「南風(はえ)」といった古語の例からも、古来人々が風向というものを “風の” 進行方向ではなく、風がやって来る方向で捉えていたことは明らかです。
その辺の感覚は現代でもまったく一緒で、北風という言葉を聞いて、それを「北に向かって吹く風」と考える人は先ずいません。ですから、一般的には「風向」=「風上の方角」と捉える方が自然であり、この言葉が「風の進行方向」という物理学的?な捉え方で使用されるケースはごく稀だと言えそうです。

なお、国語事典によっては、漢語の風向(ふうこう)は「風が吹いてくる方向」で、和語の風向き(かざむき)は「風の吹く方向」であるという面白い説明をしているものもあります。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

納得いたしました。
いろいろ、お調べいただき感謝申し上げます。

お礼日時:2008/04/06 20:53

>漢字の意味からすると、風が進む方向をいうような気がします。


・・・漢字の意味はおおせの通りと思います。
そこで、和語ではどうなのか考えてみました。

「風向」という言葉が、切支丹時代(1600年代初頭)にできた日葡辞書に、次のように出ていました。
【cazamucai】:風と向き合っていること、風上の方向に向いていること。

風と向き合っている方向が、風向きだということです。
今の私たちは自動車を運転し、また電車によく乗りますので、「物体の進行方向」について、始終意識する生活に慣れています。
ですから、「風向き」と聞くと「風の進行する方向」と考えてしまいます。

しかし、昔の人にとっては「風と向き合った方向」だったようです(風の立場で考える習慣はありませんでした^.^)。
それが、明治に入って「かざむき、ふうこう」となっても変わらず、現在に至っているようです。
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この回答へのお礼

いろいろ、お調べいただきありがとうございました。
納得いたしました。

また、よろしくお願いいたします。

お礼日時:2008/04/06 20:45

例えば南から北に向かって吹く風は、風に正面向かって風を受けている人から見ればその人は南に向かっているのだから、気象庁の定義のように南向きの風と言うかもしれないし、風から見れば北に向かっているから、気象庁とは反対に北向きの風と言っても、論理的には共に可能です。

ですから気象学では何故それを南向きの風と言うことに決めたか、それを特別に正当化する論理はないと思います。

気象庁の定義とは反対に、南から来る暖かい風を北向きの風と呼ぶことにすると、「暖かい」と「北」が頭の中で混乱してしまうという人も確かにいるかもしれませんが、それでも習慣付けてしまえば、違和感はなくなると思います。

これと同じような例で、多くの人たちが混乱するのものに、川の右岸と左岸の定義があります。地理学ではこの場合、川の流れに向かって、すなわち川上から川下に向かって見たときの右側を右岸と呼ぶことになっています。登山等をして谷川や沢沿いの道を通るとき、登りでは川上に向かって歩いておりますので、右岸と左岸を混乱してしまう私は経験を何度もしたことがあります。

言葉の使い方では、論理的な側面と、習慣の側面の両方が共に重要な役割を演じますので、論理的側面ばかりに気を取られていると、言葉の役割の本質を見誤ってしまうこともあり得ます。例えば論理的には正しくても、「山茶花」サンザカと読んだり、「お数珠」をオズジュと読んだりしたら、笑われてしまいます。このように、国語とは、論理一辺倒の一筋縄ではいかないところに得体の知れない深みがあり、私が好きなところです。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。 

 ところで、辞書に、海流の向きを表す「流向」という言葉がありました。
そして、第六管区海上保安本部海洋情報部HPに下記の解説がありました。

◎潮流とは---潮汐の干満に伴って起こる海水の周期的な流れのことをいう。
(途中省略)
○流向-----潮流の流れ去る方向のことをいう。例えば、北から南の方向へ流れる潮流は、南流という。(注:気象用語の風向は、北から南の方向へ吹く風を北風といい、流向とは反対である。)
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN6/mame/topic23.htm


 右岸左岸の話も、面白いですね。
確かに、山に登る人にとって「右岸」は左手の岸ですね。
その人の立場によって、反対に呼びたくなる例ですね。

立場といえば、船に乗り海で働く人たちも、海から陸を見たとき、川下に向かって右岸左岸という定義に従うのでしょうか?

お礼日時:2008/04/06 20:40

風にとっての風向(行く先)と風を受ける側から見た場合の風向(吹いて来る方向)があります。


気象用語としての「風向」は、厳密さが求められる関係上後者の意味に限定していると考えられます。

ちょっと話がずれますが、「追い風」、「向かい風」という言葉があります。これ等は風にしてみれば極めて不愉快な表現と言えます。自分は誰かに配慮して吹いているわけではないのに、たまたま同じ方向に進む人間は追い風と呼んで歓迎し、逆に進む人間は向かい風と呼んで疎ましがる‥
人間は勝手だ! (笑)
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この回答へのお礼

ほんとうですね。 「向かい風」にはあまり好いイメージありませんね。 そんなネーミングされて、風が可哀そうですね(笑)。

ありがとうございました。

お礼日時:2008/04/06 20:33

風向の「向」は「「向く(むく)」からきています。

「むく」とは、「正面が位置するようにする。対する。面する」ということですから、風向とは風が吹いてくる方向に位置する(風に対する)ことを指し、風の吹いてくる方向のことを「風向」というようになったのです。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2008/04/06 20:28

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