昨日も質問したのですが、進展があったので改めて質問させていただきます。
範囲が以下
[k,∞) (k>0)
になるガウス積分を求めようと思い、次のように計算してみました。
I = ∫exp(-ax^2)dx
I^2 = ∬rexp(-ar^2)drdθ
ここまでは定石どおりです。
積分範囲は、x>k y>k の領域になるので、
r>k arccos(k/r)>θ>arcsin(k/r)
よって、
I^2 = ∫[k→∞]rexp(-ar^2)dr ∫[arccos(k/r)→arcsin(k/r)]dθ
= ∫r{ arccos(k/r)-arcsin(k/r) }exp(-ar^2)dr
部分積分してまとめる。
= (-1/4a){ πexp(-ak^2) + 4∫[k→∞] exp(-ar^2)dr/√(1-r^2) }
もう一息で計算できそうなのですが、最後の積分方法が思いつきません。分かる方居りましたら、宜しくお願いします。
又、工科系で数学には疎いので、計算ミスなのどのお叱りも是非お願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
ご質問のガウス積分は残念ながら初等関数の範囲では解析的に表すことが
できないことが知られています.
だからこそ,前のスレッドで Ae610 さんのご回答にあるように
erf(k) という特殊関数が定義されているわけです.
ご質問の I^2 を考えて2次元の積分にし極座標に変換するのは
積分範囲が 0~∞ であるときには有効ですが,
今の場合には2次元積分領域が原点を中心とする正方形を除いたもの
になってしまいますので,極座標とは相性がよくありません.
積分範囲が 0~∞ ならば2次元積分領域が全平面になりますので,
角度θに関する対称性が生まれて積分が可能です.
なお,誤差積分 erfc(x) の定義には前スレッドの Ae610 さんの定義の他に
積分の前に 2/√π をつける定義もありますのでご注意下さい.
というわけで,解析的な式が必要なら erfc(x) または erf(x) を用いるか,
具体的数値が必要なら数表を見るか数値積分,しかありません.
回答有難うございます
>>初等関数の範囲では解析的に表すことができないことが知られています.
大変すっきりしました。
取り合えず計算することは諦めることにして、erfc関数による考察をしてみたいと思います。
最後の可能性としてもう一つ質問させてください。(申し訳ありません)
Iがaのどういった関数に比例するか、目星をつけることは可能でしょうか。
物理なので、厳密にではなく、おおよその形で問題ないです。
No.5
- 回答日時:
Excelでやるのが便利だとお考えのようですね。
平均m、標準偏差sを持つ正規分布の確率密度関数の定積分(累積正規分布)
E(z,m,s)=1/(s√(2π))∫[t=-∞→z] exp(-(t-m)^2)/(2(s^2))) dt
はExcelなら
=NORMDIST(z,m,s,TRUE)
で数値が出ます。また
E(∞,m,s)=1
であるのは当然。
すると、お求めの積分
I(T,k) = b(T)∫[x=k→∞]exp(-a(T)(x^2))dx
をE(z,0,s)で表すのはごく簡単でしょう。
> 工科系で数学には疎い
この積分が出てきたら累積正規分布表を使え(初等関数で書けない)というのは、工科系なら必修であるはずの工業数学あるいは統計学の初歩レベルの知識ですが、積分が扱えるんですから決して数学に疎いというわけじゃないでしょう。苦手意識を持たない方が良いですよ。
この回答への補足
回答有難うございます。
ExcelにはデフォルトでERFC()が用意されているようで、そちらで先に計算してあったのですが、
ERFC(x) = 2×NORMDIST(-x,0,1/√2,TRUE)
と置き直して計算したしてみたところ、同じ結果を得ることが出来ました。
統計学は難しすぎるので敬遠していたのですが、かなり有用なツールですねw
改めて復習しておきたいと思います。
No.4
- 回答日時:
siegmund です.
コピペしていたら直しそこないました.
(7)は
(7) 4a^(3/2) I(a,k) = f(u)
と訂正して下さい.
No.3
- 回答日時:
siegmund です.
(1) I(a,k) = ∫{x=k→∞} x^2 exp(-ax^2) dx
とおきます.
(√a)x = t としてちょっと変形すれば
(2) I(a,k) = [1/a^(3/2)]∫{t=k√a→∞} t^2 exp(-t^2) dt
になり,1回部分積分して Erfc(z) を使えば
(3) I(a,k) = [1/4a^(3/2)] {2u exp(-u^2) + √π erfc(u)}
= [1/4a^(3/2)] f(u)
になります.
ただし,
(4) u = k√a としました.
また,erfc(z) の定義は
(5) erfc(z) = (2/√π) ∫{t=z→∞} exp(-t^2) dt
としています(あとの参照サイトとの関連).
例えば,Wikipedia の「誤差関数」には erf(z) のテーラー展開や漸近展開が載っていますので,
u = k√a が十分小さいときや十分大きいときはそれが使えるでしょう.
このWikipedia の「誤差関数」のページの最後に Mathworld へのリンクが張ってありますが,
そちらの情報も役立つと思います(ただし,英語です).
両ページとも erfc(z) の定義は(5)と同じです.
具体的にどういうことをされたいのかわかりませんので,
以下はご参考までに.
例えば,a,k の2つのパラメーターに依存する量 I(a,k) を測ったとします.
で,理論的予想が(1)であるとします.
a,k のどちらかを固定して他方だけ動かせればいいのですが,
なかなかそうは行かず,いろいろな組み合わせの (a,k) に対しての
I(a,k) のデータしかない場合がよくあります.
そういうときに,どうデータを解析するか.
普通にプロットすれば a,k の2次元平面に対して I(a,k) をプロットですから,
3次元プロットになってしまいます.
ところで,(3)の
(6) I(a,k) = [1/4a^(3/2)] f(u), u = k√a
を
(7) [1/4a^(3/2)] I(a,k) = f(u)
と見直してみると,これは縦軸に (7)の左辺,横軸に u = k√a をとってプロットすると
すべてのデータが一つの曲線 y = f(u) 上に乗ることを示しています.
で,プロットしてみてこの曲線が実際に(6)の f(u) になっていれば万々歳.
(6)の f(u) になっていなければ,(3)の形はよいものの理論に修正の余地有り.
データが一つの曲線上に乗らずバラバラなら,そもそも理論が全然ダメ,
ということになります.
回答有難うございます。
皆さんに導いて頂いた式と実験値を比較してみたところ、かなりの度合いで一致しました。非常に勉強になりました。
因みに求めていたのは、シリコン表面を酸化させる場合の酸化速度(酸化膜厚の時間微分)と、温度の関係式です。
No.1
- 回答日時:
工科系で「数学に疎い」というのもちょっとどうかと思う.
「数値計算しない」の意味がちょっと分かりかねますが, 「ひたすら運算するだけ」だと erfc などの「初等的でない」関数を導入するしかありません.
言い換えると, 「具体的な値が欲しければ数値計算するか数表を見る (か計算機に求めさせる) しかない」ということ.
この回答への補足
回答有難うございます。
erfcというのは特殊関数の名称だったのですね。
excel先生に計算してもらって調べてみようと思います。
数値計算をしない理由なのですが、実験で得られたデータを考察するために、この積分値Iがどういった温度の関数に比例するかを調べる必要が有るのです。
因みに、実際に積分する関数はもう少し複雑でして、対象となる温度Tは a 及び、積分の前にくっ付いてくる係数の中に含まれております。
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