![](http://oshiete.xgoo.jp/images/v2/pc/qa/question_title.png?5a7ff87)
銀行側から見て、超長期の定期預金は、将来もそれだけの利息を払い続けることができるか分からなく、長期になるほどリスクは高くなると思います。
また、短期では、流動性が高すぎて困ると思います。
そう考えると、長すぎる定期のリターンは低く、短すぎる定期のリターンも低い。
どこかに、期待値が最も大きくなるような年数があると思うのですが何年が最大になるかを算出する方法はありますか?
実際、長期ですと金利が低くなるパターンなども、下記URL補足にて書いております。
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa4318459.html
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
1)
真に市場が「効率的」であると信じるなら、そもそも、何年ものの定期が「一般論として」有利か、などという問い自体が意味をなしません。
「(損失の確率も含めれば)すべての金融商品の期待リターンは同じ」です。
もし同じでなければ、有利な商品が買われ不利なものが売られて、市場の歪みが正されるはずだからです。
ただし、真に「効率的」に市場原理で利率や価格が決まるのは、売り手と買い手に情報の非対称性がなく(片方だけが知る情報がない)、双方が値決めに参加できる場合。かつ市場参加者がリターンだけを考慮する場合。
銀行預金は、この条件に当てはまりませんよね。
預金者は口座の使い勝手なども考慮しますから。でなきゃ、利率の低い都銀に預ける人はいなくなるはずです。
そして預金者は素人です。最近、8年や10年の定期が登場したのは、銀行側のインフレ・金利先高予測の現れです。もちろんプロが正しいとは限りませんが。
2)
>うまく言い表わせれられませんが、需要供給曲線の交点のような、どちらにとっても掛け値なしの、リスクリターンの均衡した、交点のような期間は存在しないでしょうかね?
おっしゃりたいことはわかります。
もし金融市場が効率的なら、ある期間の融資が高リスクであれば、そのリスクに応じた金利が要求され、低リスクであれば、高金利では借り手がつかず、低い利率で貸そうという貸し手が現れます。
つまり、短~長期のそれぞれの期間のリスク差は、金利によって調整されるのです。「市場原理によって、貸借期間が一点に収斂する」なんてことにはなりません。
ただし、ニーズのない金融商品は設計されませんよね。
3)
>理論上は10年より30年物を選択すべきでしょうか?
30年ものなどの超長期債券は、国公債です。30年後に企業が潰れている確率なんて、誰にも予測できないので、社債はないと思います。
そして機関投資家向け(一本一億とか?)です。
これがなぜ売れるかの理由は書きました。一般人から見ればハイリスクでも、生保にとってはリスク回避になるのです。
銀行預金は債券と違って、他人に譲渡できません。(譲渡性預金は個人向けではない。)
ふつうの個人が貯金を取り崩すのは、不動産購入時などに集中しますから、超長期でまとめればリスクが集中します。
個人のニーズがないから、30年もの定期預金なんて存在しないと思います。
逆の、30年ローンはニーズがあるので存在します。
4)
銀行などの間接金融は、基本的に短期で借りて長期で融資し、リスクをとることでサヤを稼ぎます。
ある個人の30年後の返済能力はわからないが、おおぜいに貸し付けることで、信用リスクは平準化され、一定の範囲に収まる「はず」です。
(おさまらなかったのが、サブプライム騒動。)
「リスクを転嫁する(保険をかける)にはコストがかかる」のが市場の掟ですよね。逆に言うと、「リスクを引き受ける者は引受料を受け取れる」わけです。
米モノラインのように、同種のリスクを引き受け過ぎると、大変なことになりますが、、、
例えば、「10分の1の確率で100万円もらえ、10分の1の確率で90万払わせられるクジ」と、「必ず1万円当たるクジ」の期待リターンは同じですが、クジの値段が同じなら、誰でも後者を選びますよね?
このクジがオークションされたら、前者は割安(1万円よりずっと安く)になるでしょう。
1本だけ買うと、投資額の80何倍の大損になるかもしれませんが、大量に買う資金力があれば、儲かる理屈です。(個々のクジのあたりはずれが独立した事象であれば、の話。)
というわけで、理論的にはリスクをとれば、プレミアムがついてお得。
預金より債券、それも低格付けの債券(ジャンクボンド)がお得です。
ただし、不運だったときのダメージが、自分にとって大き過ぎたら、元も子もありません。高利回りにひかれてシティのサムライ債を買った人たちは、今ごろ真っ青でしょう。
購入後に金利水準が上がるか、発行体の信用力が低下すれば、転売できても元本割れします。
銀行預金は、そもそも預金者が(解約ペナルティがある場合のインフレリスク以外は)ほとんどリスクを負わないので、リターンもたいして期待できないのです。
個人的には、いまインフレ連動債以外のかたちで資金を長期固定するのは、考えものだと思います。
5)
外貨について。
おっしゃるように、市場が完全に効率的ですべてを織り込むなら、どの通貨に投資しようと有利不利はないはずです。(というのが、「高金利通貨は減価する」という金利平価説の根拠。)
しかし実際には、ある程度の金利差が生まれると、キャリートレードが起きて、しばらくは高金利通貨が増価します。円キャリーブームが記憶に新しいところです。
相場を予測できないという立場に立たれるなら、国際リスク分散以外の目的では、外貨に手を出す理由はありませんよね。
個人的には、ドルやポンドは減価すると見ています。
この回答への補足
とても、丁寧な説明ありがとうございます。
非常に分かり易く、ほとんど理解できたと思います!
いくつか思うところがありますので、ご返信いただけると幸いです。
>定期預金
ライフスタイルに応じて、なるべく長期間、正確に予測し、金利の有利な銀行で定期を購入するのが一番効率が良い。
これが結論でしょうかね。
>インフレ連動債
これは何を指していますでしょうか?
日本では個人で買えるものはなかったように思います。
>外貨について
予測できない派なので、売買をする予定はありませんが、なんとなく、日本円は全通貨からみて売られ過ぎの感があるように思い、そろそろ、逆の流れになっても良いのではないかと思っています。
ただ、累積債務が天文学的な数値になりつつあり、これがとても不安です。このあたりについて何かお考えなどあればお聞かせください。
手数料を払ってでも、世界物価連動国債ファンド愛称:物価の優等生などがお勧めですかね?
No.2
- 回答日時:
1)
真に市場が「効率的」であると信じるなら、そもそも、何年ものの定期が「一般論として」有利か、などという問い自体が意味をなしません。
「(損失の確率も含めれば)すべての金融商品の期待リターンは同じ」です。
もし同じでなければ、有利な商品が買われ不利なものが売られて、市場の歪みが正されるはずだからです。
ただし、真に「効率的」に市場原理で利率や価格が決まるのは、売り手と買い手に情報の非対称性がなく(片方だけが知る情報がない)、双方が値決めに参加できる場合。かつ市場参加者がリターンだけを考慮する場合。
銀行預金は、この条件に当てはまりませんよね。
預金者は口座の使い勝手なども考慮しますから。でなきゃ、利率の低い都銀に預ける人はいなくなるはずです。
そして預金者は素人です。最近、8年や10年の定期が登場したのは、銀行側のインフレ・金利先高予測の現れです。もちろんプロが正しいとは限りませんが。
2)
>うまく言い表わせれられませんが、需要供給曲線の交点のような、どちらにとっても掛け値なしの、リスクリターンの均衡した、交点のような期間は存在しないでしょうかね?
おっしゃりたいことはわかります。
もし金融市場が効率的なら、ある期間の融資が高リスクであれば、そのリスクに応じた金利が要求され、低リスクであれば、高金利では借り手がつかず、低い利率で貸そうという貸し手が現れます。
つまり、短~長期のそれぞれの期間のリスク差は、金利によって調整されるのです。「市場原理によって、貸借期間が一点に収斂する」なんてことにはなりません。
ただし、ニーズのない金融商品は設計されませんよね。
3)
>理論上は10年より30年物を選択すべきでしょうか?
30年ものなどの超長期債券は、国公債です。30年もの社債など、誰も買わないでしょう。
そして機関投資家向け(一本一億とか?)です。
これがなぜ売れるかの理由は書きました。一般人から見ればハイリスクでも、生保にとってはリスク回避になるのです。
銀行預金は債券と違って、他人に譲渡できません。(譲渡性預金は個人向けではない。)
ふつうの個人が貯金を取り崩すのは、不動産購入時などに集中しますから、超長期でまとめればリスクが集中します。
個人のニーズがないから、30年もの定期預金なんて存在しないと思います。
逆の、30年ローンはニーズがあるので存在します。
4)
銀行などの間接金融は、基本的に短期で借りて長期で融資し、リスクをとることでサヤを稼ぎます。
ある個人の30年後の返済能力はわからないが、おおぜいに貸し付けることで、信用リスクは平準化され、一定の範囲に収まる「はず」です。
(おさまらなかったのが、サブプライム騒動。)
「リスクを転嫁する(保険をかける)にはコストがかかる」のが市場の掟ですよね。逆に言うと、「リスクを引き受ける者は引受料を受け取れる」わけです。
米モノラインのように、同種のリスクを引き受け過ぎると、大変なことになりますが、、、
例えば、「10分の1の確率で100万円もらえ、10分の1の確率で90万払わせられるクジ」と、「必ず1万円当たるクジ」の期待リターンは同じですが、クジの値段が同じなら、誰でも後者を選びますよね?
このクジがオークションされたら、前者は割安(1万円よりずっと安く)になるでしょう。
1本だけ買うと、投資額の80何倍の大損になるかもしれませんが、大量に買う資金力があれば、儲かる理屈です。(個々のクジのあたりはずれが独立した事象であれば、の話。)
というわけで、理論的にはリスクをとれば、プレミアムがついてお得。
預金より債券、それも低格付けの債券(ジャンクボンド)がお得です。
ただし、不運だったときのダメージが、自分にとって大き過ぎたら、元も子もありません。高利回りにひかれてシティのサムライ債を買った人たちは、今ごろ真っ青でしょう。
購入後に金利水準が上がるか、発行体の信用力が低下すれば、転売できても元本割れします。
銀行預金は、そもそも預金者が(解約ペナルティがある場合のインフレリスク以外は)ほとんどリスクを負わないので、リターンもたいして期待できないのです。
個人的には、いまインフレ連動債以外のかたちで資金を長期固定するのは、考えものだと思います。
5)
外貨について。
おっしゃるように、市場が完全に効率的ですべてを織り込むなら、どの通貨に投資しようと有利不利はないはずです。(というのが、「高金利通貨は減価する」という金利平価説の根拠。)
しかし実際には、ある程度の金利差が生まれると、キャリートレードが起きて、しばらくは高金利通貨が増価します。円キャリーブームが記憶に新しいところです。
相場を予測できないという立場に立たれるなら、国際リスク分散以外の目的では、外貨に手を出す理由はありませんよね。
個人的には、ドルやポンドは減価すると見ています。
No.1
- 回答日時:
1)一般論としては、金利は長期ほど高くなります。
市中金利の水準を、横軸に期間、縦軸に利率をとってグラフで表せば、利回りを示す線(イールドカーブ)は右肩上がりになるのが普通です。これを順イールドといいます。
銀行は基本的には、短期で資金を集め、長期で融資して、サヤを稼ぎます。
しかし、市場で「今後は金利が低下する」という見方が強まれば、イールドカーブはフラット化します。
ご紹介のソニー銀行の外貨預金は、逆イールドですね。
・米国の景気が悪化、利下げが予想される。←主たる理由
・ドルで集めた資金を運用する際の信用リスクが高い。
では?
2)5年ものと10年ものの差が小さいとのご指摘ですが、yield curveというように、曲線です。
例えば同じ発行体の債券なら、曲線はグラフの右へ行くにつれ水平に近づきます。
期間が長くなるほど、物価予測は難しくなり、期中の変動率は平準化されるはずです。30年物国債と10年ものはたいして違いません。
(現実の問題として、超長期の国債は、年金基金や生保などが、掛け金運用のため購入するそうです。生保の債務と、その見合い資産である債券の期間とが一致していれば、債券の評価損益を計上しないでいいという会計ルールのためだそうです。)
3)銀行預金は、通常の貸借とは違う特徴があるので、預金の利率は市中金利とは違う曲線になるはずです。
・1行1000万までなら預金が保護され、信用リスクなし。
・預金者は原則いつでも解約できる。=債権者の流動性リスク、インフレリスク小
→預金者が要求するリスクプレミアムは小さくていい。
・銀行は原則、繰り上げ返済できない。=債務者のデフレリスク大
↓
(社債発行に比べ)長期の定期を集めるメリットは小さい。
最近は、「満期まで解約できない。8年定期だが、銀行側は3年目以降は繰り上げ償還できる」などの特約がついた定期が増えていますね。
つまり、預金者はインフレリスクを負い、デフレによる実質金利上昇は享受できない。そのかわり金利は高めです。
4)過去50年の定期預金の利率を期間別に平均すれば、「1年<3年<5年」になるはずです。
物価調整後の実質利回りでも、長期ものが高くなるでしょう。
(期待インフレ率を物価上昇率が上回り続けることは、市場原理としてあり得ないのでは?)
5)小口の預金の場合、「ボーナスキャンペーンの特別金利」や販促品、「新規のご資金なら〇〇プレゼント」などが、馬鹿にならないかもしれませんね。
販促品の価値まで含めて計算すれば、短期の預金を、銀行を動かしながら預けると、リターンが高くなるのかも?
6)いま、円建てで、長期で資金を固定するのがいいか悪いかは、あなたの判断です。
・満期日に向けて景気悪化
・インフレは昂進しない
・財政規律は保たれる(国債の極端な増発はない)
と予想するなら、長期で預ければいいでしょう。
理論的には長期のほうが得する確率が高いです。
7)なお、外貨預金に関しては、「高金利=有利」と考えるのは危険だと思います。
「高金利通貨は減価する」というセオリーがあります。高金利国は高インフレなので、為替レートが下がる可能性が高いでしょう。
この回答への補足
丁寧な回答いただきありがとうございます!とても参考になります。
私自身は予測は不可能という前提に立っています。
もし、予測可能であるなら先物などで儲けれてます^^;
なお、ある程度は予測可能と思いますが、この部分については、自分の予測よりも高精度で銀行が予測し、既に金利に反映していると思っています。
理論的には、長期が有利というのは何となくわかりましたが、ただ、それでも、金融機関にとっても、預ける方にとっても、有利でも不利でもない適切な期間が存在するような気がします。
うまく言い表わせれられませんが、需要供給曲線の交点のような、どちらにとっても掛け値なしの、リスクリターンの均衡した、交点のような期間は存在しないでしょうかね?
30年物など見ていると、金融機関がリスクを取っているため、必要以上に低い金利になっている気がします。
これでも、理論上は10年より30年物を選択すべきでしょうか?
もしくは、顧客にっとって有利な期間は存在しないでしょうかね?
有利な場合については、キャンペーン金利を乗り継いだりすること。
倒産の危機や他行と比べて他業種の買収など大きな勝負している銀行。今だと、新生や振興銀行がこれに該当するかもしれません。
この程度しか思い浮かびません。他にも存在したらぜひ教えてください。
外貨預金については、理論上、市場は効率的であり、全て織り込んでいるため、両替手数料分損があるだけで、不利、有利は存在しないと思っています。将来その国の通貨で使う予定があれば、今のうちにその国の通貨に両替したに過ぎず理論上価値に変化はないと思っています。
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