天使と悪魔選手権

機器分析の問題を解いています。
化合物名 chavicol
(フェノールのパラ位に2ープロペンが結合したもの)
IUPAC名;2-プロペニルフェノール
という化合物のプロトンNMRによるシグナル解析なのですが、
アリル位の水素が、幅広いダブレットになる理由を教えて下さい。
私なりに考えてみたのですが、ベンジル位かつアリル位である、ということくらいしか特徴は考えられません。ですが、このことがどう寄与しているのかもわかりません。
回答よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

ふつうのアリル基のアリル位のトリプレット(もしくはダブルダブレット)の各線が、芳香環プロトンとの小さなカップリングによって幅広くなるので、重なり合って見た目上は幅広い一本線になる、と考えればいいです。

ビシナルカップリングによるダブレットの分裂は、今の場合この線幅の広がりよりも大きいので、観測されるシグナルは幅広いダブレットになります。

【ふつうのアリル基の場合】アリル位のHは、まずアリル基の2位のHとのビシナルカップリングによって、ダブレットになります。このダブレットピークはさらに末端のCH2とのカップリングによってトリプレット、もしくはダブルダブレット(トランスHとのJとシスHとのJが違うため)に分裂します。

【4-(2-プロペニル)フェノールの場合】アリル位のHは芳香環のHとカップリングしていますから、さらに複雑に分裂します。そのため理想的な条件でNMRスペクトルが測られていれば、非常に複雑な分裂をしたピークが現れると予想されます。しかし、ふつうのNMR測定装置では、そこまでスペクトル分解能(ピークを一本一本区別して観測する能力)が高くないので、芳香環による分裂は観測されずに、トリプレット(ダブルダブレット)の個々の線幅が広がったように観測されます。教科書のどこかに「カップリングが非常に複雑になれば、マルチプレットというよりもむしろ一本の幅広のシグナルに見える」ということが書いてあると思いますので、参照して下さい。
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この回答へのお礼

お返事遅れてすみません!!
非常に参考になりました!今回の問題に限らず、他の問題にも応用できそうです!!分かりやすい回答本当にありがとうございました。

お礼日時:2008/08/09 08:37

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