
遠心分離をする際に、7000×g・10分間、105000×g・60分間などというような記述がありますが、遠心機の回転数はどのように決めているのでしょうか。
分離遠心法の場合、沈降係数(S値)の違いで成分を分けています。遠心にかける時間は沈降係数(S値)とKファクター(K値)で決まってきて、沈降時間=S/Kです。KファクターはN(遠心機の回転数rpm)の関数で、遠心機の回転数が大きいほど沈降時間は短くなります。
私は、回転数は遠心機の最大回転数にすれば、沈降時間が短くなり、実験が早く終わるので、常に最大回転数にすれば良いのではないかと思うのですが、何故回転数を変えて遠心機にかけているのでしょうか。
回転数が高すぎると、細胞構造が破壊されるからといったような問題があるのでしょうか。もし、そうでしたら、目安みたいな回転数はどここかで参照できないでしょうか。たとえば、何回転以上に設定するとタンパク質が壊れる、何回転以上に設定するとグリコーゲンが破壊される、何回転以上させると細胞内小器官が破壊される・・・などです。
文章が長くなりましたが、ご存じの方いらっしゃいましたらお教えください。よろしくおねがいいたします。
A 回答 (5件)
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No.5
- 回答日時:
問題の本質部分については解答が出揃っていると思います。
それ以外の部分について、、、。
回転数を大きくすると生じる問題
1、チューブの限界耐圧を超えて、チューブが割れてしまう。
2、回転にはぶれがあります。特に回転初期の場合に気をつける必要があります。
ぎりぎりで設定すると排除したいものも沈殿する可能性が高くなります。
3、得られたペレットが硬すぎて、次の実験に使えない。
次の段階で再溶解させる必要がタンパクの実験の場合多いと思われます。
単に実験を円滑に進めるためで、本質部分には触れていませんが、
こういった作業性に関することはプロトコルの中で大きな位置を占める場合が多いです。
ご参考までに。
No.4
- 回答日時:
沈降係数の式をどこかで見つけられませんか?
沈降係数を大きく左右するのは沈降させたいものの半径です。
生体試料だと希釈率によって溶液の比重、粘性が変わってくるのでこれも影響します。さらにショ糖などをくわえて積極的に比重を上げてやるとその比重より大きいもの以外は浮いてしまいます。これを利用した密度勾配遠心法もあります。
ブラウン運動により、ある程度以下の分子サイズのものは静置してもいつまでも沈殿しません。なので、小さいGで長時間、例えば理論値の時間遠心しても目的のものが沈殿するとは限りません。
沈殿を回収したい時、沈殿がどの程度硬いかによって操作が変わります。硬い沈殿ならデカントで上精を除くことが出来ますが、やわらかい場合はピペットなどで静かに除きます。このペレットの硬さは時間よりはGによって調整するものですが、理論値はあまりないでしょうね。沈降するかどうかは結構理論計算できますよ。
細胞は確かにGを掛けすぎると死にますね。ただ、壊れるという表現はもう少し慎重に使った方がいいと思います。細胞が沈殿した後、強いGが掛かれば細胞の中で細胞内小器官が偏ったりして壊れる部分があるでしょう。グリコーゲンだと、どんな力が掛かると壊れるか?遠心では壊れないような気がします。

No.3
- 回答日時:
細胞やタンパク質等にしてもその種類によって影響が大きく異なると思いますし、溶媒、夾雑物の種類や量、ローターの形状(アングルローターとかスイングローターとか)、チューブの材質や形状、温度、目的とする純度や収率等、多数の要因が影響するので、なかなか一般化した基準というのは作りにくいのではないでしょうか。
大抵のプロトコルでは遠心分離をする必要がある場合には必ず回転数(またはg)や時間の記載があるので、まずそれを試してみてうまく行かない場合は条件を再検討してみてはいかがでしょうか。細胞が死んだ場合やペレットが再懸濁できないほど固まった場合は回転数を落とす、沈殿が緩すぎる場合には回転数を揚げる、等々。
類似した目的のプロトコルを複数参照すれば、最初に試みるべき条件のイメージはだいたい浮かんでくると思います。
やはり理論だけでは明確に分からないものなのでしょうか。
類似したプロトコルを参照しながら、アタリをつけて
回転数と時間を決めていかなければならないのですね。
なにか、物質ごとに回転数と遠心時間がまとまったグラフや表みたい
なのがあれば便利なのですが、そういったものはあるのでしょうか。
No.2
- 回答日時:
基本的なことを理解しているようですので、もう少し調べれば分かるんじゃないかと思います。
逆に考えてみてください。遠心ではなく静置で、時間さえ掛ければすべてのものが沈降するのでしょうか?
少し発展させて、105000xg60分で沈殿させたものを、例えば20000xgで理論値の時間回すと同じように沈殿するでしょうか?
この回答への補足
確かに、
105000×g60分で沈殿させたものを、20000×gで理論時間回すのでは、
105000×gで回す方が、試料へのダメージが大きそうな気がします。
資料へのダメージと回転数のバランスが重要ではないかという気が
してきます。
ダメージと回転数の目安というのは何かあるのでしょうか。
明確なものでなくても、タンパク質なら何回転以上させては
いけない、糖なら何回転させてはいけない、といったような
感じのものです。
No.1
- 回答日時:
何の遠心分離で(細胞?タンパク質)、どのような溶液中の、何を分離するための条件を想定して、おっしゃっているのでしょうか?
なんの場合でも、ためしにMAXスピードでやってみたことありますか?
学校の実習でやった実験なので、指示書に書いてある手順通りに
遠心機をまわしただけですので、ためしにMAXスピードでやってみたことはありません。
実習では、ラットの肝臓からグリコーゲンを分離するような実験を行いました。
やはり回転数というのは、ためしにやってみて適した回転数を見つけるという地道な作業が必要なものなのでしょうか。
説明不足でした。すみません。回答よろしくお願いいたします。
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