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私は小学校の頃に担任の先生に
「おこなう」と言う漢字は「行う」と書き、送りがなは「う」だけ。
よく「行なう」と間違える人がいるので気を付けましょう。
と教わりました。

しかし最近、テレビのテロップ、新聞、雑誌などでたまに「行なう」と標記してあるのを見かけます。
気になったので辞書(本とネット)で調べたところ、「行う」だけの物と、両方記載している物がありました。
パソコンの漢字変換ソフトATOK、IME共にどちらにも変換されます。

これは、本来どっちが正しいのでしょうか?
どちらでも構わないのか、「行なう」が最近使ってもいいように認められたのか。
甚だ気になって仕方がありません。
何か知っている方はおりませんでしょうか?
気にするだけ無駄なんでしょうか。

A 回答 (3件)

昭和34年(1959)7月11日内閣告示第1号の「送りがなのつけ方」では、次のようになっています。



通則
第1 動詞
1 動詞は、活用語尾を送る。
 例 書く 読む 生きる 考える
   ただし、次の語は活用語尾の前の音節から送る。
     表わす 著わす 現われる 行なう 脅かす
     異なる 断わる 賜わる  群がる 和らぐ

これを廃止して、昭和48年(1973)6月18日の内閣告示第2号「送り仮名の付け方」では、次のように改められました。

単独の語
1 活用のある語
通則1
 本則 活用のある語(通則2を適用する語を除く。)は活用語尾を送る。
  〔例〕憤る 承る 書く 実る 催す ……
 許容 次の語は、( )の中に示すように、活用語尾の前の音節から送ることができる。
    著す(表わす) 著す(著わす) 現れる(現われる)
    行う(行なう) 断る(断わる) 賜る(賜わる)

許容 とは 「本則以外に、これによってよいものをいう。」「本則又は許容のいずれに従ってもよいが、個々の語に適用するに当って、許容に従ってよいかどうか判断し難い場合には、本則によるものとする。」というものです。

  
そして、昭和56年(1981)10月1日の内閣告示第1号「常用漢字表」の「行」字の訓「おこなう」の表記例としては「行う 行い」があがっているだけです。

つまり、1960年度から1973年度までは、「行なう」が正しい。
1974年度以後は「行う」が本則、「行なう」が許容。
実際には、3通りの方式があります。

1 行う  行った  行く 行った
2 行う  行なった 行く 行った
3 行なう 行なった 行く 行った

1959年度以前、人それぞれの方式でおこなわれていたようです。例えば
 活用語尾を送る
 仮名3字目以後を送る
 訓は全部仮名書きにする
など……

担任の先生は1950年以前に生まれた方では?

新聞社や出版社、放送局は、内閣告示に準拠しています。朝日新聞が「行なった」に切り換えたら、こちらのほうが正統な表記になる、というほどには朝日新聞社が日本国政府を凌駕してはいません。


       
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この回答へのお礼

詳しく教えていただきありがとうございます。
内閣告示までされていたんですね。全然知りませんでした。いい勉強になりました。
私が小学校に通ってたのは20年位前で、当時の担任の先生は50歳前後でしたので、1950年以前うまれでしょう。

お礼日時:2009/01/25 09:44

学校で教わる送り仮名のつけ方は、先の回答にある「内閣告示」に依っています。


ですから“「行う」が正しく、「行なう」は間違い”と先生は言われたのだと思います。

ただし、これもまた先の回答にあるように、「行なう」はその「内閣告示」でも許容範囲ですから、全くの間違いというわけではないと思います。

また、私の個人的な思いで言えば、「行う」にした場合、「おこなった」と「いった」とが、どちらも「行った」になってしまい、混乱する可能性があると思うのです。
もちろん、文脈からいって間違うことはほぼないといってもいいのですが、それでも稀に「え、どっち?」と思うことはありますし、一目で「いった」か「おこなった」かを見分けるには「おこなう」の方に「な」を送った方がわかりやすいと思うのです。

特にテレビのテロップなどは、前後の言葉がなく、ある一部分だけを取り上げることがあります。そうすると、そのテロップが出た瞬間だけをぱっと見た人は迷うこともあると思います。
そういう意味からも「行なう」としているものが増えているのだと思います。


蛇足ですが、「行う」と「な」を送らない表記にしているのに、「おこなった」の時だけ「な」を送るという不統一は、編集者の立場としては美しくないと思いますので、「行なった」と表記するのであれば「行なう」とするのがよいと思います。

いずれにしても、「内閣告示」や文化庁が示している国語表記の基準以外はすべて間違いというわけではなく(例えば常用漢字以外は使ってはならぬとは言えないわけで)、日本語表記にはいろんなバリエーションがあるので、その都度、書いた人がどういう思いで書いているのか、表記の基準にどんなこだわりを持っているのかなどを、いちいち考える必要があるのかもしれません。
ある意味、めんどくさい話ではありますが、それだけ日本の国語は豊かなのだと私は思っています。
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この回答へのお礼

誤読を防ぐために進化しているんですね。
教えていただいてすっきりしました。いい勉強になりました。ありがとうございます。

お礼日時:2009/01/25 09:49

 これは、新聞社や出版社、放送局によって対応が違います。


 
 『朝日新聞 用語の手引き』によると「行う」が正しいことになって
います(朝日がすべて正しいとは限りませんが……)。
 ただし「行った」と書いたときに、それが「いった」なのか、
「おこなった」なのか、判別しにくという指摘もあります。
 今の、放送、出版の現場では、それぞれ表記のガイドラインを設けて
います。それぞれの番組や出版物で、より視聴者や読者がわかりやすい
と判断したほうの表記を使うようにしているのです。
 そんな事情で「行なった」と「行った」が混在しているので、間違え
ているわけではありません。
 今のところ、「行った」のほうが正しい表記といますが、流れとして
は「行った」から「行なった」に移行としつつあります。こんな書き方
はイヤなのですが、朝日新聞が「行なった」に切り換えたら、こちらの
ほうが正統な表記になるのだと思います。そのころには、学校教育の現
場でも「行なう」と教えられるでしょう。

 言葉は、変化していくものですから、仕方ないですね。
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この回答へのお礼

読み取る側の誤読を防ぐために日本語も進化していることがわかりました。
回答ありがとうございました。

お礼日時:2009/01/25 09:36

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