
民事執行法151条では「給与その他継続的給付に係る債権に対する差押えの効力は・・・差押えの後に受けるべき給付に及ぶ」とあります。
即ち、債務者の勤務先を第三債務者として、債務者の給与債権請求権の差押えは、その債務者が勤務している限り、債権者は全額完済まで毎月取立することができます。
ところが、勤務先が銀行に振込によって給与が支払われている場合、銀行を第三債務者としなければなりません。
そのような場合は、民事執行法151条の適用はなく「銀行に届いたときの残金だけが差押えの対象額」と教えられました。
そうだとすれば、債権者からみれば第三債務者名が違うだけで、実質、内容は同じなのに取立額が大きくかわります。
私の実務例では、いずれの場合も、差押債権目録は「・・・金額に満まで」として請求しています。
つまり、申立時では、継続と非継続は、違いはないのですが、何時、誰が何処で違いを判断しているのでしようか ?
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
>そうしますと、労働者(債務者)の給与等労働報酬請求権も預金者(債務者)の払い戻し請求権も、その1度とは限らないと思います。
>何故、前者が「継続的」で後者が「非継続的」かがわからないのです
給付が継続的に予定されているかどうか,がメルクマールなのだと思います。
給与等労働報酬請求権に基づく給付は,労働契約に基づいて,勤務している限り定期的に発生が予定されています。
しかし,預金債権は,個々の預け入れによって新たに発生しますから,発生は予定されていません。
このあたりは,151条の立法趣旨を考えてみるとよいのではないでしょうか。
継続的な給付については,新たな給付の度に差押えをしなければならないとすると,債権者にとっても裁判所にとっても手間です。
給与や家賃や分割返済金のように,定期的な発生が分かっているのなら,差押えの効力を及ぼしても,債務者にも第3債務者にも予測可能性がありますから,問題は生じにくいため,例外としてこれを認めたということでしょう。
一方,預金口座のようなものについて,差押え時以降の入金にまで差押えの効果が及ぶとしてしまうと,そこには誰がいつ入金(振込)してくるか分からないわけですから,債務者や第3債務者にとって酷ということになります。
給与の振り込みも,そのたびに給与支払者が振り込んでいるところ,給与の支払いが定期的であるために,事実上定期的に振り込まれているにすぎないのです。
そもそも,差押えというのが,個人の経済的な自由の例外なのですから,そのような場合にまで例外を認める必要はないと考えられます。
この件について、今、裁判所で聞いてきました。別件のついでですが。
質問内容は「継続か非継続」と云うことですが、これは、給与と賃料だけで、他は全て「非継続」だそうです。
私の長年の実務経験では、その度に、取下勧告によって取り下げていました。
この点について、取下しなければ、請求債権に満まで差押えの効力はあるので、完済まで事件としては終了しない、と云うことのようです。
継続の場合は、その旨、申立書に記載するようです。
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
その2つは,実質が全く異なるように見えます。
勤務先は,差押え時点で,労働契約に基づき,債務者が勤務することによって継続して発生する給与を支払う債務を負っています。つまり,労働契約に基づく継続的な給付です。
これに対し,銀行は,差押え時点で債務者に対して口座に寄託されているお金を返還する債務を負っているにすぎません。将来の給与の振込は,その時点での新たな寄託契約で,それに基づいて新たに返還債務を負うことになります。つまり,銀行を第三債務者とした場合には,給与の支払い発生ごとに1個の契約に基づく債権が発生しているので,「継続的な給付」とは言えません。
ですから,勤務先を第三債務者とするか,銀行を第三債務者とするかは大きな違いがあります。
余談ですが,銀行口座を差し押さえられたら,債務者は給与の振込先を別の銀行口座に変更するでしょうから,いずれにせよ将来部分をとるのは困難ではないでしょうか。
なるほど、労働契約と預託契約の違いですか。
勤務先の差押えは、労働者(債務者)の給与等労働報酬請求権の差押えです。
一方、銀行に対する差押えは、預金者(債務者)の銀行に対する預金払い戻し請求権を差し押さえるのです。(返還義務の差押えではない)
そうしますと、労働者(債務者)の給与等労働報酬請求権も預金者(債務者)の払い戻し請求権も、その1度とは限らないと思います。
何故、前者が「継続的」で後者が「非継続的」かがわからないのです。
現実には、銀行の場合、一旦、差押えとなれば、その口座は解約するのが一般的ですから「1度だけ」となりますが、「解約まで差押えの効力あり」は間違いでしようか ?
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