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現在、仕事で化学染料を扱っています。最近は毒性の高い物質が含まれるものはどんどん生産中止になっています。しかし中止になったものと同じ色が欲しいと他の染料メーカーに言うと”構造式が分かれば”という言葉を聞きます。とても想像が出来ないのですが、染料屋は構造式から実際の物質にするのにどのような作業をするのでしょうか?又、構造式にある物質?を実際目で見て確認出来るのでしょうか?例えば、赤色の染料を構造式から作り出すにはどういう事をするのでしょう?材料、行程などの想像がつきません。
教えて下さい。

A 回答 (3件)

様々な化学物質の合成(製造)はその構造式に基づいて計画されます。

染料ということであれば有機化合物でしょうから、考え方としては目的物の構造式に基づいて、それを合成するためにはAとBをXの反応を使ってつなげば良い。そのAを合成するためにはCとDをYの反応を使ってつなげば良い。Bを合成するためには・・・というように市販されている原料物質までさかのぼります。そうして作られた計画に基づいて反応を進めて目的物を合成することになります。ちなみに上記のXとかYというのは様々な反応であり、たとえばノーベル化学賞で話題になったクロスカップリングというのもこうした反応の一つです。基本的には何種類かの物質を混合することによって反応を進めます。
まあ、染料ということであればコストの問題も大きいでしょうから、使える原料や方法は限られるでしょうけど、現在の研究レベルからすれば、手間と金に糸目は付けないということであれば、化学的に安定なもののほとんどは合成可能であると言えるでしょう。

>構造式にある物質?を実際目で見て確認出来るのでしょうか?
個々の分子を直接目で見ることはできませんが、種々の方法で構造を確認することはできます。

なお、現実問題として、化学構造から物質の色を正確に予測するのは困難です。
もちろん、生産中止になったものの構造式がわかればそれと同じものを作ることは可能でしょう。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
”市販されている原料物質までさかのぼります”というコメントが素人にとってはとても参考になりました。大元の原材料が分かっても反応(これも一体どういう現象なのかは想像ですが)という所がキモですね。

お礼日時:2011/01/27 00:46

有機染料ではないのですが、一番わかりやすい例はクロムレッド PbCrO4


ですね。この鮮やかな黄色(レモン色)は他の顔料には出せません。
しかし、毒性が強いので日本ではほとんど使われていません。
「中国製玩具で鉛が検出された」とニュースになることがありますが、
ドナルド・ダッグのくちばしだったりドラえもんのスズであったりする
部分にクロムイエローが使われていたからです。

有機染料は構造式がわかれば同じ物が作れる可能性が高いです。
ただし、その製造工程にロスが多かったり、反応条件が厳しかったり
することが多く、最良の工程を探すのにも労力がかかります。
また、主生成物以外の副生成物が微妙な色目を決定ししていることも
あり、構造式だけでは完全に同じ色ができるとは言い切れません。

また、上記の構造式と工程はその企業や国家の財産であり、ほぼ外部に
出ることはありません。現在、染料の分野で世界をリードしているのは
韓国ですが、企業の情報統制が厳しく、製造法は外部に出ていません。

色目と化学的性質からおおまかな構造決定ができる可能性がありますが、
完全なコピーは無理です。染料会社は従来からある赤や青の染料の製法に
従って基本的な染料をつくり、それをブレンドしていろんな色を作っている
のです。他社の染料を色目からコピーする研究はやっていても、実際には
行っていないでしょう。

最近ではアゾ染料の多くが腎臓への発ガン性があり、製造中止になっています。
天然の赤色染料である「茜」にも発ガン性が発見されました。もし、禁止された
線量を完全にコピーすることができてもそれにはやはり毒性があります。
完全なコピーゆえに使えないものとなります。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
”構造式と工程はその企業や国家の財産であり、ほぼ外部に
出ることはありません”→かなりのノウハウと専門知識が必要なのですね。

”アゾ染料の多くが腎臓への発ガン性があり、製造中止になっています。”→多分自分も扱っているので、よく調べてみます。

お礼日時:2011/01/27 00:32

それは全く無理です。


それが出来れば、医薬の開発は非常に楽になるでしょう。
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