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四面体錯体、八面体錯体のそれぞれの配位子場分裂パラメーター(それぞれΔt,Δoとする)の大小を決めたいのですがよく分からないので質問させてください。
教科書にはΔt<(1/2)Δoとあるのですが詳しい理由が書いてありません。詳しい理由を教えていただけませんか?
感覚的には四面体錯体のほうが配位子の数が少ないのでd軌道分裂が小さく、Δt<Δoとなりさらに四面体錯体の配位子は弱配位子場のもの(例えばCl-)が多いのでよりいっそうΔtが小さくなるのは分かります。これらの理由以外にΔtが小さくなる要因がありましたら教えてください。

A 回答 (1件)

> 四面体錯体のほうが配位子の数が少ないのでd軌道分裂が小さく、


はい、そうです。これが、二つある理由のうちのひとつです。

> 四面体錯体の配位子は弱配位子場のもの(例えばCl-) が多いのでよりいっそうΔtが小さくなる
いいえ、そうではありません。
 ふつう、Δt<(1/2)Δoという時には、四面体錯体と八面体錯体で配位子が同じであることと、金属イオンと配位子の間の距離が二つの錯体で同じであることを、暗に仮定していますから、この考え方は適当ではないです。

> これらの理由以外にΔtが小さくなる要因
配位子の方向を向いたd軌道が四面体錯体には存在しない、というのが二つ目の理由です。
 八面体錯体では、dx2-y2軌道とdz2軌道のローブ(軌道のふくらみ)が配位子の方を向いているのに対して、dxy軌道とdyz軌道とdzx軌道のローブは配位子を避ける方向に向いています(例えば参考URLの図3)。そのため、dx2-y2,dz2軌道に入っているd電子と配位子の(配位結合に使われる)電子対との反発は、dxy,dyz,dzx軌道に入っているd電子と配位子の電子対との反発より大きくなります。これが、配位子が金属イオンのd軌道を分裂させる原因です。
 一方、四面体錯体では、金属イオンから見ると(1,1,1)方向と(-1,-1,1)方向と(-1,1,-1)方向と(1,-1,-1)方向に配位子があります(適当な図をWebで拾えませんでした。お手持ちの無機化学の教科書で確認して下さい)。金属イオンのd軌道で、これらの方向を明確に向いている軌道はありません。しかし、z軸方向から眺めた図を書くと分かるのですが、dx2-y2軌道とdxy軌道とを比べてみると、dx2-y2軌道の方がdxy軌道よりも配位子から遠く離れていることが分かります。そのため、dx2-y2軌道の方がdxy軌道よりも配位子の電子対との反発が少なくなるので、八面体錯体と同様に分裂が起こるのですが、四面体錯体では、この反発エネルギーの差が八面体錯体ほど大きくないので分裂が小さくなります。

参考URL:http://www.materials.sci.osaka-cu.ac.jp/material …
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この回答へのお礼

確かに四面体錯体では配位子の方向を向いたd軌道がなく、反発エネルギーも八面体錯体ほど大きくないので分裂が小さくなるのですね。
詳しく説明していただきありがとうございました。

お礼日時:2008/08/12 23:43

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