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先ほどテレビで幼稚園の手洗い運動を放映していました。
そこでは園児たちにアルコール消毒を奨励し、「ばい菌、ウィルス、バイバイ」と言っています。
そもそもアルコールで消毒できる、というのはどういうメカニズムですか?ウィルスは生物と無生物の間の存在でそれ自身では代謝もしないということですが、アルコールでウィルスが機能をなくすのでしょうか?
少なくともばい菌とウィルスは消毒のメカニズムが根本的に違うと思うのですが、その違いについても教えていただければと思います。
よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

 獣医師でウイルスに専門知識を有します。



 「消毒」というのは、概ね微生物に"物理的に"作用して殺すことを言います。微生物に特有の代謝系を阻害することによって効果を発揮する抗生物質とはこの点で異なります。

 ですから抗生物質(抗菌剤)は代謝をしないウイルスにはまったく効きません。またある抗菌剤が全ての細菌に効くわけではなく、それぞれの抗菌剤に効く細菌と効かない細菌があります(耐性とは別)。
 それに対し、消毒薬は基本的には全ての微生物に対して効果があります。"物理的な効果"ですから。「単純な効果」の方が広範囲に効く、というわけです。

 アルコール(エタノール)についても、厳密には全てのウイルスに対して消毒効果があります。
 ただ、エンベロープを持たないウイルスに対しては長時間の作用が必要ですから、霧吹きで吹きかけたりアルコール綿で拭いたりという程度では不活化できません。つまり、一般的には「エンベロープを持たないウイルスに対してはエタノールは消毒効果がない」ということになるわけです。

 エンベロープというのは、細胞内で増殖したウイルスが細胞から脱出する時に奪った細胞の膜成分の一部に由来します。これは脂質の膜ですからエタノールで容易に分解されます。エンベロープを失ったウイルス粒子はもはや感染能を持ちませんから、いわゆる「死んだ」という状態になるわけです。
 ただ、エタノールは蛋白質を変性させることもできますから、エンベロープを持たないウイルスでも時間をかければいずれは失活させることもできるわけです。

 エンベロープを持つウイルスには、インフルエンザウイルスやHIV(エイズの原因ウイルス)などがあり、エンベロープを持たないウイルスにはロタウイルスやノロウイルスなどがあります。
 ロタやノロはまともに使える消毒薬は塩素系しかありません。

 上に述べたとおり「消毒」は物理作用ですから、効くor効かないはたいていの場合、作用時間との兼ね合いで決まります。

 例えば最もシンプルな「消毒」である「熱」をかける、すなわち熱湯消毒について考えてみましょう。
 ウイルスの熱耐性を分類するひとつの基準が「56℃30分で死滅するか否か」があります。
 例えばインフルエンザウイルスは56℃30分で死滅します。
 この条件で死滅しないウイルスでよく知られているもののひとつにノロウイルスがあります。ノロウイルスは分離培養系が確立していないので正確な不活化条件はまだ判っていないのですが、概ね80℃1分で死滅すると言われています。(報告によって温度と時間は多少異なる)

 では、ノロウイルスは56℃では絶対に死滅しないのか?というとそんなことはなく、56℃でも数時間かければ死滅します。70℃なら5分などというように(正確な数字は失念しましたが)、「高い温度なら短時間で、低い温度なら長時間」という関係性があります。
 これは全てのウイルスで同じです。

 このように「物理作用で効果を発揮する」場合は、作用の濃度(熱の場合は温度)と作用時間の累積で効果の有無が決まるわけです。
 対してウイルスに対する抗生物質は、どれだけ高濃度の薬剤をどれだけ長時間作用させてもまったく効果がありません。物理作用と代謝作用の大きく異なる点はここにあるわけです。

 ・・・ま、厳密なことを言えば、「代謝」も物理現象ですから、物理作用と代謝作用の間に本当の意味で厳密な線が引けるわけではないのですが、概ねこのように理解して頂いて差し支えないと思います。

 とはいうものの、代謝はある固有の物理現象なので、例えば細胞壁の合成を阻害するペニシリンはヒトには毒性を持ちません。ヒトの細胞は細胞壁を作らないからです。
 熱処理、エタノール、紫外線といった「消毒」は、微生物だけでなくヒトを含めた全ての生物に効果を発揮します。極端な話、80℃の熱湯をかけるとノロウイルスですら1分で死滅するわけですが、ヒトにかければヒトも無事では済まないですよね。

 エタノールの場合は、エンベロープを持たないウイルスであっても長時間作用させれば消毒効果を持たせることはできるのですが、そのような使い方は現実的ではないので、「エンベロープを持たないウイルスにはエタノールは消毒効果がない」という理解で十分正しいわけです。


 余談ですが、糖を分解してエタノールを産生するのは、細菌の中でも一部に過ぎません。また、排泄物だから有害という前提も存在しません。エタノールを産生すると菌が死ぬのでは、酒なんて永遠にできないのは理解できるでしょう。(他の菌は死ぬが、エタノールを産生した菌はエタノールでは死なないから"発酵"という現象が成立するわけです)
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何もいらない人がもっともな意見を述べていますね。



アルコールがウィルスに効くかどうかは、ウィルスにエンベロープを持っているかどうかです。HIVウィルスにも効きますよ。
医薬品の場合は、効きもしないのに、承認が取れません。
http://www.kenei-pharm.com/prod-pro/shodoku/list …
のエタノールの所をご覧ください。
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みもふたも無い言い方を・・・した方がむしろよいでしょう


アルコールは「細菌」類のクソです。 ションベンです
酒を造る=発酵させる際、糖質をエサにアルコールを「排泄」します
飲酒というのはスカトロニズムだったのです
アルコールで「殺菌」というのは、細菌類を便壷に漬け殺すのです
細菌類にとっては腐敗毒同然です

「例外を除いて細菌より遥かに小さい」ウイルスという存在には、アルコールは毒にはならねーです
アルコールの分構造はブドウ糖と大差ないとみていいし、アオカビのペニシリン(抗生物質)も「菌類」の排泄物という点では同じです
アルコールはウイルスを殺るには「単純」すぎるんです
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