pH値とは、水溶液中の水素イオン濃度指数、つまり水素イオン濃度=10^(-pH)ですよね。
ということは、pH値の平均値を計算する場合はそのまま算術平均値として出してはいけないのではないでしょうか?
pHの平均値を正確に求めるには、一旦水素イオン濃度に換算した上で、その指数のマイナスを計算するのがいいと思うのですが、どうでしょう。
つまり、エクセル風に記述すれば、pH(平均)=-log10(10^(-pH1)+10^(-pH2))/2)と計算するわけです。
環境省のホームページなどを見ると、よく酸性雨や公共水域のpHの年間平均値という表現が出てきますが、これらは、ちゃんとこういった方法をとっているのでしょうか?
pHの平均値を求めるケースとしては、他に、一つのサンプルを繰り返し測定して平均値を求め、精度を高める場合などもありますが、試しに計算してみると、当然のことながら、値に開きがあるほど単純平均値よりも酸性側に影響された値になります。
どちらの計算がpHの正しい平均の出し方なのでしょうか?
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
大体あなたの意見に賛同します。
まず前提として、No2さんの言うように平均値などの定義はいろいろあるので適切なものを選ばなければなりません。
そのうえで、酸性雨の年平均を求めたいという場合どのような定義がよいかを考えると、「その年に降った雨を全部混ぜたもののpH」が一番自然なのではないかと思います。
これはpHの算術平均とは異なり、十分に酸性のもののみを考えるなら水素イオン濃度の平均(に対応するpH)で求められます。
ここで「十分に酸性」と書いたのは、No3さんの言っているようにあなたの計算式ではアルカリ性を正しく扱えないからですが、だから単純平均がいいということではありません。
あなたの計算式はよくある間違いで、H2OがH+とOH-に解離するのを計算に入れていません。
[H+]と[OH-]をそれぞれ単純計算で求まる水素イオン/水酸化物イオン濃度として、方程式
([H+]+x)([OH-]+x) = 10^-14
を解けばアルカリも扱える正しいイオン濃度が求められると思います。
後者のくりかえし測定の方は、誤差要因が分からなければどのような値がより正しいのかは分かりません。
なのでどのような誤差要因があるかを調べたうえで適切な計算式を考えるか、
あるいは分布を元に正しそうな値を推定することになります(最尤推定)。
回答、ありがとうございました。
お礼が遅れて申し訳ありません。
そう、先に書いた計算式は合っているようで、明らかに酸性側の影響だけをモロに受けているので、不自然だなあとは思っていました。
なかなか一筋縄ではいかないものですね。
教えて頂いた方程式も参考にしながら、どれが最善か考えてみます。
No.3
- 回答日時:
こんにちは。
>>>環境省のホームページなどを見ると、よく酸性雨や公共水域のpHの年間平均値という表現が出てきますが、これらは、ちゃんとこういった方法をとっているのでしょうか?
「ちゃんと」とおっしゃいますが、
水素イオン濃度に戻してから平均をとると、たとえば・・・
・3つのpH値が2,2,7だとすると、中性が1発ありますが、平均は2ぐらいになりますよね。
・3つのpH値が7,7,14だとすると、激しくアルカリ性なのが1発入ってますが、平均は7ぐらいになりますよね。
・2つのpH値が2と12だとすると、激しく酸性と激しくアルカリ性ですが、平均は激しく酸性になりますよね。
そして、これは気象庁のサイトです。
http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/cdrom/repor …
いちばん上にある2つのグラフでは、綾里と南鳥島の毎日の雨のpHをプロットして、雨量の加重平均で月間平均pHを出してるようですが、どう見ても濃度に戻してから平均を取っているようには見えません。
これは、環境省のサイトにある表です。
http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/img/205/tb1. …
最大pH、最小pHと見比べると、単純平均を採用しているように見えます。
>>>どちらの計算がpHの正しい平均の出し方なのでしょうか?
どういう平均なのかを説明に書けば、どちらも正しいでしょう。
ただし、酸性とアルカリ性を平等に考えるならば、単純平均のほうが優ると思います。
回答、ありがとうございます。
やはり、どの測定結果も算術平均を採用しているのですね。
そう、どのケースも値に開きがあると、水素イオン濃度の平均で換算すると、酸性側の値の影響が大きくなってしまうんですね。
pH値を水素イオン濃度とは別に、酸性・アルカリ性の度合いと評価する指数と考えれば、換算しない方がいいのかも知れませんね。
No.2
- 回答日時:
これは、「二つの方法のどちらか一方が絶対正しい」
というような問題ではありません。
世の中に、「幾何平均」や「算術平均」あるいは「中央値」など、
いろいろな表し方があるのは、
それぞれ使われるべき場所、意味があるからです。
ごく普通には算術平均を使う事が多いですが、
対象となるデータが指数分布を示す場合には、
幾何平均の方が妥当です。
pHの場合でも、pH値のばらつきが正規分布と見做せるようであれば、
(pHが水素イオン濃度の対数値であるなどと言う事とは全く無関係に)
「算術平均」を使うのが普通です。
また、測定されたpH値が指数分布しているのであれば、
「幾何平均」がを使うのが望ましいでしょう。
もし、水素イオン濃度が正規分布していると見做せる場合なら、
質問者さんのお示しになった計算法が望ましいことになると存じます。
個々の報告の計算方法については、ここで取り上げませんが、
一般的には、算術平均を使うのが妥当である場合が多いと思います。
「pH値だから」と言う理由で、ご質問にある計算法を採用していたら、
それは「間違い」です。
詳しいお答え、ありがとうございます。
どの平均を用いるかは、それが正規分布してるかどうかが鍵であるということが分かりました。
実際の所、pHはpH値そのものと水素イオン濃度のどちらが正規分布をするものなのでしょう。
No.1
- 回答日時:
疑問に思われることはよくわかります。
(1)ある地点のpHの年平均値
これは単純にpHの単純平均でいいと思います。
pHの平均なのですから。それに、値も極端に変動せず、
地域格差を比べるために使われることが多いからです。
(2)制度を高めるための複数回測定による平均
これはちょっと難しいですね。
pHの測定方法にもよると思います。
pHメーターなのか電気伝導度なのかにもよりますね。
ただ、個人的な考えではこれも単純計算でいいのではないでしょうか?
スキーやスケートの採点では5~6名の審判で、最低点と最高点を
カットして残りの平均で計算されます。実験値も、測定に失敗した
場合〔H+〕に換算すると変化が大きくなりすぎます。
そういう意味で単純計算に統一しておいた方ががわかりやすいし、
実験誤差も受けにくいのではないでしょうか?
平均を求める方法にはこれ以外に最小自乗法というのもあります。
数学的には意味のある方法ですが、学生実験などにこれを用いると
平均値がごく僅かな想定ミスに引っ張られるという弊害があり、
あまりお勧めではありません。
早速の回答、ありがとうございます。
水素イオン濃度とは切り離して、pHはpH値という独立したものとして考えた方がいいということですね。
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