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関東南部在住です。昨年の暮れに、温暖な天候に誘われて郊外へ出掛けたところ田圃で耕運機が動いていました。
田起しが終わって土の黒々とした区画と、30~40cmの孫生えが立ち枯れたままで一面狐色の区画とが半々程度でした。推測では、この時期に全ての田が起こされるのだと思います。ただ、田起しの終わった区画の場合も田植え直前の土を細かく砕いた耕し方と違って、どの田圃も漬物石大のごつごつした土塊のままの粗い作業でした。
さて、怠け者の発想です。
どうせ田植え前には水を張った田で、土くれが粉々になるまで丁寧に耕すのですから、この時期に起こすのは二度手間ではないのですか。この時期の田起しには、どんな効用があるのでしょうか。
孫生えを刈り倒して肥料にしたいのであれば、もっと早い秋口の野焼きの頃に実行した方が完全に肥料化するように思います。越冬中の害虫を掘り起こし寒気に晒して退治するなどの効用でもあるのでしょうか。
米を食する人間として知っておいても悪くない程度の知識で十分です。よろしくお願いします。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
関東北部で、兼業で水田を耕作しております。
当地では冬に雪が積もりますから、秋耕は10~11月に行います。その効用は(1)ワラの分解促進
稲の刈り残りの茎や、コンバインで稲刈りをした場合のワラが翌年の荒代かきや植え代かきの時に残っていますと、水面に浮遊し除草剤の拡散が妨げられ除草剤が効きません。また、田植え直後のイネはまだひよわなので、浮遊物に押しつぶされます。そうしますと草取りや補植をしなくいてはいけません。補植も田植え後1週間以内に終えませんと、生育差がつきすぎて除草剤の薬害が出たり、出穂期が違ったりします。結果的に余計な手間が増えますから、将来10増える作業を減らすため、1の手間をかけて秋耕し、ワラの分解を促進させてリスクを回避します。ワラの分解は平均気温が10℃を下回らないうちに耕うんした方が微生物の活動が活発なので、寒冷地では11月いっぱいに終えることが理想です。
(2)乾土効果
土壌中の微生物の死骸や有機態窒素が分解し無機化し、翌年に早く肥効が出ます。この作用は平均気温が高く、土が乾くほど無機化割合は大きいです。乾土効果とも言います。耕起しませんと水田の表面は乾きません。耕起しても、土塊が細かいと内部まで空気に触れませんから、乾きません。無理に無機化させなくてもいつかは肥効は出ますが、思いがけない肥効があると倒伏や青立ちの原因になりますから不都合です。それぞれの農家は経験の中から作業のパターンや、そのパターンの中での田んぼの癖を知っていますので、大きな間違いなしに管理ができるのだと思います。私も経験が浅いのですが、窒素成分は初期に効いてくれた方が追肥をするしないの判断がしやすいと思っています。
秋耕は荒く、ざっと起こす程度で十分です。土壌中の水分が凍結して堆積が増える際に、大きな土塊も多少ほぐれます。
(3)雑草防除
前述のとおり、表土の内部まで冷気が浸透し、根で残る雑草の栄養器官が多少は枯死します。
なお、私見ですが、湿田では耕盤が弱く、重い機械が沈んでしまいます。秋耕により田んぼの表面を乾かしてやると、耕盤が丈夫になり、機械作業がしやすくなるように思います。
秋耕という言葉があり、それには大きく分けて3つの効用のあることが分かりました。実務に裏打ちされた解説で重要な作業であることが、よく理解できました。ややもすると、作物は放っておけば育つみたいな感覚になりがちですが動物ほどにはあからさまな訴えが無いだけに、より難しいような気がしてきました。
有り難うございました。またの機会にもよろしくお願いします。
今後、どちら様からも特別のご回答がなければ本日11時以降、当方の都合次第で締め切ります(9:45記)。
No.2
- 回答日時:
キーワードは「乾土効果」です。
プラスして「とは検索」にしてみましょう
不十分ながら「乾土効果」について調べておきました。田植えに先立って怠れない作業であることが分かりました。
有り難うございました。またの機会にもよろしくお願いします。
No.1
- 回答日時:
田越しが、稲作用に使われるのか畑作用として使われるのか分かりかねますが、稲作用であれば一般的には秋口に田越します、私たちの所は寒冷地なのでこの時期は、表土が凍り耕耘機を壊すので耕しませんが、最近の温暖化で年末に耕していた農家も見掛けました、又は、秋口に雨が降り耕運出来なかった田圃が耕運出来る状態になったためかもしれません、考え方に何通りか有ると思います、稲作だと刈り取り時に刈り取り機械コンバインなどが旋回した時に轍を作り水たまりができ田圃がぬかる原因になったりします、こんな所も耕運しておくと翌年ぬかるみが少なくなったりします。
もう一つは、一度耕して置くと次の耕運が楽になります、多少固まりますがそれでも春に一度で耕すより楽です。上記を踏まえ、春先に仕事が集中しない様に耕すなども考えられます、農業は、各農家個々の考え方や都合で作業状況が変わりますので、直接農家の方に聞いて見てはいかがですか?
ちなみに、稲作で不耕起栽培をされている農家も有ります。
稲作用の田でした。書物からの知識によれば昔から早場米の産地として知られた一帯らしいです。
この時期の田起しには、いろいろな意味があることが分かりました。この時期に一斉に耕すのではなく、秋口から始まって各農家の事情により、ばらばらに耕されたのかも知れません。
当地では、秋は台風もあり梅雨時以上に一面冠水することもあるようですから田の乾き具合や、兼業農家では年末年始の連休の活用などの事情もあるのかもしれないと思いました。また、春先の農務の軽減化の意味もあることが分かりました。
寒冷地の厳冬期は田が凍って耕運機を壊すなどとは、想像すらできませんでした。稲作という共通した作業でも地域の特殊性から逃れられないし、また巧みに利用してもいるのだろうと改めて思いました。
意外なことに田越しにはマイナス面もあって不耕起栽培という考えもあるのですね。
機会があれば農家の方に直接伺うことにします。有り難うございました。またの機会にもよろしくお願いします。
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