No.3
- 回答日時:
#2です。
丁寧に読んで頂いているようで、光栄です。
参考になりそうな良いページを見つけたので貼っておきますね。
http://www.tamagawa.ac.jp/sisetu/kyouken/kamakur …
あと、こっちは国立歴史民族博物館が昨年の秋に行った特別展の紹介ページです。
http://www.rekihaku.ac.jp/others/press/p101026.h …
もう終わってしまってるのが残念ですが、紹介文の中に私が先日回答した時に言いたかったことが端的に書かれてあったので、以下に引用しておきます。
===以下引用===
[前略]
武士といえば、現代の日本人はもとより、欧米をはじめとする外国人でさえも、一定のイメージを持っています。とりわけ近年は、国際的に日本を表象する際に「サムライ」の語が多用されています。しかし、武士に関する私たちのイメージは、それ自体が歴史的に作られてきたものです。
[中略]
しかし、武士そのものを他と峻別し特徴づけるメルクマールは、意外なことに明確ではありません。そもそも武士といわれる人物およびその集団をさす史料上の用語も多様です。「兵」「勇士」「武者」「武士」「侍」など、これらの史料表現は必ずしも現代人のいう武士一般をさすとは限らず、使用法にも時代的な偏差があります。つまり、ある特定のイメージをともなった武士という概念で括られる人々は、わたしたちが考える以上に複雑な歴史的存在であり、その実態さえつかむのが容易ではありません。
===引用以上===
>これからも、ご教授、よろしくお願いいたします。
こちらこそ、私の浅薄な知識がどこまでお役に立てるかはわかりませんが、また機会があればよろしくお願いします。
ではでは、参考になれば幸いです。
TYR134様
再度のご回答、ありがとうございました。
しばらく、このサイトのチェックを怠っていたため、ご返信が遅れました。失礼いたしました。
教えていただいたサイト、大変興味深く読みました。私自身の問題意識に直接答えてくれる内容
でした。大変参考になりました。
歴史については門外漢で、幼稚な知識しか持ち合わせていませんが、「自分なりの疑問を持つこと
の楽しさ」が、ようやくわかってきたように思います。教えている子供にも、そうした歴史への関わり
方があることを伝えていけたらと思っています。
私の拙い疑問に、こんなに丁寧におつきあいいただき、深く感謝しております。本当にありがとうございました。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
「武士」という概念、あるいは身分がいつ頃から発生したかは、まだよく分かっていません。
そもそも、この「武士の起こり」という「歴史的テーマ」が生まれたのは、明治時代に「西洋歴史学」が入ってきてからです。
「西洋歴史学」は、詳細は省きますがキリスト教的世界観でもって説明されてきました。
そして、「古代・中世・近代」という時代区分が生まれることになります。
ルネサンス時代、「古代ギリシア・ローマ」の知識が入って来ると、それ以前の時代を「イエスが生まれる前の古代」「ローマ帝国が崩壊して混沌とした暗黒時代としての中世」とし、「イエスを知り、文明(古代ギリシア・ローマの知識)」を取り戻した「近代」という概念が生まれていきました。
これを、そのまま日本に当てはめようとしたのが明治時代の歴史学者三浦周行です。
彼は、古代と中世の違いを「武士の起り」に求めました。
その理由としては、当時のヨーロッパ歴史学でも中世の起りを「ゲルマン民族の大移動に伴う、軍閥勢力の形成」に求められていたからです。
そこで、平安時代中期頃から東国(当時の中心地は京都であり、東国は未開の地)から起こった武装勢力の動きに着目しました。
そして、ゲルマン民族が腐敗したローマ帝国を滅ぼしその圧政から解放したように、日本でも中央政界の腐敗に対して立ち上がった東方の武装勢力があったとしました。(実際、源頼朝により幕府が天皇の元で国政を行うという制度が出来上がりました)
つまり、三浦周行はヨーロッパが文明の前段階として経験した「中世」を日本も昔に経験しており、故に日本もヨーロッパと同等の歴史・伝統をもっていると主張したわけです。
で、西洋で騎士に当たるのが、日本では各地方で力を持った開発領主(田畑を開墾することで領地を獲得した地方の有力者)が武装して出来た集団であり、それを武士の起源としました。
しかし、戦後の研究が進む中で、この見方に異論を持つ人も出てきました。
実際に「歴史区分論争」のような議論が活発に行われた時期もあります。(現在は、古代・中世・近代という歴史区分に頼るより、平安時代・鎌倉時代・江戸時代など、日本特有の時代区分で良いじゃないかというのが主流です)
で、こうした論争と共に「武士の起こり」にも諸説があり解明されていません。
主なモノとしては、先の三浦の見方に加え
・職能論 ・・・地方の豪族ではなく、都の下級氏族が中央と結びつく中で「武士」という階級を確立したという説。
先の開発領主説では、中央との密接な関係が説明できない為で、東方などの外からではなく、都内部から武士階級が生まれたという説です。
高橋昌明氏が『武士の成立武士像の創出』東京大学出版会編 にて発表されています。
・国衙軍制(こくがぐんせい)論・・・9世紀から11世紀に成立したとされる、日本の軍事制度に着目した説。
朝鮮(新羅)を中心とした大陸国家に対する外交政策の転換とそれに伴う律令制衰退の中で、中央政権が全国の個人を把握して軍隊を形成する「個別人身支配」が必要なくなった。
そして、財政の負担等を軽くする為にも、在地の実力者に権限を渡すことで間接支配に変遷していった。
そんな中から、武力を持った強豪が武士階級を形成していったという説
下向井龍彦氏の、『日本の歴史07 武士の成長と院政』講談社 が参考になると思います。
以上の三つが、今唱えられている主流の説ですね。
しかし、いずれの説にも弱点があって、いまだ「これだ!」という説は無いのが現状ですね。
学校などで教えられる説は、一番上の「在地領主論」が未だ主流なのですが、この説が明治時代からの国作りに利用されてきた面があるため、国としてはなかなか転換できないのかもしれませんね。
ではでは、参考になれば幸いです。
詳しい回答、本当にありがとうございました。
書いていただいた内容、まだ十分に消化できたとは言えないのですが、
何度も読み返しています。
小学校教師をしていますが、社会科の教科書には、「貴族の政治」
「武士の政治」という言葉が出てきます。しかし、では「貴族」「武士」とは
どのような人々なのかは十分説明されていませんし、私自身よくわかりません。
そこで、このサイトで質問させていただきました。
「古代」「中世」「近代」という時代区分も、西洋歴史学の引き写しだと知り、
驚きました。また、新たな疑問がフツフツと湧いてきます。
これからも、ご教授、よろしくお願いいたします。
No.1
- 回答日時:
最近では 軍事貴族の支配下に入ったものを 武士と呼ぶようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8D%E4%BA%8B% …
中世における、職能意識の中で、職能として「武」を行うものという切り分けです。
同じように、武装集団でも、神人として神社に所属したものは、見た目が武士でも、武士ではない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E5%A3%AB
古典的な、開発領主に求める説(在地領主論)
近年流行の、職能に由来するという説(職能論)
律令制下での国衙軍制に起源を求める説(国衙軍制論)
30年くらい前は、古典的な 在地領主論が主力説でしたが、最近は職能論から説明されるようです。
さっそくのご回答、ありがとうございました。
教えていただきましたサイトも参考にさせていただきました。
小学校教師をしていますが、歴史についてはわからないことだらけです。
しかし、疑問があるから、逆に面白いといえるのかもしれません。
これからも、「なぜ」を大切に、子供と一緒に考えていきたいと思います。
ありがとうございました。
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