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絶対温度400Kの高温熱源から熱量200Jを受け取り100Jの仕事をして残り100Jの熱を絶対温度300Kの低温熱源に捨てて動き続ける画期的な熱機関を開発したとする。

これは特許の認可ができるものかどうかという問題です。

熱効率の面で考察してみますと、この熱機関の熱効率は0.5つまり50%になりますよね?

普通のガソリンエンジンが確かだいたい20%くらいだったと思うので本当に開発できたとしたらこれってやっぱり問題ないですか?

ただひとつ疑問を抱くのは、熱機関では作業物質にサイクル運動をさせなければ繰り返し使えないはずだと思うので、問題分の「動き続ける」という部分から無理ではないかと思うのですが・・・

どなたか明確なアドバイスまたは確信のもてる意見を聞かせてください。

お願いします。

A 回答 (3件)

>ただひとつ疑問を抱くのは、熱機関では作業物質にサイクル運動をさせなければ繰り返し使えないはずだと思うので、問題分の「動き続ける」という部分から無理ではないかと思うのですが・・・



この疑問が的中しています。
元に戻すという操作があることが低温熱源に熱を放出するということとつながっているのです。
一回限りで元の状態に戻す必要がないのであれば貰った熱を全て仕事に変えることも可能です。
熱をもらって膨張したとしたら体積を元に戻すときに熱を出さなければいけません。
その熱がどれくらいであるかはどういう系を考えたかで決まってしまいます。
膨張に使った熱の半分の熱を放出すれば元の状態に戻れるという保証はありません。
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特許ということを考えておられるようですので理論効率では考えていない点について補足します。



状態を元に戻さなければいけないというのは連続運転が前提だからです。
いくつかのモデルサイクルがあります。カルノーサイクルはその一つです。
ガソリンエンジンのモデルサイクルはオットーサイクルと呼ばれています。
それぞれのモデルサイクルについて理論効率が求められています。

でもどれにも共通に言えることですが時間の要素は全く考慮されていません。
1サイクルに無限の時間をかけているのです。
実際は単位時間内にどれだけの仕事を取り出せるかが問題になるはずです。
一回のサイクルの効率だけではなくて、サイクルの運転回数が問題になるということです。
実用エンジンでは、一回の運転での効率は下がっても運転回数を増やすことで出力を増やすということが行われている中での効率が問題になるのです。効率が良くても出力が小さければ実用になりません。

運転回数を多くすることを考えると「状態を元に戻す」ということの意味が変わってきます。
ワットの蒸気機関(W)の前にニューコメンの蒸気機関(N)というのがありました。
(N)では復水器を付けて蒸気を元に戻していました。(W)ではピストンを押した蒸気は捨てています。
でもそれによって(W)では運転回数を増やすことができるようになったのです。蒸気釜から送られてきた蒸気がところてん式にピストンを押しているだけです。そしてどんどん捨てられています。移動するピストンが弁の開閉をやっています。蒸気の温度はそれほど大きく下がっているわけではありません。膨張による仕事の率はかなり低いです。(これはどちらかと言うと蒸気タービンに近いです。タービンの羽根に当たった蒸気は一回限りで捨てられています。仕事は膨張によるというよりは衝突によるものです。水力発電でも水車を回している水のエネルギーは衝突によって移動しています。水の体積変化は起こっていません。)

ガソリンエンジンでもジーゼルエンジンでもピストンを押した高温気体は膨張が終われば捨てられています。
そのあとに新しい空気と燃料が供給されています。それによって1分間に数千回転という運転が可能になっています。(モデルサイクルはどれも密閉式です。同じ気体を膨張させたり、圧縮したりしています。)
一回ごとにシリンダーの内部を入れ替えるのですから吸気システム、燃料供給システムと排気システムはエンジンの構成要素の一つです。これがなければ連続運転ができません。弁の操作や給油ポンプに必要なエネルギーはシステム運転に必要なエネルギーですからエンジンの効率を考える時には考慮する必要があります。

排ガスの温度を下げるという操作は含まれていません。ピストンを押したことによる仕事で温度が下がることだけしか期待されていません。このことで言うと膨張率が大きい方が仕事をたくさん取りだすことができるという事になります。ジーゼルエンジンの方がガソリンエンジンよりも効率がいいという理由の一つがここにあります。ジーゼルエンジンの方が圧縮率が高いのです。

「~%の効率を実現しました」と言ってもその効率を求めた計算自体に信頼性がなければ意味がありません。

最近気がついたことがあります。
「スターリングエンジンは効率がいい、理論効率はカルノーサイクルの理論効率に一致する」と言われています。
(スターリングエンジンの製作は工業高校の実習の人気テーマです。効率がいいエンジンであるというのが理由の1つになっています。)

でもこれは誤りではないかと思っています。
効率を「取りだした仕事/取り入れた熱量」(A)ではなくて「取り出した仕事/(取り入れた熱量-放出した熱量の一部)」(B)としています。(A)よりも(B)の方が効率がよくなるのは当然です。でもスターリングサイクルと同じ扱いが許されるのであればオットーサイクルの効率は100%になります。こんなおかしい事は起こるはずがありません。
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 その問題は、前提とする条件に誤りがあるため、問題として成立しておらず、従って正しい解答もまた存在していないと思います。



 問題文には

>絶対温度400Kの高温熱源から熱量200Jを受け取り100Jの仕事をして残り100Jの熱を絶対温度300Kの低温熱源に捨てて動き続ける画期的な熱機関を開発したとする。

とありますが、熱機関の熱効率の最大値は、カルノーの法則により、高熱源の絶対温度と低熱源の絶対温度によってのみ決まる理論的な限界値を上回る事は無い事が判明しています。

【参考URL】
 カルノーの定理 (熱力学) - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AB% …

 その限界値は、

熱効率の理論的最大値=(高熱源の絶対温度-低熱源の絶対温度)÷高熱源の絶対温度

という式で求める事が出来ます。
 つまり、高熱源の絶対温度が400K、低熱源の絶対温度が300Kの場合には、熱効率の理論的限界値は、

(400-300)÷400=0.25

となりますから、熱効率は必ず25%以下にならざるを得ません。
 従って、熱効率が50%になる事は物理的に有り得ない訳で、物理的に有り得ないものを開発する事が出来たとする前提自体が間違っています。

 これがもし、問題文の表現が「開発したとする」ではなく「開発したと開発者が主張したとする」であるのでしたら、特許法の第2条で
『この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。』
となっていますから、自然法則の1つであるカルノーの定理に反している熱機関は、発明とは見做されない事になるため、特許の対象とはならりませんから、「認可されない」が解答にはると思いますが、
問題文が「開発者が開発したと主張した」(実際には開発に成功していないが、開発者は開発したと思い込んでいる)という有り得る事ではなく、「開発する事に成功した」という有り得ない事を前提にしているため、その熱機関が自然法則に反しているのか、それともカルノーの定理が間違っているだけで、その熱機関は自然法則に反してはいないのか、どちらであるのかを判別する事が不可能になっています。
 このため、その問題には解答が存在していないと思います。

【参考URL】
 特許法
  http://www.houko.com/00/01/S34/121.HTM
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